テスラの「排出権取引」って一体何なの?
テスラの決算が発表されるたび、話題にのぼるのが「排出権取引」による収益だ。一部では「実体のない利益」などと言われる。
Teslaの排出権収益(Regulatory credits)はここ数年、伸びが加速している。2020年はすでに2019年の2倍近い水準となり、12億ドル近い規模にまで達した。
テスラは自社の使命について「ゼロエミッション社会への移行を加速」することを掲げる。他社に排出権を販売したところでCO2の排出量が減るわけではない。
もっとも、完全に無意味とも言い切れない。金額が大きくなれば、テスラが工場を余分に作ることができる。直近9か月の設備投資額は20億ドルだから、その半分以上を排出権収益でまかなえる計算になる。
しかし、この排出権収益という代物は一体どこから現れ、なぜここまで大きく膨らんだのだろう。そして、今後はどうなっていくのか。
そこで今回は、そもそも「排出権収益」とは何なのか、どのようにして生まれたのか?歴史をさかのぼる形で整理してお伝えしたい。
「排出権収益」を生みだした背景は、思ったより根深い。