業務ソフトをクラウドで提供する企業のリストです。大手からデータ基盤・開発ツールの専業まで含みます。
マイクロソフトが発表した2026年6月期の通期決算は、売上高が3310億ドルを超え、前年比18%増となりました。クラウド部門の売上高は2140億ドルで同27%増。うちAzureは1000億ドルを突破し、同41%成長でした。 締めくくりとなった2026年4〜6月期も、売上高は900億ドルで前年比18%増と好調を維持しています。1株あたり利益はOpenAI投資の影響を調整したベースで4.74ドルとなり、同23%増でした。 注目すべきは、サティア・ナデラCEOが決算説明で語った収益モデルの転換です。ナデラCEOは「席数課金から、席数プラス消費量(コンサンプション)モデルへとビジネスモデルを進化させている」と明言。同氏はこの転換について「TAM(獲得可能な市場規模)を広げ、より多くの顧客価値を届ける」と説明しました。
米ServiceNowが7月22日、2026年4〜6月期の決算を発表しました。サブスクリプション売上は38.8億ドルで、恒常為替ベースの前年比23%増。会社ガイダンスの上限を1.5ポイント上回りました。非GAAPの営業利益率は29.5%で、こちらも会社予想を3ポイント超えています。 新規契約のうち100万ドル超の案件は123件で、前年比40%増でした。AI関連製品のACV(年間契約額)は10億ドルを突破しています。2026年末までに15億ドルという目標を上回るペースです。既存顧客の更新率は98%でした。 ビル・マクダーモットCEOは冒頭、7年前の決算説明での議事録を持ち出しました。当時掲げた「21世紀を定義するエンタープライズソフトウェア企業になる」という宣言に対し、「私たちは、自分たちが宣言してきた通りの会社です」とアピール。ただ、この決算の読みどころは好業績そのものではありません。
米国人の3人に1人は、同じ会社のシステムを通じて裁判所とやり取りします。開発するのは、テキサス州に本社を置くTyler Technologies(タイラー・テクノロジーズ)。裁判所管理システム「Odyssey」は全米最大のロサンゼルス郡上級裁判所を含む各地で稼働。不動産評価の分野でも全米最大手です。 Tylerは州・地方政府に特化したソフトウェア企業として全米約1万3000の政府拠点にシステムを提供。導入実績は4万件を超えます。財務管理、裁判所運営、公共安全、固定資産評価、徴税と、地方行政の基幹業務をほぼ網羅する製品群を持ちます。 事業規模も無名さに見合わないほど大きくなっています。2025年の売上高は23億ドルで前年比9.1%増。GAAPベースの純利益は3.2億ドル、フリーキャッシュフローは6.2億ドルに達します。S&P500の構成銘柄でありながら、一般消費者との接点がほぼないため、米国内でも知名度の低い企業です。
「フロンティアは、エコシステムなしには安定しない」。サティア・ナデラによるXでの投稿が先日、国内外のビジネスパーソンの間で広く話題を集めました。ご存知の通り、ナデラはマイクロソフトのCEOを務めています。 その内容が示しているのは、きたるべきAI経済の「あるべき構造」をめぐる主張です。その構造の中心にマイクロソフトがどのように位置しようとしているか、という戦略的なポジショニングの話でもあります。この小論では、投稿そのものが何を述べているかを整理しつつ、ナデラの真意を読み解いていきます。 働くことの「概念」が書き換わる ナデラの出発点は、今回の「AIシフト」が過去のどのプラットフォームシフトとも異なる、という認識です。
アドビが6月11日、2026年3〜5月期の決算を発表しました。売上高は66.2億ドルで前年比11%増(恒常通貨ベース)となり、四半期売上高として過去最高を更新しました。サブスクリプション契約の積み上がりが順調に売上へ転換したことが寄与しています。 生成AIブームとともに「SaaSの死」が叫ばれてからというもの、同社の株価は低迷が続いています。そんな中でも経営陣は下期に予定していた値上げを延期。無料ユーザーの獲得へ経営資源を集中させることを表明しました。 シャンタヌ・ナラヤン会長兼CEOは「AIが顧客行動をかつてないスピードで加速させている」と主張。激変する環境下において、戦略と実行を進化させる必要があると語っています。
