SaaS・ソフトウェア

業務ソフトをクラウドで提供する企業のリストです。大手からデータ基盤・開発ツールの専業まで含みます。

時代はAIO?HubSpot最新決算にみるB2Bマーケティングの最新トレンド

時代はAIO?HubSpot最新決算にみるB2Bマーケティングの最新トレンド

検索結果をクリックする代わりに、人間は生成AIに直接ものごとを尋ねるようになりました。企業のサイトへ流れ込んでいた訪問者が、静かに減り始めている。その波が、B2Bマーケティングの現場をも揺るがしています。HubSpotの2026年1〜3月期決算には、そんな一面が表れていました。 HubSpotは、中堅・中小企業向けにマーケティングや営業、顧客対応のソフトウェアを提供する米国企業。幅広い機能をCRM(顧客関係管理)を土台にした一つのプラットフォームに束ねます。創業およそ20年で約30万社が利用する巨大サービスですが、彼ら自身もAIとともに戦略を大きくシフトさせています。 2026年、顧客の検索流入は27%減 ヤミニ・ランガンCEOは、顧客企業のオーガニック流入(検索エンジン経由の自然な訪問)が2026年に入って約27%減ったと明かしました。検索からの流入が、ChatGPTやGeminiといったAIの回答に置き換わっているためです。

成長鈍化の電子署名サービス「DocuSign」AI契約管理”IAM”への転換を進める

成長鈍化の電子署名サービス「DocuSign」AI契約管理”IAM”への転換を進める

電子署名サービスとして日本でも広く利用されるDocuSignが事業方針の転換を急いでいます。アラン・タイゲセンCEOとブレイク・グレイソンCFOが決算説明に時間を割いたのは「IAM」。 IAMは「Intelligent Agreement Management」の略。要するにAIを使った契約管理プラットフォームです。DocuSignは6月4日に発表した2026年2〜4月期(第1四半期)の決算で、売上が前年比9%増にとどまりました。株式市場での評価も低迷しています。  「電子署名の会社」からの転換

医薬品特化SaaS企業「ヴィーバ・システムズ」創業者が描くAIの新たな事業モデル

医薬品特化SaaS企業「ヴィーバ・システムズ」創業者が描くAIの新たな事業モデル

ヴィーバ・システムズ(VEEV)は、医薬品・バイオテクノロジー業界に特化したクラウドソフトウェアを手がける企業です。2026年2〜4月期の総売上高は8.83億ドル、非GAAPベースの営業利益は3.95億ドル。いずれも会社計画を上回りました。 ピーター・ガスナーCEOは「力強いスタートを切った」と発言。業界向けAIという明確な構想に沿って事業を進めていると語りました。中でも注目を集めたのが新製品「Falcon」です。CEOは、これを「業界クラウドの次の章」と位置付けました。 ソフトウェアを売る会社から、「労働」を売る会社へ

サイバー攻撃が「25分」で完結する時代——パロアルトネットワークスが描く防御の最前線

サイバー攻撃が「25分」で完結する時代——パロアルトネットワークスが描く防御の最前線

米国を代表するサイバーセキュリティ企業のパロアルトネットワークスが6月2日、2026年2〜4月期(第3四半期)の決算を発表。売上高は前年比31%増の30億ドルとなり、主要指標が会社の見通しを上回りました。 決算説明会では、AIの普及が攻撃と防御の両面でセキュリティ需要を押し上げているという認識が繰り返し示されました。率いるのは、かつてソフトバンクGで孫正義氏の後継者とも噂われたニケシュ・アローラCEO。同氏の発言を中心に、サイバーセキュリティの現在地を紐解きます。 「終末論」は終わり。AIは逆風から追い風に アローラCEOは説明会の最後、サイバーセキュリティ業界の「終末論」が終わったと宣言しました。少し前まで、AIがすべてを守るようになり、セキュリティ企業は不要になるとの見方がありました。同社の見解はその反対です。AIが攻撃側の武器になり、防御の需要が一段と高まっている。

「AIはデータの側にやってくる」— Elasticが描くAI時代の基盤戦略

「AIはデータの側にやってくる」— Elasticが描くAI時代の基盤戦略

Elastic(NYSE:ESTC)は、検索エンジン技術を起点に、システム監視(オブザーバビリティ)やセキュリティの領域へ事業を広げてきたソフトウェア企業です。5月28日に発表した2026年2〜4月期決算では、主要な指標のすべてで自社見通しを上回りました。 AIはデータのある場所にやってくる アシュトシュ・クルカルニCEOは、業界の構造が変わりつつあると指摘しました。大規模言語モデル(LLM)が新しい基本ソフト(OS)のような存在になり、エージェントによる自動化が業務の前提になりつつある。AIの普及はあらゆる規模の組織に広がり、長期的な追い風になると主張しています。 CEOが繰り返し強調したのが「データには重力がある」という考え方です。ペタバイト級の自社データをわざわざ移動するのは、コストとセキュリティ、量のいずれの面でも現実的ではありません。だからこそLLMの方がデータのある場所にやってくる、というのが同社の主張です。

