日用品・食品・飲料・化粧品・アパレルなど、ブランドを持つ消費財メーカーのリストです。
CoachやKate Spadeを展開するTapestryが2026年8月13日、2026年6月期の通期決算を発表しました。売上高は80億ドルと前年から17%伸び(プロフォーマ・恒常通貨ベース)、EPSは38%増。2年前の投資家説明会で掲げた3カ年目標を、2年前倒しで達成する着地となりました。 けん引役は創業85年のブランド、Coachです。この1年で約900万人の新規顧客を獲得し、その中心はZ世代でした。「老舗ブランドは若者に見放される」という業界の通念とは逆の現象が、いま同社で起きています。ジョアン・クレヴォワゼラCEOは「最大の機会はまだ先にある」と語りました。 一方、決算説明会でアナリストの関心を集めたのは、直近四半期にハンドバッグの販売数量が前年並みにとどまった点です。成長鈍化の兆しとも受け取れる数字ですが、経営陣は「意図した結果だ」と切り返しました。値引きをあえて減らし、販売の質を優先したというのです。
スイス発のスポーツブランド、On Holding(オン・ホールディング)は2010年創業のランニングシューズメーカーです。ソールに穴を開けた独自技術「CloudTec」を起点に、ランニングからテニス、トレーニング、アパレルへと領域を広げてきました。 2021年にニューヨーク証券取引所へ上場し、現在は約4000人の従業員を抱えるグローバル企業へ成長しています。2026年5月には創業者のデイビッド・アレマン氏とカスパー・コペッティ氏が共同CEOに就任し、創業者主導の経営体制へ回帰しました。 8月11日に発表した2026年4〜6月期決算は、売上高が過去最高の8.5億スイスフランに達しました。恒常為替ベースで前年比21.6%増、粗利率は65.4%です。一方で米国卸売の販売鈍化を受け、2026年の売上成長率見通しを「20%台前半」へ引き下げました。それでも粗利率見通しは「65%以上」へ逆に引き上げており、この一見矛盾する判断にOnの戦略が凝縮されています。
「ペプシコーラ」や「ドリトス」を展開するペプシコが7月9日に発表した2026年4〜6月期決算は、世界全体では増収を確保しつつ、米国事業に想定外の陰りが出る内容となりました。原因は自社の戦略ミスでも競合の攻勢でもなく、遠く離れた場所で決まる一つの価格でした。巨大企業の業績が、制御不能な変数に揺さぶられた四半期です。 ラモン・ラグアルタ会長兼CEOは決算説明で、米国について「消費者の行動が変わりつつある。過去に見られた行動の加速だ」と述べました。節約志向そのものは織り込み済みでしたが、その表れ方が想定と違ったといいます。変化は特定の売場に集中して現れ、同社の対応を試すことになりました。 一方で目を引いたのは、米国外の事業の底堅さです。逆風が懸念された地域を含めて成長の勢いは衰えず、利益面でも会社を支える側に回りつつあります。「アメリカを代表する企業」という看板の内側で、稼ぐ場所の重心が静かに動いていることを印象づける決算でもありました。
Constellation Brandsが2026年第1四半期決算(2026年3〜5月期)を発表しました。CoronaやModeloといったメキシコ産ビールを米国で展開する会社で、主力のModelo Especialは売上額ベースで全米首位に立つビールブランドです。ビール部門の出荷は小幅に伸びたものの、四半期を通じて需要は大きく上下しました。 今回は、4月に就任したニコラス・フィンクCEOにとって事実上初めての決算です。フィンク氏は就任早々、これまでの成長の型を見直す必要性に踏み込み、看板ブランドの現状について踏み込んだ見解を示しました。 同社の売上はビールが約9割を占め、その屋台骨を支えてきた顧客層の一つが、ヒスパニック系の消費者です。この層は景気の影響を受けやすく、足元では消費の勢いに陰りが見えています。看板ブランドの伸び悩みと、中核となる顧客層の変調が重なりつつあります。 就任間もない新CEOは、成熟した看板ブランドの成長を、どんな手立てで取り戻そうとしているのでしょうか。決算の数字の裏側で語られた、新しい成長戦略を読み解きます。
