SaaS・ソフトウェア

業務ソフトをクラウドで提供する企業のリストです。大手からデータ基盤・開発ツールの専業まで含みます。

CEOがAIアバターで登場!Zoomが最新決算で見せた「次の一手」

CEOがAIアバターで登場!Zoomが最新決算で見せた「次の一手」

今回のZoomの決算説明会には、ちょっとした仕掛けがありました。創業者のエリック・ユアンCEOによる冒頭のプレゼンは、本人ではなく、「Zoomカスタムアバター」と呼ばれる本人を模したAIのアバターが読み上げたのです。会議サービスの会社が、自社のAIにトップの言葉を語らせる。その演出自体が、いまのZoomが見せたいものを表していました。 Zoomはコロナ禍で、在宅勤務を象徴する名前になりました。ただ、ブームが落ち着いた今は、「会議をつなぐだけの会社」という見方もついて回ります。生成AIが働き方そのものを書き換えるなかで、ビデオ会議の会社はこの先も必要とされ続けるのか。これは、Zoomに投資する人だけの関心事ではありません。 ブームの後、Zoomはひたすら「AIの会社」への変身を急いできました。今回の決算では、その取り組みが業績にも表れ始めた、と経営陣は強調します。掛け声だけのAIではない、というのが彼らの言い分です。語り口には、これまでにない手応えがにじんでいました。 もっとも、本当に効いてくるのは、一つの四半期の数字そのものよりも、その奥で進む変化のほうです。Zoomは何を売る会社に変わろうとしているのか。競争の相手は誰で、料金の取り方はどう変わっていくのか。その輪郭は、経営陣自身の言葉のなかに見えてきます。

「動いているか」から「正しいか」へ。Dynatrace決算が示す、システム運用ツールの再定義

「動いているか」から「正しいか」へ。Dynatrace決算が示す、システム運用ツールの再定義

ITインフラの運用ツールを手がける米Dynatrace(DT)が、2026年1〜3月期決算を発表しました。年間経常収益(ARR)は20億ドルを突破し、4四半期連続で前年同期比16%増の成長を確保。続く2027年3月期は成長率のさらなる加速を見込むガイダンスも示しました。 システム監視のためのObservabilityは一般に、企業のITシステムが正しく動いているかを把握する仕組み。クラウドやAIの普及でシステム構成が複雑化する中、その重要性は年々高まっています。Dynatraceは大企業向けの統合型プラットフォームとして地位を築いてきました。 リック・マコネルCEOが繰り返したのは、カテゴリの定義そのものが書き換わりつつあるという認識です。「システムを見張る」という従来の役割から、AIの普及により別の機能を求められるようになっている。具体的な事例を挙げながら、自社プラットフォームの位置づけが変質していることを説明しました。

Cloudflare、売上34%増の絶好調決算で社員2割削減——「コスト削減ではない」

Cloudflare、売上34%増の絶好調決算で社員2割削減——「コスト削減ではない」

Cloudflareが2026年第1四半期決算と同時に、従業員の約20%にあたる1,100人超の人員削減を発表しました。インターネットの裏側でウェブサイトの配信と保護を担う同社の売上は前年比34%増の6.4億ドルとガイダンスを上回り、営業利益・フリーキャッシュフローも市場予想を超える絶好調の決算でした。 マシュー・プリンスCEOは「これはコスト削減のためでも、個人のパフォーマンス評価でもない」と冒頭で繰り返し強調しました。業績が過去最高水準にあるタイミングで踏み切った判断には、これまでにない論理が用意されていたといいます。 売上の伸びだけでなく、最上位顧客の獲得ペースや営業案件の積み上がりなど、複数の指標が過去最高水準を更新しました。一方、決算発表と同時に浮上したのが、社内で起きていた「ある異変」です。

製品・価格・収益・組織が同時に変わる——monday.com決算が映すAI時代のSaaS像

製品・価格・収益・組織が同時に変わる——monday.com決算が映すAI時代のSaaS像

業務管理SaaSのmonday.comが、AI時代に向けた自社の再定義を進めています。同社が2026年1〜3月期決算で示したのは、業績数字よりも、製品と価格と組織のすべてを同時に組み替える経営判断でした。 売上高は3.51億ドル、前年同期比24%増と市場予想を上回りましたが、今回の説明会の主役は数字よりも構造転換の中身です。AIが業務SaaSの何を変えるのか、その輪郭が一段と鮮明になりました。 monday.comは2012年にイスラエル・テルアビブで創業。2021年に米ナスダックへ上場しました。プロジェクト管理を起点に、CRMやカスタマーサポートへと製品領域を広げてきました。AsanaやAtlassianなどと並び称される、コラボレーティブワーク領域の有力プレーヤーの一角です。

AIの「本番運用」はどこまで進んだか──Datadog決算に見る4つの構造変化

AIの「本番運用」はどこまで進んだか──Datadog決算に見る4つの構造変化

Datadogといえば、企業のクラウドインフラやAIアプリケーションを「観測(オブザーバビリティ)」するプラットフォームを運営する企業。顧客のシステム利用量に応じて課金が発生する構造です。AI関連の動きが本格的な本番運用にまで到達しているかどうかを、同社の数字から窺い知ることができます。 2026年1〜3月期の決算発表は、とりわけ示唆に富む内容となりました。電話会議での話題は、コード生成ツールの本番投入、AIエージェントの普及、地政学リスクの影響、競合との関係など。一連のやり取りからは、AI時代に企業ITで何が起きているのかが立体的に浮かび上がります。 本稿では、経営陣の発言を軸に4つの注目点を取り上げます。