オクタ決算が映す、AIエージェント時代のID管理競争

オクタ決算が映す、AIエージェント時代のID管理競争

米オクタが5月28日に開いた2026年2〜4月期決算説明は、AIエージェント戦略に多くの時間が割かれました。同社は世界で2万を超える企業にID管理基盤を提供しており、多くのクラウドサービス(SaaS)にログインする際の入り口になっています。 全てのエージェントは「新しいID」になる トッド・マッキノンCEOは「テクノロジーの未来はエージェント型だ」と主張。企業内のすべてのAIエージェントを新たな「ID」(利用単位)として扱う考え方を示しています。人間の従業員を管理してきた仕組みを、AIエージェントにも同じように適用するという発想です。

MongoDB、「AIを狙っていなかった」会社がAIの本命に躍り出た理由

MongoDB、「AIを狙っていなかった」会社がAIの本命に躍り出た理由

MongoDBが発表した2026年2〜4月期決算は、売上が市場予想を上回りました。データベースを手がける同社にとって、規模が大きくなるほど成長率は鈍るのが通常です。ところが今回は、その成長率が前の期からむしろ加速しました。裏方に徹してきた地味なインフラ企業に、何が起きているのでしょうか。 チランタン・デサイCEOは、同社の事業を二つの軸で語ります。一つは企業の基幹業務を支える従来からの用途、もう一つはAI向けの新しい用途です。デサイCEOは「この二つは切り離せるものではなく、互いを補強し合っている」と説明しました。AIが一過性の追い風ではなく、本業と絡み合いながら成長を底上げしているという見立てです。 AI関連では、AIを開発する最先端の企業から、急成長中の新興企業、大企業まで、幅広い層での採用が報告されました。中でもデサイCEOが手応えを示したのが、AIに「記憶」を持たせる新しい使い方です。自律的に動くAIには、過去のやり取りを覚えておく仕組みが欠かせません。その置き場所をめぐる競争が、静かに動き始めています。

生成AIはRPAを置き換えない?AI時代に立ち向かう「UiPath」経営陣の主張

生成AIはRPAを置き換えない?AI時代に立ち向かう「UiPath」経営陣の主張

業務自動化ソフトを手がけるUiPathが、2026年2〜4月期の決算を発表しました。ARR(年間経常収益)は前年比12%増の19億ドル、売上高が17%増の4.2億ドル。初となる一般会計基準(GAAP)ベースでの四半期黒字も計上。 ダニエル・ダインズCEOは、AIエージェントが従来型の自動化を置き換えるという見方を明確に否定しました。ここでいう従来型の自動化とは、毎回同じ手順を機械的に繰り返す”決定論的”な処理。同社が手掛けてきた「RPA」のことです。 「生成AIが決定論的自動化を置き換えない」理由

Snowflake、製品売上が3四半期連続で加速——株価は一日で36%急騰

Snowflake、製品売上が3四半期連続で加速——株価は一日で36%急騰

Snowflakeの2026年2〜4月期決算は、消費課金型クラウドサービスの通常パターンから外れた数字となりました。製品売上は前年比34%増の13.4億ドル。成長率は前四半期の30%、1年前の26%から加速しました。NRR(純収益維持率)も126%へ上昇しています。 スリダー・ラマスワミCEOは、加速の構造を3層に分けて説明しています。第一に、AIが顧客のデータ活用価値を高めていること。第二に、エージェント型製品が独立した収益源として立ち上がったこと。第三に、それがコアプラットフォームの消費を二次的に押し上げていることです。 通期ガイダンスは前回の27%増から31%増へ引き上げられ、2027年1月期の製品売上は58.4億ドルを見込んでいます。第2四半期にあたる2026年5〜7月期の見通しは14.15〜14.2億ドル(前年比30%増)。非GAAP営業利益率の通期見通しも12.5〜13.5%へと引き上げられました。

AIブームの"勝者"の上流に、誰も知らない必須企業がいる

AIブームの"勝者"の上流に、誰も知らない必須企業がいる

Synopsysが発表した2026年2〜4月期決算は、売上・利益ともに会社の見通しを上回り、通期予想の引き上げにつながりました。半導体の主役はNVIDIAなどのチップメーカーに見えますが、そのチップを設計するソフトを握るのは、表に出ないこの会社です。AIがチップを複雑にするほど、設計の土台を担う立場の重みが増しています。AIブームの本当の受益者は誰か――その問いがここにあります。 サシーン・ガジCEOは決算説明会で、事業の底堅さに触れたうえで「いくつもの転換点がある」と述べました。安定した必須事業を抱えながら、その稼ぎ方を変えようとしている局面だという見方です。これまで安く価値を提供してきた会社が、いま何を変えようとしているのでしょうか。その答えは、AIがもたらす需要の変化と結びついています。 今回の四半期の売上は22.8億ドルでした。設計ソフトを扱う中核事業が前年比8%増と伸び、これまで低迷していた回路部品の事業も底入れの兆しを見せています。ただし、その伸びは半導体全体に一様なものではありません。