米国の巨大なペット産業に風穴を開けたEコマース「Chewy」の歴史(前編)

米国の巨大なペット産業に風穴を開けたEコマース「Chewy」の歴史(前編)

注目企業

今回の年末特集は、米国のペット通販サイト「Chewy」についてである。

Chewyは2011年に創業。まだ10年と経っていないが、強固なビジネスモデルを確立し、Amazonが覇権を握るアメリカのEC市場で独自の成長をとげている

創業したのはライアン・コーエン(Ryan Cohen)という人物。1985年生まれで、起業したときには弱冠25歳の若者だった。

Chewyはどのようにして、ごく短期間のうちに米国有数のペットフードECに成長したのだろう。以前ご紹介した通り、今後はペットフード「以外」の領域にも進もうとしている。

今回の特集では、ライアン・コーエンの半生やアメリカのペット市場、Chewyの今後の戦略などについてお伝えしたい。

伸び続ける米国のペット産業

まず知っておきたいのは、米国におけるペット産業の馬鹿でかさである。

APPA(American Pet Products Association)によれば、1994年の米国ペット市場は170億ドル。これが2004年には340億ドルに倍増。2017年には700億ドルと、さらに倍増した。

2018年以降は調査方法が変更(APPAが言うには”改善”)されているが、2019年には960億ドル。2020年には990億ドルに到達することが予想されている。日本円にして10兆円を超える超巨大市場だ。

ペット数で多いのは、言うまでもなく犬猫である。米国には1.29億ほどの世帯があるが、そのうち犬は6,340万世帯。猫は4,270万世帯にいる。ちょうど二世帯に一つが犬、三世帯に一つが猫を飼っているわけだ

全体では8,490万世帯が何らかのペットを飼っており、割合にして67%。ちょうど三分の二ほどである。1988年時点では56%にすぎなかった。世帯数自体も当時(9,107万)から35%以上増えている。

彗星のように破綻した「Pets.com」

巨大な成長市場だと分かっていれば、参入するプレイヤーはいる。

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