AIの計算基盤を支える半導体メーカーと製造装置メーカーを集めたリストです。
マイクロン・テクノロジーは、米国を代表するメモリ半導体メーカーです。データを記憶するDRAMと、電源を切っても情報が残るNANDフラッシュの2つを主力とし、世界で数社しかいない大手の一角。近年は、AIの計算処理に欠かせない高帯域幅メモリ(HBM)でも存在感を高めています。 スマートフォンやデータセンター、自動車など幅広い分野に製品を供給する同社が、2026年3〜5月期の決算を発表しました。AIによるメモリ需要の拡大は、すでに広く知られています。決算説明会で経営陣が語ったのは、メモリ事業の仕組みそのものが変わりつつあるという話でした。 キャンセル不可の長期契約が広がる
Applied Materialsが、AIをめぐる投資の最前線で見えている景色を明かしました。同社は、半導体(チップ)そのものではなく、それを作るための製造装置を世界で手がける大手で、東京エレクトロンの競合にあたります。AIブームでは、どのチップ企業が勝っても装置が売れる立場にあり、需要の最前線を最もよく見通せる位置にいます。 同社のブライス・ヒルCFOによれば、AIの普及を縛っているのは、投資マネーでもGPUの供給でもないといいます。巨額の資金が流れ込んでも、需要がそのまま供給に変わるわけではありません。最前線には、お金では一足飛びに解けない別の壁があるとのことです。 AIといえば計算を担うGPUに目が向きますが、その裏では別の半導体の需要も静かに膨らんでいます。半導体は過去、作りすぎては価格が崩れる循環を繰り返してきました。ところが今回は、その教科書通りの展開になっていないといいます。
米国の半導体大手、ブロードコムが、2026年2〜4月期の決算を発表。総売上高は前年比48%増の222億ドルで、過去最高を更新しました。 急拡大しているのは、AI関連の事業です。2026年2〜4月期の総売上高は222億ドルとなり、前年比48%増の過去最高を記録。けん引役はAI半導体で、売上高は108億ドル、前年比143%増となりました。 ブロードコムの特徴は、特定の顧客向けに専用のAI半導体を設計する点にあります。同社は、この独自半導体を「XPU」と呼びます。汎用品を幅広く売るのではなく、巨大IT企業の要望に合わせて個別に作り込むモデル。ホック・タンCEOは「XPUでは大きな知的財産と実行力の優位がある」と述べました。
AIの主役といえば、NVIDIAに代表される高性能なGPUを思い浮かべる人が多いはずです。ところが、AIブームの果実を最も急な角度で受け取っている企業の一つは、そのGPUをつなぐ部分を作る半導体メーカーでした。Credoが発表した2026年4月期通期決算は、売上が前年の3倍を超える急成長となりました。半導体業界でも例の少ないこの伸びは、AIインフラに新しい制約が生まれていることを映しています。 ウィリアム・ブレナンCEOは、AIを動かす計算機の群れが巨大になるほど、勝負どころがずれてきたと指摘します。問われているのは、もはやチップ単体の速さではないという見立てです。性能競争とは別の次元で、顧客が本当に欲しがるものが入れ替わりつつあります。その変化が、同社の決算を押し上げました。 この急成長は、一度きりの現象ではなさそうです。Credoは、こうした流れが当面続くとの見方を示しています。しかも、需要を支える担い手は、これまでの一握りの巨大IT企業だけにとどまりません。AIインフラを支える顧客の顔ぶれが、広がり始めています。
HDD(ハードディスクドライブ)を専門に手がける米国企業、ウエスタンデジタル(WD)が株式市場での期待を高めています。同社は2025年2月にフラッシュメモリ事業(サンディスク)を切り離し、HDD一本に絞ったメーカーになりました。 4月30日に発表された2026年1〜3月期の決算で、売上高は前年比45%増の33億ドル。1株当たり利益(EPS)は前年同期のほぼ2倍となりました。AIブームはGPU、CPU、メモリと様々な製品に供給不足を引き起こしてきました。それがストレージにまで波及している現況が、同社の決算には表れています。 「AIに消される技術」ではなかったHDD
