日本で夫婦の5.5組に1組が経験し、4月に保険適用も始まった不妊治療。受診のハードルは下がったが、拘束時間や精神負荷から、治療する女性の約2割が離職を余儀なくされている。 5月に開院した「トーチクリニック」(東京都渋谷区)は、生殖医療の根本課題の解決にデジタルトランスフォーメーション(DX)で挑む。治療データを独自で蓄積し、最適な治療法も割り出せる次世代の生殖医療施設を目指す。 大学病院や国際学会で稀有な実績を残しながら、飛び出して開業に踏み切った市山卓彦院長に目的や展望を聞いた。 治療活発も妊娠率低い日本
株式市場には「コカ・コーラ」に関する上場企業が複数存在します。本家(The Coca-Cola Company)のティッカーは「KO」(以下KO)。「COKE」のティッカーを持つのは、ノースカロライナ州に本社を置くボトラー会社(Coca-Cola Consolidated、以下COKE)です。 背景にあるのは、「コカ・コーラ・システム」と呼ばれる分業構造です。本家KOはブランドを保有し、原液(コンセントレート)の製造とマーケティングに特化。原液を仕入れて糖分や炭酸水と混ぜ、瓶や缶に詰め、トラックで小売店まで運ぶのがボトラーの仕事です。 言わば、工場や物流網といった重い資産はボトラー側が抱える構造。この分業は、19世紀末のコカ・コーラ誕生期から続いています。コカ・コーラ製品だけではなく、Dr PepperやMonster Energyの製造販売も手がけています。COKEは、そんなボトラーの全米最大手。
AIブームの恩恵を最も直接受けるとされる企業の一つに、意外なつまずきが生じました。AIデータセンター向けに電源・冷却設備を手がけるVertivが発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が前年比24%増と力強い伸びを示し、通期の業績見通しも全面的に引き上げられました。 決算説明会に登壇した経営陣の言葉も、一貫して強気でした。ジョルダーノ・アルベルタッツィCEOは事業の現状を振り返り、「今日ほど自社の進む軌道に自信を深めたことはない」と述べています。 それでも市場の視線は、好調な数字の傍らにある違和感に注がれました。受注環境は加速しているにもかかわらず、この四半期の売上はある事情から市場の期待を下回ったのです。原因は、需要の弱さではありませんでした。
AIデータセンターの電力需要が送電網を圧迫し、電気代を押し上げる──米国でそんな見方が広がるなか、震源地とされるテキサス州で興味深い現象が起きています。同州を地盤とする大手電力会社Vistraの2026年4〜6月期決算は、調整後EBITDAが前年同期比30%超増と、過去最高ペースで推移しました。 ジム・バーク社長兼CEOが決算説明会で強調したのは、好業績そのものより需要の「実像」でした。送電網への接続申請について「実態の20倍以上に水増しされた数字は、政策当局に問題を引き起こす」と指摘。申請の膨張こそが市場の混乱の源だと訴えたのです。 注目は主力市場テキサスの夏の値動きです。7月に電力需要が史上最高を更新した一方、卸電力価格は静かなまま推移しました。記録的な猛暑と動かない価格という奇妙な組み合わせの裏側を、経営陣は説明会で具体的に解き明かしています。 なぜ電力会社が、顧客候補であるはずの需要の「間引き」を歓迎するのか。そして猛暑の夏に価格を抑え込んでいたものは何か。決算説明会で語られた電力市場の内幕を追います。
UECが発表した2026年2〜4月期決算は、鉱山会社の常識から外れた内容でした。同社は米国でウランを採掘する企業で、ウランは原子力発電の燃料になります。生産を続けながら、この四半期は出荷を止め、コストはむしろ上昇しました。一見すると後退ですが、その裏では原子力をめぐる市場の地殻変動が進んでいます。 アミール・アドナニCEOが掲げるのは、採掘から先の工程までを米国内で一貫して担う供給者になるという構想です。背景には、原子力の燃料が一部の国に依存してきたという、エネルギー安全保障の課題があります。一鉱山会社の決算は、やがて国家の供給網をめぐる話へとつながっていきます。 同社はいま、生産能力の拡張を急いでいます。新たな鉱山を立ち上げ、現場の人員は1年で倍近くに増えました。それでいて、掘ったウランは売らずに在庫として抱えています。攻めと我慢が同居する、独特の経営判断がうかがえます。 では、UECはなぜこのタイミングで「売らない」を選んだのでしょうか。そして、その我慢の先に何を見据えているのか。一見すると振るわないこの四半期の数字は、その問いから読み解くことができます。
