誰でも簡単に使えるWebサイト作成ツール「Wix」。日本でも一時期YouTube広告などで話題になり、ご存知の方は少なくないだろう。 前編でもご紹介した通り、Wixはイスラエル発企業として有数の成功を勝ち取った。登録ユーザー数は今や2.1億人以上。北米以外の売上が42%にものぼるグローバル企業だ。
生成AIの活用となると、テキスト生成やコーディング支援を中心に語られがちです。そんな中で音声、さらに言えば「電話」がAIエージェントの実用領域として急速に立ち上がりつつあります。 その変化を象徴するのが、クラウド電話大手RingCentral。同社は7月23日に2026年4〜6月期決算を発表、売上高は約6.6億ドル(前年比5.9%増)と一見地味ですが、会社予想の上限を上回りました。株価は一日で25%も上昇しています。 株式市場には、「AIに代替されるRingCentralは”溶ける氷”だ」という弱気論も存在してきました。なかなかひどい言い方です。
配車やデリバリー事業をアジア圏で手がけるグラブ(Grab Holdings)は今、AIを軸に事業の輪郭を描き直しています。東南アジア8市場で取引データを積み上げ、ドライバーや加盟店からなる物理的な配送網を持っています。 この2つを結びつけ、独自のAI基盤へと自らを作り変えつつあります。その手応えは数字にも表れ、オンデマンドのGMVは前年比24%増、調整後EBITDAは17四半期連続で拡大しています。変化の波は、ドライバーや加盟店の現場から、自動運転やEVへの取り組みにまで及んでいます。 AIエージェントの「実行レイヤー」を狙う グラブは「GrabX」というイベントで、13個の新しいAI機能を発表。アンソニー・タンCEOは、これらを使って外部のAIインターフェースを新たな成長エンジンに変えると述べました。ここでいう「外部のAIインターフェース」とは、ChatGPTのような汎用AIのことを指します。
オンセミ(ON Semiconductor)は、米アリゾナ州を本拠とするパワー半導体メーカーです。テキサス・インスツルメンツやアナログ・デバイセズ、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズと並ぶ、世界のパワー半導体大手の一角です。 パワー半導体は、高い電圧や大電流を制御・変換する半導体デバイスで、モーター制御などに使われています。自動車のEV化、データセンターの電力需要、産業機器の電動化といった分野で、電気を効率的に変換・制御する半導体を供給してきました。 ここ2年あまり、自動車および産業機器向けの半導体市場は需要調整局面が続いてきました。コロナ禍の特需後に膨らんだ在庫の解消と販売減速が重なり、業界各社の決算は減収減益が常態化する期間が長期化。市場関係者の関心は、いつサイクルが底を打つのかという一点に集中していました。
世界で相次ぐ原発回帰の宣言は、長らく「野心」の段階にとどまってきました。しかし、カナダのウラン大手カメコが発表した2026年4〜6月期決算からは、産業全体が「実行」の段階へ移り始めた手応えが伝わってきます。主役は目先の売上や利益ではなく、市場そのものの構造変化でした。 決算説明会で焦点となったのは価格です。グラント・アイザック社長兼COOは「契約サイクルの序盤で、この水準のウラン価格を見たことは一度もない」と語りました。過去のサイクルでは、終盤にしか現れなかった水準だといいます。 もう一つの主役が、投資会社ブルックフィールドと共同で傘下に収める米原子炉大手ウェスチングハウスです。米エネルギー省の後押しを取り付け、次世代原子炉の建設は具体的な「発注」の段階に入り始めました。かつて東芝グループの一員として知られた同社が、いま原発回帰の中心に立っています。
英語文法をチェックしてくれる「Grammarly」というツールがある。近年、日本でもYouTube広告がよく流れているから、その名前を知っている人は少なくないだろう。 いわゆる「ネイティブ」でない者にとって、言語を自然かつ流暢に操るのは簡単ではない。インターネットによって世界中が高度につながった今、特に知識労働を行う人にとって、英語の読み書きを行う必要性は増している。
