業務ソフトをクラウドで提供する企業のリストです。大手からデータ基盤・開発ツールの専業まで含みます。
monday.com(マンデードットコム)は、イスラエル発のワークマネジメントSaaS企業です。2012年にロイ・マン氏とエラン・ジンマン氏が共同創業し、業務全般を一つの基盤で管理する「Work OS」を武器に成長してきました。プロジェクト管理を起点に、CRM(顧客管理)、サービス管理、開発者向けツールへと製品群を拡大しています。2021年にナスダックへ上場し、現在は両氏が共同CEOを務めています。 同社は2026年8月10日、2026年4〜6月期決算を発表しました。売上高は3.65億ドルで前年比22%増、非GAAPベースの営業利益率は17%でした。7月にはARR(年間経常収益)が15億ドルを突破しています。一方で同社は7月22日、全従業員の約20%にあたる人員削減を発表しました。好業績と大規模リストラが同居する決算には、AI時代のSaaS企業が直面する変化が凝縮されています。 課金の軸が「人の数」から「AIの仕事量」へ
米Datadogは、クラウド上のシステムを監視する「オブザーバビリティ」プラットフォームの大手です。サーバーやアプリケーションの稼働状況を一元的に可視化し、障害の検知から原因究明、セキュリティ対策までを担います。顧客はスタートアップから大企業まで約3万3400社に及び、年間10万ドル以上を支払う顧客は約4720社に達しました。 2026年8月6日に発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が前年比36%増の11.2億ドルとなり、ガイダンス上限を上回りました。四半期ベースの増収額1.15億ドルは過去最大です。フリーキャッシュフローは2.79億ドル、マージンは25%でした。好決算の数字そのもの以上に注目したいのは、経営陣の発言からAI普及の「現在地」が具体的に読み取れる点です。 AIエージェントの実稼働が数字に表れ始めた
米Shopifyは、ECサイトの構築から決済、在庫管理、実店舗のPOSまでを一つに束ねたコマースプラットフォームを提供する企業です。創業から20年、「ほとんどのマーチャントが必要とするものを作り、残りはパートナーのエコシステムに委ねる」方針を貫いてきました。 経営陣によると、今では米国EC市場の14%超を占めるほどの存在。調査会社eMarketerによれば、2025年以降に米国で増加したEC消費額の約半分をShopifyのマーチャントが獲得しています。(すごすぎ...) 同社が発表した2026年4〜6月期決算は、流通取引総額(GMV)が前年比32%増の1160億ドル、売上高が同34%増の36億ドルでした。GMVの30%超の成長は5四半期連続です。経営陣が語ったのは、AIが消費者の買い方と企業の売り方を静かに書き換えつつあるという変化の兆候でした。
米パランティア・テクノロジーズは、政府機関や大企業向けにデータ分析基盤を提供するソフトウェア企業。近年はAIプラットフォーム「AIP」を軸に商業部門が急成長しています。エンジニアを顧客の現場に常駐させる「FDE(前線配備エンジニア)」と呼ばれる独自の実装モデルでも知られます。 同社が8月3日に発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が前年比93%増の19.35億ドルと過去最高の成長率を記録。通期の売上高予想は中央値81.5億ドル(前年比82%増)へと上方修正しています。決算説明で経営陣は「企業とAIの関係が根本から変わりつつある」と語りました。 「トークンメーターが回るだけ」従量課金モデルへの批判
マイクロソフトが発表した2026年6月期の通期決算は、売上高が3310億ドルを超え、前年比18%増となりました。クラウド部門の売上高は2140億ドルで同27%増。うちAzureは1000億ドルを突破し、同41%成長でした。 締めくくりとなった2026年4〜6月期も、売上高は900億ドルで前年比18%増と好調を維持しています。1株あたり利益はOpenAI投資の影響を調整したベースで4.74ドルとなり、同23%増でした。 注目すべきは、サティア・ナデラCEOが決算説明で語った収益モデルの転換です。ナデラCEOは「席数課金から、席数プラス消費量(コンサンプション)モデルへとビジネスモデルを進化させている」と明言。同氏はこの転換について「TAM(獲得可能な市場規模)を広げ、より多くの顧客価値を届ける」と説明しました。