Marvellが発表した2026年2〜4月期決算は、AIブームの「主役」をめぐる見方に一石を投じる内容でした。同社はNVIDIAと同じAI向け半導体を手がけますが、作るのは計算を担うGPUではなく、機器どうしをつなぐ配線や通信の部品です。売上は前年比28%増と過去最高を更新し、AIの計算ばかりが語られる陰で、データを運ぶ裏方が急成長していることが浮かび上がりました。 マシュー・マーフィーCEOは、AIインフラが新しい世代に進むたびに、機器をつなぐネットワークの重要性が増していると説明しました。AIの初期は計算する力をいかに高めるかが焦点でした。しかし問われる役割が、計算そのものから、膨大なデータをいかに速く運ぶかへと移りつつあるという見方です。 象徴的なのが、計算用の半導体で圧倒的なNVIDIAが、つなぐ部品の領域でMarvellに出資し、提携を広げたことです。しかも同社の業績は、規模が大きくなるほど成長が鈍るという定石とは逆の動きを見せています。AI投資の拡大を追い風に、勢いはむしろ増しているようにも映ります。 計算の覇者は、なぜライバルにもなり得る相手と手を組んだのでしょうか。すでに巨大な事業が、さらに加速する原動力はどこにあるのでしょうか。AIの主役が本当にGPUなのかという問いの答えは、同社が運ぶ「配線」の先に見えてきます。
AIの普及に伴うデータセンター投資は、ここ数年で中心テーマの一つになりました。話題の多くは半導体やクラウドサービス事業者の動向に集中しています。一方で、こうした施設を支える電源・冷却・配線といった「裏方のインフラ」にも、AI需要を起点とした構造変化が進んでいます。 データセンターは電源、冷却装置、配電、運用といった多層的な要素の集合体。これらをどう組み合わせ、どれだけのスピードで立ち上げるかが、AIサービスの稼働開始までの時間を大きく左右します。電力ひっ迫や建設現場の人手不足といった制約が顕在化する中で、組み立て方そのものを見直す動きが各所で広がっています。 こうした裏方のインフラを世界規模で供給している企業の一つが、米Vertivです。同社はデータセンター向けの電源・冷却・統合ソリューションを手掛ける存在。先日発表した2026年1〜3月期決算は各指標で会社見通しを上回り、通期見通しの上方修正にもつながりました。
AIへの投資は、もはや一企業の設備投資という枠を超えた規模に達しています。大手IT企業の支出が本当に回収できるのか、市場では持続性を問う声も少なくありません。その行方を占ううえで、半導体大手NVIDIAの決算は世界で最も注目される指標の一つになっています。 同社は5月20日、最新の四半期決算を発表しました。そこでジェンスン・フアンCEOをはじめとする経営陣が描いたのは、AIをめぐる風景が静かに様変わりしている姿です。実験の段階を抜けたAIが、どこで、誰の手によって使われ始めているのか。 もう一つ重要かつ誰もが注目すべき問いは、投資の主役はこれまでと同じ顔ぶれのままなのか、それとも広がっていくのか。フアン氏らが語ったのは、好調な数字の先に横たわる構造の変化でした。AIの普及が新たな局面に入りつつあるいま、その勢いはどこへ向かうのか。今回の決算をもとに紐解いていきましょう。
世界の半導体工場に製造装置を供給するApplied Materialsが、2026年2〜4月期決算を発表しました。売上高は前年比11%増の79.1億ドル、非GAAPベースの希薄化後EPSは同20%増の2.86ドルと、いずれも四半期として過去最高を更新しました。粗利率は50%と、同社にとって25年ぶりの水準に到達しています。 ゲイリー・ディッカーソンCEOは決算説明会で「AIの導入は加速と多様化を続け、半導体と半導体製造装置に対する広く持続的な需要を生んでいる」と説明しました。世界の半導体メーカーがAI関連の設備投資を一段と前倒しで進めており、装置の発注が想定を上回るペースで増えているといいます。足元の需要環境について同CEOは「前例がない」とまで表現しました。 主力の半導体システム事業は売上59.7億ドル(前年比10%増)、サービス事業のApplied Global Servicesは16.7億ドル(同17%増)と、両セグメントとも記録を更新しました。ブライス・ヒルCFOは次の四半期の売上を89.5億ドル(同23%増)と見込むと述べ、成長が一段と加速する見通しを示しました。AI関連投資が需要の中心となっている状況がうかがえます。
オンセミ(ON Semiconductor)は、米アリゾナ州を本拠とするパワー半導体メーカーです。テキサス・インスツルメンツやアナログ・デバイセズ、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズと並ぶ、世界のパワー半導体大手の一角です。 パワー半導体は、高い電圧や大電流を制御・変換する半導体デバイスで、モーター制御などに使われています。自動車のEV化、データセンターの電力需要、産業機器の電動化といった分野で、電気を効率的に変換・制御する半導体を供給してきました。 ここ2年あまり、自動車および産業機器向けの半導体市場は需要調整局面が続いてきました。コロナ禍の特需後に膨らんだ在庫の解消と販売減速が重なり、業界各社の決算は減収減益が常態化する期間が長期化。市場関係者の関心は、いつサイクルが底を打つのかという一点に集中していました。