AI時代における逆風──この言葉を最も頻繁に向けられているSaaS企業の一つが、HubSpotかもしれません。 LLMが商品・ブランド発見の起点となり、検索流入には逆風が吹いています。インバウンドマーケティングの代名詞として成長してきた同社のビジネスモデルは、その土台が揺らぎつつある領域と重なります。 その一方で、2026年2月に公表された2025年10〜12月期決算には、着実な業績が数値として表れています。四半期売上は為替中立ベースで前年比18.2%増、通期でも同18.2%増で31億ドルに到達。大口顧客向けの躍進が目立つ一方、取締役会は最大10億ドルの自社株買いプログラムを新たに承認しました。
アスレチックウェア大手のルルレモン・アスレティカ(LULU)が2025年度第4四半期(2025年11月〜2026年1月)の決算を発表しました。売上高は36億ドルで前年比1%増、53週目の影響を除くと6%増となりました。為替一定ベースの既存店売上高は2%増と堅調に推移しています。 一方で利益面には逆風が吹いています。関税コストの増加と値引き販売の拡大が重なり、粗利益率は54.9%と前年の60.4%から大幅に低下しました。希薄化後EPSは5.01ドルと前年の6.14ドルを下回っています。 過去5年のLULU株価推移=Finboard 決算説明会では、暫定共同CEOを務めるメーガン・フランク氏とアンドレ・マエストリーニ氏が登壇しました。両氏は北米事業の立て直しに向けた「アクションプラン」の進捗を詳しく説明。2026年度を通じて定価販売比率の改善を進める方針を示しています。
モバイルに精通した技術者集団「アイビス」が、右肩上がりの成長を続けている。 アイビスは2000年、静岡県浜松市で創業。翌年に名古屋で株式会社化し、受託開発やIT技術者の派遣事業を手がけてきた。2011年にはモバイルペイントアプリ『アイビスペイント(ibisPaint)』をリリース。今や世界4億ダウンロードを超える大ヒットアプリとなった。 2023年の売上高は40億円を超え、営業利益は4.3億円に倍増。ここ数年で収益性を大きく引き上げている。株価も躍進し、この一年で約86%の上昇。時価総額は122億円を超えた。
1月25日、弁護士ドットコムが2020年4〜12月期決算を発表した。
(前回のつづき) 1933年、日本で走っていた乗用車は、ほとんど全てGMとフォードがつくったクルマでした。
今日は、インターネット企業の中でも際立って安定した成長を続けているサイバーエージェントの企業価値について考えてみたいと思います。 はじめに断っておきますが、自分はファイナンスの専門家でもなんでもないので、ご指摘やマサカリについては歓迎します。
世界を代表するゲーム会社「任天堂」の2019/3期決算が発表されました。
(前編のおさらい) 今やSalesforce、Adobeに続いて世界で3番目に売上が大きなSaaS企業となったWorkday。創業者のデイビッド・ダッフィールドはソフトウェア業界で圧倒的な実績をもつ人物でした。
アップルの2026年1〜3月期(第2四半期)決算は、同社にとって象徴的なタイミングで発表されました。売上高は前年比17%増の1,112億ドルで、3月期として過去最高。先日公となったティム・クックCEOの退任についても改めて語られました。 クック氏がCEOに就任したのは2011年。スティーブ・ジョブズの死の直前のことでした。その後の15年でアップルは文字通り、世界を代表するテクノロジー企業の一つとしての地位を確立しています。同時に、AIを巡る競争環境は、アップルが従来取ってきたアプローチに対し、判断の更新を迫り始めています。 好調な業績の裏側で、複数の構造変化が同時に進んでいます。供給制約は想定外の場所で生じ、AI関連投資の拡大は営業費用の伸びとして数字に表れ始めました。長年運用されてきた資本政策の前提にも変化の兆しが見えます。記録的な数字の背後で、次の局面に向けて静かに動いているのが3月期の特徴と言えます。
