売上2倍でも「供給不足」NVIDIA決算が映すAI経済の現在地

NVIDIA

NVIDIAはAI向け半導体の世界最大手です。GPUを中核に、CPU、ネットワーク機器、ソフトウェアまでを一体で提供する「AIファクトリー」企業へと姿を変えつつあります。生成AIブームの中心に位置し、時価総額は世界最大級です。

そんな同社が8月26日、2026年5〜7月期の決算を発表。売上高は960億ドルで、前年比2倍超に達しました。成長率の加速は4四半期連続です。さらに2028年1月期の売上を約70%増とする見通しを初めて示しました。ただしこの数字は「供給制約付き」であり、需要ベースの成長は100%に達すると経営陣は説明しています。

AI利用の主役が「人間」から「エージェント」へ

ジェンスン・ファンCEOは決算説明会で、AI利用の構造変化を明かしました。「先月、AIの過半数がエージェント型に転換した」との発言です。エージェントは推論、計画、ツール利用を何度も繰り返します。その結果、人間1人の利用と比べて15〜100倍のコンピュートを消費するといいます。

ファンCEOは自社を例に将来像も語りました。「当社の従業員は約4万人だが、将来は40万、400万のエージェントを持つことになる」との見立てです。エージェントは24時間バックグラウンドで稼働し続けます。タスク完了のたびに自らのスキルファイルを更新し、「粗い粒度の自己改善」がすでに起きているとも述べました。

この変化はCPU需要にも波及しています。同社のGrace CPUは直近12カ月の売上が50億ドルを超えました。次世代のVera CPUはエージェント作業を1.8倍速くこなし、ワットあたり帯域幅は他のデータセンターCPUの5倍です。2028年1月期にはCPU売上が2倍以上になる見通しで、同社はサーバーCPU大手の一角に浮上しつつあります。

一方、AGI(汎用人工知能)をめぐる議論には冷めた見方を示しました。「多くのタスクにおいて、すでにAGIを達成したと言える」「マイルストーン論争は今や無意味だ」との発言です。重要なのはAIが生産的な仕事をこなし、利益の出るトークンを生成していることだと強調しました。コンピュートが増えれば利益も増える局面にあり、それが全員が前のめりになる理由だと説明しています。

非ハイパースケーラーが事業の50%に

5〜7月期のデータセンター売上は890億ドルでした。このうちNeoCloud(AI専業クラウド)、企業、政府系を含む「ACIE」セグメントが400億ドルを占めます。前四半期比25%増、前年比138%増という成長ぶりです。ハイパースケーラー向けの490億ドルに迫る規模になりました。

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