AppLovin、広告プラットフォームを6月に開放——AIエージェント時代の自動化基盤を構築へ

AppLovin、広告プラットフォームを6月に開放——AIエージェント時代の自動化基盤を構築へ

AppLovinが5月6日に発表した2026年1〜3月期決算は、売上高が18.4億ドル(前年比59%増)、調整後EBITDAが15.6億ドル(同66%増)でした。フリーキャッシュフローは12.9億ドル。事業が勢いを増す中、10億ドル相当の自社株買いも実施しました。 アダム・フォロウギ共同創業者兼CEOは決算説明の冒頭「直近の数回とは少し違う形で始めたいと思います」と切り出しました。「株価についての前置きも、ショートセラーへの言及も、ノイズへの反応もしません」と発言。「私たちの視点から見れば、未来がこれほど明るく見えたことはありません」と同CEOは断言しました。 強気の発言の背景では、複数の構造変化が同時に進行しています。主力のゲーム広告事業では業界全体に大きな潮目の変化が起きており、立ち上げて間もない新規事業は想定を超えるペースで拡大。これまで貫いてきたビジネスモデルの根幹も大胆な変革に踏み込みました。

営業70人で米国売上が前年比2倍超 — パランティアが描くAI時代の企業ソフトウェア像

営業70人で米国売上が前年比2倍超 — パランティアが描くAI時代の企業ソフトウェア像

生成AIが生まれて以降、AIモデル単体でどこまで業務を担えるのか、という問いがソフトウェア業界の中心的な論点になりました。OpenAIやAnthropicが業務向けサービスを次々と投入し、既存SaaSの位置づけが揺らぐという懸念も広がっています。 この議論に対し、米国パランティアが示している立場は明快です。AIモデル単体は企業の内部で何にも作用できず、業務に影響を及ぼすには別の構造物が必要だ、というのが同社の一貫した主張。新たな決算電話会議では、その主張に基づく見方が、これまで以上に踏み込んだ形で語られました。 主張の正当性は、決算の数字でも裏付けられています。米国売上の前年比成長率は上場以来初めて100%を超え、利益率とキャッシュ創出力もそれを支える水準で動きました。経営陣自身が需要に供給が追い付かない状況だと述べるほどに至っています。

「世の中が複雑になるほど価値を持つ」Shopify 経営トップが語るAI時代の商取引観

「世の中が複雑になるほど価値を持つ」Shopify 経営トップが語るAI時代の商取引観

AIはSaaS事業者にとって脅威なのか、それとも追い風なのか。AIエージェントが業務ソフトウェアを直接操作すれば、現行のSaaSの価値が揺らぐのではないか。このところソフトウェア業界に投げかけられてきた問いに、当事者である各社は自社なりの答えを示し始めています。 北米の商取引プラットフォームShopifyは、この問いに対して攻めの立場を示した企業の一つです。5月5日に発表された2026年第1四半期決算で、ハーレー・フィンケルシュタイン社長は、AIを自社の構造的な追い風として再定義する姿勢を、終始強い言葉で繰り返しました。 同社の論立ては、概ね三つの土台で構築されています。長年の商取引データという他社が模倣しにくい蓄積。需要を創出するプラットフォームとしての強み。商取引特有の複雑性を引き受け続けるという役割の再定義。この三つが揃って初めて、AI時代の小売における同社の中心的な位置取りが成立するという論理です。

ServiceNow、AI収益目標を15億ドルへ上方修正。「ハイブリッド課金」が示すAI時代のSaaSモデル

ServiceNow、AI収益目標を15億ドルへ上方修正。「ハイブリッド課金」が示すAI時代のSaaSモデル

米クラウドソフトウェア大手のServiceNowは、2026年第1四半期の決算を発表しました。中核となるサブスクリプション収益は前年同期比19%増(為替変動の影響を除く)の36億7100万ドルに達し、会社側の事前見通しの上限を上回る結果となりました。 当四半期は、中東情勢を背景とした一部オンプレミス案件の遅延により、収益に0.75%のマイナス影響が生じました。しかし、同社は第1四半期における外部要因の逆風を跳ね返して業績予想を上回ったほか、Armis社の買収効果を反映して2026年度通期の収益ガイダンスを上方修正するなど、事業基盤の堅牢性を示す内容となっています 今回の決算で特に注目されるのは、AI機能の本格的な収益化(マネタイズ)と、これまでのSaaS業界の常識を覆す新しい課金モデルの台頭です。

半導体チップの設計そのものを、AIエージェントが書き始めた。EDA大手Cadenceが踏み込んだ自動化の最前線

半導体チップの設計そのものを、AIエージェントが書き始めた。EDA大手Cadenceが踏み込んだ自動化の最前線

「AIエージェントの時代は、すでに来ている」——Cadence Design Systemsのアニルド・デヴガンCEOは、4月27日発表の2026年第1四半期決算でそう宣言しました。 Cadence Design Systemsは、半導体設計ソフトウェア(EDA)などを提供する企業。半導体設計の現場では設計1件あたりに必要なエンジニアが急増する一方で採用は追いつかず、これまで自動化が遅れていた領域まで含めてAIエージェントへの依存が高まりつつあります。 今回の決算から、AIエージェントが半導体設計のビジネスモデルをどう変えつつあるのか、課題も含めて整理します。