オラクルが発表した2026年3〜5月期決算は、売上高が前年比21%増の192億ドルとなりました。クラウドインフラ収益は前年比93%増と急成長を継続。非GAAPベースの営業利益は前年比22%増の86億ドルです。 将来の契約済み売上を示す受注残(RPO)は6,380億ドルに達し、前年比363%増という異例の水準となりました。一方、決算発表後の時間外株価は10%超の急落となりました。果たしてどういう状況にあるのか、本記事でチェックします。 ハードウェアを顧客が持ち込む「BYOH」
検索結果をクリックする代わりに、人間は生成AIに直接ものごとを尋ねるようになりました。企業のサイトへ流れ込んでいた訪問者が、静かに減り始めている。その波が、B2Bマーケティングの現場をも揺るがしています。HubSpotの2026年1〜3月期決算には、そんな一面が表れていました。 HubSpotは、中堅・中小企業向けにマーケティングや営業、顧客対応のソフトウェアを提供する米国企業。幅広い機能をCRM(顧客関係管理)を土台にした一つのプラットフォームに束ねます。創業およそ20年で約30万社が利用する巨大サービスですが、彼ら自身もAIとともに戦略を大きくシフトさせています。 2026年、顧客の検索流入は27%減 ヤミニ・ランガンCEOは、顧客企業のオーガニック流入(検索エンジン経由の自然な訪問)が2026年に入って約27%減ったと明かしました。検索からの流入が、ChatGPTやGeminiといったAIの回答に置き換わっているためです。
電子署名サービスとして日本でも広く利用されるDocuSignが事業方針の転換を急いでいます。アラン・タイゲセンCEOとブレイク・グレイソンCFOが決算説明に時間を割いたのは「IAM」。 IAMは「Intelligent Agreement Management」の略。要するにAIを使った契約管理プラットフォームです。DocuSignは6月4日に発表した2026年2〜4月期(第1四半期)の決算で、売上が前年比9%増にとどまりました。株式市場での評価も低迷しています。 「電子署名の会社」からの転換
ヴィーバ・システムズ(VEEV)は、医薬品・バイオテクノロジー業界に特化したクラウドソフトウェアを手がける企業です。2026年2〜4月期の総売上高は8.83億ドル、非GAAPベースの営業利益は3.95億ドル。いずれも会社計画を上回りました。 ピーター・ガスナーCEOは「力強いスタートを切った」と発言。業界向けAIという明確な構想に沿って事業を進めていると語りました。中でも注目を集めたのが新製品「Falcon」です。CEOは、これを「業界クラウドの次の章」と位置付けました。 ソフトウェアを売る会社から、「労働」を売る会社へ
米国を代表するサイバーセキュリティ企業のパロアルトネットワークスが6月2日、2026年2〜4月期(第3四半期)の決算を発表。売上高は前年比31%増の30億ドルとなり、主要指標が会社の見通しを上回りました。 決算説明会では、AIの普及が攻撃と防御の両面でセキュリティ需要を押し上げているという認識が繰り返し示されました。率いるのは、かつてソフトバンクGで孫正義氏の後継者とも噂われたニケシュ・アローラCEO。同氏の発言を中心に、サイバーセキュリティの現在地を紐解きます。 「終末論」は終わり。AIは逆風から追い風に アローラCEOは説明会の最後、サイバーセキュリティ業界の「終末論」が終わったと宣言しました。少し前まで、AIがすべてを守るようになり、セキュリティ企業は不要になるとの見方がありました。同社の見解はその反対です。AIが攻撃側の武器になり、防御の需要が一段と高まっている。