米ServiceNowが7月22日、2026年4〜6月期の決算を発表しました。サブスクリプション売上は38.8億ドルで、恒常為替ベースの前年比23%増。会社ガイダンスの上限を1.5ポイント上回りました。非GAAPの営業利益率は29.5%で、こちらも会社予想を3ポイント超えています。 新規契約のうち100万ドル超の案件は123件で、前年比40%増でした。AI関連製品のACV(年間契約額)は10億ドルを突破しています。2026年末までに15億ドルという目標を上回るペースです。既存顧客の更新率は98%でした。 ビル・マクダーモットCEOは冒頭、7年前の決算説明での議事録を持ち出しました。当時掲げた「21世紀を定義するエンタープライズソフトウェア企業になる」という宣言に対し、「私たちは、自分たちが宣言してきた通りの会社です」とアピール。ただ、この決算の読みどころは好業績そのものではありません。
米国人の3人に1人は、同じ会社のシステムを通じて裁判所とやり取りします。開発するのは、テキサス州に本社を置くTyler Technologies(タイラー・テクノロジーズ)。裁判所管理システム「Odyssey」は全米最大のロサンゼルス郡上級裁判所を含む各地で稼働。不動産評価の分野でも全米最大手です。 Tylerは州・地方政府に特化したソフトウェア企業として全米約1万3000の政府拠点にシステムを提供。導入実績は4万件を超えます。財務管理、裁判所運営、公共安全、固定資産評価、徴税と、地方行政の基幹業務をほぼ網羅する製品群を持ちます。 事業規模も無名さに見合わないほど大きくなっています。2025年の売上高は23億ドルで前年比9.1%増。GAAPベースの純利益は3.2億ドル、フリーキャッシュフローは6.2億ドルに達します。S&P500の構成銘柄でありながら、一般消費者との接点がほぼないため、米国内でも知名度の低い企業です。
「フロンティアは、エコシステムなしには安定しない」。サティア・ナデラによるXでの投稿が先日、国内外のビジネスパーソンの間で広く話題を集めました。ご存知の通り、ナデラはマイクロソフトのCEOを務めています。 その内容が示しているのは、きたるべきAI経済の「あるべき構造」をめぐる主張です。その構造の中心にマイクロソフトがどのように位置しようとしているか、という戦略的なポジショニングの話でもあります。この小論では、投稿そのものが何を述べているかを整理しつつ、ナデラの真意を読み解いていきます。 働くことの「概念」が書き換わる ナデラの出発点は、今回の「AIシフト」が過去のどのプラットフォームシフトとも異なる、という認識です。
アドビが6月11日、2026年3〜5月期の決算を発表しました。売上高は66.2億ドルで前年比11%増(恒常通貨ベース)となり、四半期売上高として過去最高を更新しました。サブスクリプション契約の積み上がりが順調に売上へ転換したことが寄与しています。 生成AIブームとともに「SaaSの死」が叫ばれてからというもの、同社の株価は低迷が続いています。そんな中でも経営陣は下期に予定していた値上げを延期。無料ユーザーの獲得へ経営資源を集中させることを表明しました。 シャンタヌ・ナラヤン会長兼CEOは「AIが顧客行動をかつてないスピードで加速させている」と主張。激変する環境下において、戦略と実行を進化させる必要があると語っています。
オラクルが発表した2026年3〜5月期決算は、売上高が前年比21%増の192億ドルとなりました。クラウドインフラ収益は前年比93%増と急成長を継続。非GAAPベースの営業利益は前年比22%増の86億ドルです。 将来の契約済み売上を示す受注残(RPO)は6,380億ドルに達し、前年比363%増という異例の水準となりました。一方、決算発表後の時間外株価は10%超の急落となりました。果たしてどういう状況にあるのか、本記事でチェックします。 ハードウェアを顧客が持ち込む「BYOH」