AIの計算基盤を支える半導体メーカーと製造装置メーカーを集めたリストです。
米ウエスタンデジタル(WDC)が10月22日、2026年7〜9月期の決算を発表。売上高は前年比55%増の44億ドル、営業利益率は49%でした。テラバイト当たり平均価格は前年比28%上昇。アービング・タンCEOは、想定を上回る結果で2027年6月期の好調な滑り出しになったと述べました。 同社は2025年2月にフラッシュメモリー事業をサンディスクとして分離し、HDD(ハードディスクドライブ)を主力としています。売上高の9割近くはクラウド向けで、データセンターで使われる大容量HDDの需要が続いています。 10〜12月期は売上高51億ドルを見込み、前年比69%増と成長がさらに加速する見通し。CEOは「AIは本質的にデータシステムだ」と述べ、推論やフィジカルAIの広がりでデータの保存需要が拡大すると強調しました。株式市場では半導体関連銘柄の乱高下が続く中、経営陣が何を語ったのか見ていきましょう。
ラムリサーチ(Lam Research)は、米カリフォルニア州に本社を置く半導体製造装置メーカーです。ウェハー上に薄い膜をつくる成膜装置と、膜を削って回路を形づくるエッチング装置を主力としています。NAND型フラッシュメモリー向けのエッチング装置に特に強みを持つ、世界の大手装置メーカーの一角です。 同社は2026年10月21日、2026年7〜9月期の決算を発表。売上高、粗利益率、営業利益率、1株利益(EPS)がそろって過去最高を更新し、営業利益率は初めて40%を超えました。ティム・アーチャーCEOは、AIが前例のない半導体需要を生み、デバイスの複雑化も進んでいることが追い風だと説明。2027年の製造装置市場については、2000億ドルを超えるとの見通しを示しました。 5四半期連続で過去最高、部品の供給制約も浮上
TSMC(台湾積体電路製造)は、台湾・新竹に本社を置く世界最大の半導体受託製造企業です。自社ブランドの製品は持たず、顧客が設計したチップの製造を専門に手がけています。 同社は最先端の製造プロセスで高いシェアを持ち、AI向けアクセラレーターやスマートフォン向けのチップを幅広く生産しています。台湾に加え、米国アリゾナ州などの海外にも生産拠点を広げています。 そんなTSMCが10月、2026年7〜9月期の決算を発表。売上高は前期比16.2%増の467億ドルとなり、会社予想の上限を上回りました。決算説明会では、シーシー・ウェイCEOがAI需要に減速の兆しは見られないと発言。世界で約20の工場建設を進めるほか、米国ではテキサス州への進出も検討しています。
ASMLは、回路パターンをシリコンウエハーに焼き付ける「露光装置」のメーカーです。最も微細な回路を描けるEUV(極端紫外線)露光装置は、世界で同社しか量産できません。TSMCやサムスン電子、インテルといった大手が、ASMLの装置で先端品を生産しています。 同社には、2029年や2030年に納める装置の発注の打診まで届いています。10月14日に発表した2026年7〜9月期決算では、売上高が117億ユーロと過去最高を更新しました。 顧客は、少なくとも2028年まで半導体の供給不足が続くと見ています。ASMLは2027年に生産能力を3割増やす計画ですが、2027年と2028年はそれでも需要に届かない見通しです。同社は主力製品の値上げでも顧客と合意しました。
AIサーバーの一部は、本来積みたい量のメモリーを積めないまま出荷されています。半導体メモリー大手のMicronが、2026年6〜8月期決算の発表後に開いたアナリスト向け説明会で認めました。メモリー不足そのものは、以前から知られた話です。今回見えたのは、その不足がどこまで深く、どこまで長いかでした。 マニッシュ・バティア社長兼COOは「需要と供給がいつ釣り合うのか、見通しが立たない」と述べました。顧客との商談は、すでに2028年分に移っています。買い手の側も、数年先の分まで押さえに動き始めました。 AIサーバーは仕様を落として出荷