今回取り上げるのは、ユニコーン企業の「Replit」だ。便宜上、生成スタートアップ企業の一つとして紹介するが、生成AIありきで立ち上がったわけではない。 創業者のアムジャド・マサドはヨルダン出身のエンジニア。年に四つのプログラミング言語を習得したいと考えたマサドが、独自の「REPL」を開発したことが創業の起点だ。 REPLは「read-eval-print loop」の略で、ごくシンプルなプログラムの実行環境。ぱっと見は入力欄だけだが、プログラムを入力すると、即座に実行して結果を返してくれるというもの。完了したら、また入力欄が表れる。 そんなもの何の役に立つのかと思うかもしれないが、プログラミング初心者が一番最初に挫折するのが「環境構築」だ。Pythonを入れて、Rubyを入れてなどとやっているうちにエラーに遭遇し、心が折れてしまう。
D.R. Hortonが2026年4〜6月期決算を発表しました。住宅ローン金利の高止まりで買い控えが続くなか、引渡しは底堅く着地しています。同社は引渡し戸数で全米首位の住宅ビルダーです。その強さの源泉は、豪華な家ではなく、徹底した「安さ」にあります。 ポール・ロマノウスキーCEOは「販売現場には今も多くの買い手がいる。必要なのは、経済と購入に対する自信を取り戻してもらうことだ」と述べました。高い金利が、家を欲しい人と買える人を分断しています。最安値帯の王者にとっても、需要の逆風は他人事ではありません。 それでも、この会社の商売は常識の逆を行きます。米国の新築平均を大きく下回る価格で家を売りながら、資本効率では米国を代表する大企業と肩を並べます。安く売れば薄利になる、という直感が通用しません。 今回の決算では、需要の鈍りを認めつつ、あえて追いかける数字を減らす決断も下しました。全米で最も多く家を建てる会社は、何を守り、何を手放したのでしょうか。
米ホームデポは世界最大のホームセンターチェーンです。米国、カナダ、メキシコに2364店舗を展開し、DIY顧客と建設業者などのプロ顧客の双方に建材や工具、家電を販売しています。近年は建材ディストリビューターのSRSやGMSを相次いで買収し、プロ向け流通事業を強化しています。 同社が8月18日に発表した2026年5〜7月期決算は、売上高479億ドル(前年比5.7%増)、調整後1株利益4.92ドル(同5.1%増)でした。既存店売上高は1.7%増と会社の想定を上回り、通期ガイダンスを据え置きました。決算からは、関税還付や即時配送、店内AIなど、米国の小売と消費の変化を示すトピックが浮かび上がります。 関税が「戻ってくる」7.3億ドルの還付金
Penguin Solutionsが2026会計年度第2四半期決算を発表しました。売上高は3.4億ドル(前年比6%減)、非GAAP希薄化後EPSは0.52ドルで前年並みです。 注目は2月就任のカシュ・シェイク新CEOが初の説明会で打ち出した方向性です。AIワークロードが学習から推論へ移る中、同社はメモリとAIインフラの交差点に自らを位置づけ、3月のNVIDIA GTCで「MemoryAI」と呼ぶ新製品ラインを発表しました。 本稿はこの戦略転換を軸に読み解きます。
現地時間4月20日、動画配信サービスを手がける「Netflix」が2021年1〜3月期決算を発表。巣ごもりからの反動が懸念される中、増収増益を達成した。 中でも顕著なのが、収益性の向上だ。営業利益は19.6億ドルに倍増。営業利益率は27.4%にまで拡大、巨額のコンテンツ投資をへて高いマージンを実現するまでになった。
MKSは、半導体製造装置やプリント基板(PCB)の製造に欠かせない部品・材料を供給する企業です。事業は半導体、電子・パッケージング(E&P)、特殊産業の3つの市場に分かれます。装置部品から先端PCB向けの化学薬品やレーザードリル装置まで、製品の幅が広いことが特徴です。 直近の2026年1〜3月期は、売上高が10.8億ドルで前年比15%増、前期比4%増となりました。ジョン・リーCEOは、売上高・総利益率・EPSがいずれもガイダンスの上限かそれを上回る水準で着地したとアピール。続く4〜6月期は売上高12億ドルが見込まれ、半導体とE&Pの両方で加速を予想します。 AIブームの足元を支える企業
