いすゞ自動車 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆1933億7400万 円
銘柄コード 7202(市場第一部(内国株))

いすゞ自動車株式会社は、東京都品川区に本社をおく自動車メーカー。1916年に東京石川島造船所と東京瓦斯電気工業が自動車製造を企画したのが始まり。1922年にはウーズレーA9型国産第1号乗用車を完成。1934年には商工省標準形式自動車を伊勢神宮の五十鈴川に因んで「いすゞ」と命名し、社名の由来となった。第二次大戦の後、トラックの開発・生産に注力したほか、バスや産業用エンジンを次々と開発してきた。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

いすゞ自動車株式会社(ISUZU MOTORS LIMITED)は、大型トラック・バス、小型トラックを中核とする自動車メーカー。前身の東京自動車工業は1937年に設立。1938年に川崎工場操業を開始し、1949年に東京証券取引所に上場する。同年1949年に商号をいすゞ自動車へ変更。

1964年にいすゞ販売金融(現イフコ)を、1965年にスミダ不動産(現いすゞ不動産)を設立する等、多数の子会社を設立し、業容拡大を進める。1971年にゼネラル モーターズ コーポレーション(GM社)との全面提携を結ぶ。2006年にGM社との資本提携は解消している。

事業内容

いすゞ自動車グループは、いすゞ自動車及び子会社108社、関連会社44社で構成されている。主に、自動車及び部品、並びに産業用エンジンの製造、販売を事業内容とし、これらに関連する物流等の各種サービスを展開している。

生産体制は、いすゞ自動車による製造・組立と、いすゞ自動車が供給するコンポーネントを在外グループ企業により組み立てる現地生産を行っている。並びに、自動車以外の主力製品であるエンジンは、日本、アジア、米国の3極体制で生産している。

国内の販売体制は、中央官庁並びに大口需要の一部に対しては、大型トラック・バスをいすゞ自動車が直接販売している。大型トラック・バス、小型トラックほかの、その他需要者に対しては、販売会社がその販売にあたっている。

海外への販売は、いすゞ自動車のグループ企業の販売網及びゼネラル モーターズ グループ各社等の販売網並びに商社を通じて行っている。

経営方針

いすゞ自動車グループは、社会、環境との調和を求め、顧客から信頼してもらえる良きパートナーとして共に発展することを目指す。企業理念には、「「選び」を支え、信頼されるパートナーとして、豊かな暮らし創りに貢献します。」を掲げている。

行動指針は、「私たちは、信頼をすべての基本とし、自ら考え、行動続けます。」と定めている。商品においては「真のニーズを追究し、魅力ある商品・サービスの創造」、自己においては「約束を守り、誠実で、迅速な対応」、組織においては「世界の仲間とチームワークで達成」との方針を定める。

経営環境

いすゞ自動車グループを取り巻く事業環境は、為替リスクや地政学的リスクの増大など、今後も予断を許さない状況が続くことが見込まれている。中長期的には、電動化やコネクテッド技術の普及など、大きな環境変化が予想されるという。

このような環境変化に耐え、柔軟に適応していくことを目指す。そこで、2030年に向けて中長期に目指す姿を”人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV・LCVとパワートレインのエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社”と定めている。今後は、この中長期に目指す姿の実現に向け、社会とともに持続可能な成長を続けていくために、社会的価値の創造に取り組んでいくとしている。この活動のスタートにあたって、いすゞ自動車グループは「中期経営計画」(2018度~2020年度)を策定している。

2020年現在、世界的に流行が継続している新型コロナウイルス感染症については、経済及び企業活動に広範な影響を与える事象であり、今後の広がり方や収束時期を予見するのは困難だとしている。そのような中、いすゞ自動車グループは感染拡大防止の対策に取り組む。並びに、「運ぶ」を支える企業として、顧客が必要する車両を届け、アフターサービスによって稼働を支えることで、「関係者と従業員の安全」及び「社会的責任の両立を果たす方針を定める。

対処すべき課題

中期経営計画でいすゞ自動車グループは、中長期に目指す姿の実現に向け、既存事業をより深く掘り進め、収益の拡大に努めるとしている。並びに、顧客や社会が抱える課題に対して新しい価値・ソリューションを提供する等、新たな事業領域への挑戦の念頭に以下の7つの課題の解決に向けた取り組みを進めていく方針を定めている。

協創活動によるビジネス革新

商用車市場では、顧客ニーズの多様化が進み、今後10年、20年の目線では、クルマや部品などハードを個別に提供するのみでは、顧客の期待に十分応えられる時代ではなくなるとしている。物流業界全体における生産性の向上の要請は、ドライバー不足問題等と相まって、さらに高まりをみせている。

このような環境変化に対して、いすゞ自動車グループは、「「運ぶ」を支え、信頼されるパートナー」として、より顧客の課題を直接解決することを目指す。そのために、従来型のモノやサービスを売るといったビジネスモデルを発展させ、顧客との協創に積極的に取り組む方針を定めている。

海外CV事業の拡大

商用車市場は、日本を含む先進国においては今後も漸減が予想されるという。一方で、新興国において人口の増加・産業の発展を背景とした物流需要の増加が見込まれ、市場全体を力強く牽引していくという。

そこで、製品・製造面において、2018年にインドネシアにて製造・販売を開始した新興国向けモデル『TRAGA』を、2019年よりフィリピンでも販売を開始し、周辺諸国への販売拡大も検討している。今後は、基盤を最大限活用し、日本発の車両に加え、アセアン・中国拠点初の車両の拡販活動を進める方針を定めている。

LCV事業の強靭化

いすゞ自動車グループは、好評のピックアップトラック『D-MAX』やその派生車である『mu-X』といったモデルを海外において提供している。タイ国内においてはいすゞ自動車のLCVはシェアトップを維持している。一方で、顧客のライフスタイルは日々変化し、LCVの利用方法も多様化が進んでいる。このような中、いすゞ自動車グループは、「お客様の真のニーズを追究し、魅力ある商品・サービスの創造」を通じて、多様化するニーズに対応した商品を提供し続けることを目指している。具体的には、2019年10月に、従来車の長所は残し、環境性や安全性、快適性といった機能について刷新を図った『D-MAX』の新モデルをタイにおいて販売を開始している。

上記の他、「パワートレイン事業の強化」、「先進技術開発の加速」、「デジタルイノベーションの推進」、「新規事業の創出」を対処すべき課題に掲げている。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月29日)