アップルの2026年1〜3月期(第2四半期)決算は、同社にとって象徴的なタイミングで発表されました。売上高は前年比17%増の1,112億ドルで、3月期として過去最高。先日公となったティム・クックCEOの退任についても改めて語られました。
クック氏がCEOに就任したのは2011年。スティーブ・ジョブズの死の直前のことでした。その後の15年でアップルは文字通り、世界を代表するテクノロジー企業の一つとしての地位を確立しています。同時に、AIを巡る競争環境は、アップルが従来取ってきたアプローチに対し、判断の更新を迫り始めています。

好調な業績の裏側で、複数の構造変化が同時に進んでいます。供給制約は想定外の場所で生じ、AI関連投資の拡大は営業費用の伸びとして数字に表れ始めました。長年運用されてきた資本政策の前提にも変化の兆しが見えます。記録的な数字の背後で、次の局面に向けて静かに動いているのが3月期の特徴と言えます。
クックCEOは決算説明会の中で、ジョブズから受け継いだ判断軸を別の言葉で言い換えて後継者に伝えたと明かしました。同時に、メモリコストの先行きや財務目標の扱い、新製品の供給状況といった論点についても発言。明言を避けながらも方向性を示唆する内容でした。