ブロードコムは米カリフォルニア州に本社を置く半導体大手です。GoogleのTPUに代表されるカスタムAIアクセラレータ(XPU)と、データセンター向けのネットワーク半導体が主力。2023年にVMwareを買収し、インフラソフトウェアも収益の柱に加えました。ホック・タンCEOのもと、AI関連の顧客をフロンティアモデルを開発する6社に絞る戦略をとっています。 同社は9月2日、2026年5〜7月期の決算を発表。売上高は296億ドルで前年比86%増、営業利益は201億ドルで同92%増です。AI半導体の売上高は167億ドルと前年比221%増、前四半期比でも54%増えました。2026年8〜10月期は売上高348億ドル、AI半導体217億ドルと、いずれも過去最高を更新する見通しを示しています。 AnthropicがGoogleを抜いて最大顧客に
データセンターの床下を走るケーブルの中で、信号が一瞬だけ揺らぐ。その「まばたき」が、高価なGPUを丸ごと遊ばせてしまう——。AI向け接続部品を手掛けるCredoが発表した2026年5〜7月期決算は、売上高が前年同期比2倍余りに伸び、これで7四半期連続の「3桁成長」となりました。 牽引したのは演算チップではなく、ケーブルと小さな接続チップです。なぜ「配線」がAI投資の急所になったのか。銅で育ったこの会社は、なぜいま光に踏み込むのか。決算説明会の質疑から、AIインフラの見えない主戦場を追います。 リンクの瞬断がGPUの2割を奪う AIクラスタの生産性を最も脅かすのは、演算チップの不足ではなく配線の「まばたき」です。ウィリアム・ブレナンCEOは決算説明会で、リンクフラップ(接続の瞬断)が連鎖すると、顧客のGPU稼働率が1割超、時に2割近くまで失われると説明しました。Credoはこの瞬断を「起きる前に」検知する仕組みを、成長の中核に据えています。
AIブームの恩恵を語る企業は数あれど、規模を増しながら成長率まで引き上げる会社はまれです。8月27日に決算を発表したMarvellは、その少数派に躍り出ました。説明会で示されたのは、階段を一段ずつではなく、二段飛ばしで駆け上がる設計図です。 階段を支える材料は、GPUのような主役チップではありません。アクセラレーターの脇で働く専用チップ群や、チップ同士をつなぐ配線の技術です。かつて隙間産業のように見られたこの領域が、大手クラウド1社との包括契約だけで同社の年間売上を上回る規模に膨らみつつあります。 決算自体も加速しています。売上の約8割を占めるデータセンター事業は、今期の成長見通しを6割増へと引き上げました。マシュー・マーフィーCEOは「データセンター事業の強さは、我々の従来予想を上回り続けている」と語ります。
NVIDIAはAI向け半導体の世界最大手です。GPUを中核に、CPU、ネットワーク機器、ソフトウェアまでを一体で提供する「AIファクトリー」企業へと姿を変えつつあります。生成AIブームの中心に位置し、時価総額は世界最大級です。 そんな同社が8月26日、2026年5〜7月期の決算を発表。売上高は960億ドルで、前年比2倍超に達しました。成長率の加速は4四半期連続です。さらに2028年1月期の売上を約70%増とする見通しを初めて示しました。ただしこの数字は「供給制約付き」であり、需要ベースの成長は100%に達すると経営陣は説明しています。 AI利用の主役が「人間」から「エージェント」へ
「アナログ半導体は年5〜7%で成長する成熟市場」——業界で長く共有されてきた通説が、いま揺らいでいます。Analog Devices(ADI)の2026年5〜7月期決算は、売上高が40.2億ドルと前年同期比40%増え、創業以来初めて四半期40億ドルの大台に到達しました。 ヴィンセント・ロッシュCEOは今回のサイクルについて「その幅、深さ、そしてAIという重力場。これほどのサイクルは経験したことがありません」と語ります。一過性の追い風ではなく、AIが生んだ電力問題がアナログ半導体の役割そのものを書き換えつつある——それが同社の見立てです。 象徴はデータセンター事業です。通信部門売上の8割を占めるまでに拡大し、光通信・電源の両分野が前年比2倍超のペースで成長。同社は2030年時点の関連市場の想定を、わずか1年で2倍以上に引き上げました。