AIブームの恩恵を最も直接受けるとされる企業の一つに、意外なつまずきが生じました。AIデータセンター向けに電源・冷却設備を手がけるVertivが発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が前年比24%増と力強い伸びを示し、通期の業績見通しも全面的に引き上げられました。
決算説明会に登壇した経営陣の言葉も、一貫して強気でした。ジョルダーノ・アルベルタッツィCEOは事業の現状を振り返り、「今日ほど自社の進む軌道に自信を深めたことはない」と述べています。
それでも市場の視線は、好調な数字の傍らにある違和感に注がれました。受注環境は加速しているにもかかわらず、この四半期の売上はある事情から市場の期待を下回ったのです。原因は、需要の弱さではありませんでした。

作っても作っても追いつかない——。そんな状況は、企業に幸福だけをもたらすのでしょうか。質疑で交わされた経営陣とアナリストの応酬は、AIインフラ産業が直面する成長の実相を映し出していました。