ゼネラル・ミルズが発表した2026年5月期通期決算は、値下げという一手をめぐる1年の総括でした。シリアルやペットフードを手がける食品大手が、インフレ下であえて主力商品の価格を引き下げたのです。安売りは消耗戦になりやすく、普通は避けたい選択でもあります。それでも同社は、この道に成長回復の起点を見いだしました。 ただし値下げは、それ自体が狙いではありませんでした。価格の土台を立て直せば、その後の広告や商品改良が効きやすくなる——経営陣はそう見込んでいました。守りの一手に映る値下げは、次の反攻に向けた仕込みにすぎません。そして今、その反攻の中身が問われる局面に入っています。 問題は、整えた地盤の上に何を積むかです。消費者の財布はなお固く、しかも所得によって求めるものが正反対に割れ始めています。安さを最優先する層と、割高でも価値を求める層。この相反する二つが、同じ棚の前に並んでいます。 しかも、奪われたシェアを取り戻す相手は、安いプライベートブランドだけではありません。景気の回復も当てにしないなか、同社は自力での反攻を選びます。値下げで守りを固めた食品大手は、次に何を売りに攻めへ転じるのでしょうか。
ナイキが2026年3〜5月期および2026年5月期通期の決算を発表。売上高は前年比で小幅な減少となりました。世界的なスポーツ用品ブランド企業たる同社ですが、このところは業績的に苦しい状況が続いています。 復刻スニーカーは20億ドル減、走る靴で稼ぐ ナイキは2026年5月期に、クラシックと呼ぶ定番の復刻シューズからの売上を前年から20億ドル超減らしました。ここにはエア・フォース1やダンクといった、転売市場でも人気を集めた靴が含まれます。
モンスタービバレッジといえば、米国を拠点とするエナジードリンク大手企業。「モンスターエナジー」を主力ブランドに、世界の多くの国で商品を販売しています。 その飲料事業は、主力のモンスターエナジードリンク、戦略ブランド、アルコールの各部門で構成。商品の製造や流通では、コカ・コーラおよび世界のボトリングパートナーとの提携が支えになっています。そんなモンスターは、今でも右肩上がりの成長を続けています。 2026年1〜3月期の売上高は23.5億ドルで、第1四半期として初めて20億ドルを突破。前年比26.9%の増加で、全ての地域が二桁成長です。需要は想定を上回り、通常の生産網の外で追加生産に踏み切る場面もありました。
ルルレモンといえば、カナダ・バンクーバー発祥の高級アスレジャー(運動着と普段着を兼ねる衣料)ブランド。ヨガ用レギンスを中心に成長し、現在の年間売上高は約110億ドル規模に達します。 おしゃれなブランドとして人気のルルレモンですが、このところ業績は低迷しています。新たに発表された2026年2〜4月期の決算では、伸びる中国と沈む北米の対照が鮮明になりました。経営陣は通期の業績見通しを引き下げ、その理由を具体的に説明しています。 中国が伸び、北米が沈む
HOKAとUGGを展開するDeckersが発表した2026年1〜3月期決算は、売上が前年比10%増の11.2億ドルとなりました。注目されるのは、二桁成長を続ける裏側で在庫水準を前年比2%減と圧縮している点です。需要と供給のバランスを意図的に操作する独自の経営手法が、決算の各所に表れています。 ステファノ・カロティ最高経営責任者(CEO)は「ブランドの持続性と、消費者に愛される製品への需要に深い確信を持っています」と業績への自信を示しました。同社はこの規律で、業界水準を大きく上回る20%台の営業利益率を維持しています。 Deckersの売上の大半を占めるのは、フランス発の高機能ランニングシューズHOKAと、豪州発のフットウェアブランドUGGです。厚底ソールでランナーから支持を広げるHOKAと、ムートンブーツの代名詞だったUGG。性格の異なる2大ブランドが揃って過去最高を更新しました。
Ralph Laurenが2026年5月21日に発表した2026年3月期決算には、アパレル業界の常識を覆す数字が並びました。米国で関税負担がピーク水準に達し、世界の消費も鈍化するなか、通期売上は初めて80億ドルを突破。全地域・全チャネルで増収を達成し、粗利率はむしろ拡大しています。 パトリス・ルベCEOは「我々は攻めの姿勢を続ける」と述べ、ブランド再投資を緩める考えはないと強調しました。冬季オリンピックや海外ファッションショーへの集中投資を続けながら、新規顧客の獲得も加速させています。広告費を増やし続けながら利益率も改善するという、業界では珍しい両立構造が成立しています。 成長を支えているのは複数のパラドックスの重なりです。欧州勢が苦戦する中国市場での逆行的な伸び、値引き前提のアウトレットで進む単価上昇、価格感応度が高いはずの若年層の継続的な取り込み——いずれも業界一般の動きとは逆方向に進んでいます。経営陣はファッショントレンドを追わない一貫方針の成果だと説明します。