米国の電力業界はいま、長年続いた需要横ばいから一転、顕著な需要拡大局面に入っています。AIの計算負荷を支えるデータセンターの建設が全米で加速し、系統に乗せる電源を増やす必要が生じているためです。「いかに早く、どれだけの規模で発電所を建てられるか」が、業界全体の競争変数として急浮上しています。 最も多面的に動いている事業者の一つがNextEra Energy(NEE)です。同社は規制下の電力子会社と、長期契約に基づく独立電源事業を展開。天然ガス供給や送電網への投資にも領域を拡大しました。米政府からハイパースケーラー、地方の電力協同組合まで、相手ごとに案件の組み方を使い分けています。 2026年1〜3月期決算では、幅広いパートナーシップが具体的な数字と契約に結びつき始めたことが明らかになりました。調整後1株利益は前年比10%増。複数の大型案件で確定契約へ進む見通しが示されています。
テスラの決算が発表されるたび、話題にのぼるのが「排出権取引」による収益だ。一部では「実体のない利益」などと言われる。
国土の広い米国では、商品の多くがトラックで運ばれます。ところが、この4年ほど、その運賃市場は低迷が続いてきました。多くのトラック運送会社が薄利や赤字に苦しむなか、中堅企業の一角であるコヴェナント(Covenant Logistics Group)が市況が転換しつつあることを指摘しました。 コヴェナントは年商約12億ドルの中堅企業で、保有トラックは約2,800台ほど。一般的な汎用輸送ではなく、災害対応、鶏肉輸送、国防総省(DoD)向けといったニッチな領域に注力しています。 そんな同社の経営トップを務めるのは、創業者でもあるデイビッド・パーカーCEO。パーカー氏は1986年に夫婦で起業し、1994年にはニューヨーク証券取引所へ会社を上場させました。そんなパーカー氏が直近の決算発表で、「過去2年間で最も強気だ」と今後に向けた希望を語っています。
「Green」「yenta」「wevox」など、人材関連のインターネットサービスを提供している株式会社アトラエ(証券コード:6194)の2019年9月期2Qの決算が発表されました。
ボルボ・グループが2026年4〜6月期(第2四半期)決算を発表しました。関税やコスト増が続くなかで増収増益を確保し、利益率も広がっています。しかし今回の決算の見どころは、足元の数字の強さだけではありません。AI投資の熱が思いがけない場所にまで届き始めたことを映す内容でした。 マルティン・ルンドステットCEOは「効率的な輸送インフラ、そしてとりわけエネルギーソリューションに対する構造的な需要は、世界で拡大し続けています」と述べました。トラックを売る会社のトップが「エネルギー」を強調する——ここに、いま同社で進む変化の輪郭が表れています。 変化を象徴するのが、受注の中身です。船やトラックのために作られてきたエンジンの注文欄に、AIインフラの中核であるデータセンターが割り込んできました。畑違いに見える両者を結びつけたものは何なのか。そこには、AIブームの意外な広がり方が凝縮されています。 折しも米国では関税制度が動き続け、トラック市場も長い停滞の出口に差しかかっています。追い風と不確実性が交錯するなかで、この決算からは同社の「次の稼ぎ方」の輪郭がにじみます。トラックの巨人は、AIの時代に何を売る会社になっていくのでしょうか。
米国人の3人に1人は、同じ会社のシステムを通じて裁判所とやり取りします。開発するのは、テキサス州に本社を置くTyler Technologies(タイラー・テクノロジーズ)。裁判所管理システム「Odyssey」は全米最大のロサンゼルス郡上級裁判所を含む各地で稼働。不動産評価の分野でも全米最大手です。 Tylerは州・地方政府に特化したソフトウェア企業として全米約1万3000の政府拠点にシステムを提供。導入実績は4万件を超えます。財務管理、裁判所運営、公共安全、固定資産評価、徴税と、地方行政の基幹業務をほぼ網羅する製品群を持ちます。 事業規模も無名さに見合わないほど大きくなっています。2025年の売上高は23億ドルで前年比9.1%増。GAAPベースの純利益は3.2億ドル、フリーキャッシュフローは6.2億ドルに達します。S&P500の構成銘柄でありながら、一般消費者との接点がほぼないため、米国内でも知名度の低い企業です。