カナダの金鉱大手Barrickが2026年1〜3月期決算を発表しました。調整後純利益は前年同期比173%増、フリーキャッシュフローは320%増の16億ドルと、いずれも前年同期から大幅に拡大する好決算となりました。 ヘレン・カイCFOは決算説明会の冒頭、「これらの結果は価格が牽引したわけではない」と切り出しました。金鉱会社は金価格と業績が連動する景気循環株とみなされやすい中、CFO自身が好決算を「価格依存ではない」と位置づける展開です。 金生産量はガイダンス上限を上回り、1オンスあたりコストも計画を下回りました。純現金ポジションは24億ドルに達し、同社は30億ドルの自社株買い枠を新たに承認しています。
今回の記事では、前回のAnthropicに引き続いてAIユニコーンの一つである「Cohere」を特集する。 Cohereを創業したのは、エイダン・ゴメス(Aidan Gomez)という人物。オンタリオ郊外の豊かな森に囲まれて育ったカナダ人だ。 2018年までにトロント大で計算機科学を学び、在学中からGoogleのAI開発組織「Google Brain」でインターン。当時まだ二十歳前後と若かったが、著名な論文の執筆者として名を連ねることになった。 その論文(Attention Is All You Need)こそ、現在の生成AIにつながる重要な研究成果の一つ。長い文字列の関係性をAIが学習する「Transformer」という仕組みを提案した。
「AIエージェントの時代は、すでに来ている」——Cadence Design Systemsのアニルド・デヴガンCEOは、4月27日発表の2026年第1四半期決算でそう宣言しました。 Cadence Design Systemsは、半導体設計ソフトウェア(EDA)などを提供する企業。半導体設計の現場では設計1件あたりに必要なエンジニアが急増する一方で採用は追いつかず、これまで自動化が遅れていた領域まで含めてAIエージェントへの依存が高まりつつあります。 今回の決算から、AIエージェントが半導体設計のビジネスモデルをどう変えつつあるのか、課題も含めて整理します。
先週も、数々のスタートアップが資金調達を発表しました。 もっとも、1,000万ドルを超えるような大型調達は(報道としては)やや減っているようにも感じます。
昨日話題となった経済ニュースの中から、注目の10本をピックアップしてお届けします。 「Kyash」がシリーズBで約15億円を調達
子ども用雑貨専門店『西松屋』を展開する西松屋チェーンが1Q21の決算を発表しました。
前回、ネットフリックス(Netflix)の決算数値をまとめました。決算インタビューでは経営陣が戦略について語っており、こちらも非常に興味深いのでポイントを整理しておきます。 競争激化に対する考え方
MillerKnollが2026年3〜5月期決算を発表しました。売上は10億ドルを超え、前年比4.4%増となりました。アーロンチェアで知られるHerman Millerと、同業のKnollが統合して生まれたオフィス・住宅家具の最大手です。決算の数字の背後では、家具という業界の前提が静かに揺らいでいます。 AIの普及と在宅勤務の定着は、オフィスという空間を不要にするはずでした。その通説に従えば、オフィス家具の需要は細っていくことになります。ところが、顧客と日々向き合う現場からは、これとは異なる景色が見えています。企業がふたたびオフィスに人を戻し始めているのです。 この変化は、同社の事業の隅々に表れています。オフィスや施設向けに家具を納める法人事業では、顧客が持ち込む相談の中身そのものが変わりました。一般消費者向けの小売事業では、値上げに対する消費者の反応に意外な答えが出ています。業績の立て直しを託された新たな経営者は、その舵取りの方針を率直な言葉で語りました。 オフィスに人が戻るとき、家具メーカーには何が起きるのでしょうか。そして、その需要を捉える同社は、いま何で稼ぐ会社になろうとしているのでしょうか。決算の数字の奥にある変化の正体を、経営陣の言葉からたどります。