マネーフォワード 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1687億6100万 円
銘柄コード 3994(マザーズ(内国株))

マネーフォワードは東京都港区に本社をおく企業。
2012年5月に高田馬場でマネーブック(株)として設立。同年12月に社名を変更し、自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』を公開。
2013年11月には『マネーフォワード For BUSINESS』(現『MFクラウド会計・確定申告』)、12月にはお金のウェブメディア『マネトク』(現くらしの経済メディア『MONEY PLUS』)を公開。

事業概要

マネーフォワードグループは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションの下、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というビジョンを掲げ、プラットフォームサービス事業を展開している。

法人向けサービスを提供するMoney Forward Businessドメイン、個人向けサービスを提供するMoney Forward Homeドメイン、金融機関向けサービスを開発するMoney Forward Xドメイン、新たな金融ソリューションを開発するMoney Forward Financeドメインの4つのドメインで事業を運営している。

まず、Money Forward Businessドメインでは、主力事業である『マネーフォワード クラウド』を中心としたSaaS形態のサービスを提供している。『マネーフォワード クラウド』は、中小企業の経営とバックオフィス業務の効率化を目的とするクラウド型ERPのサービスプラットフォームである。

Money Forward Businessドメインでは、その他に『マネーフォワードクラウド会計・確定申告』、『マネーフォワードクラウド請求書』、『マネーフォワードクラウド給与』、『マネーフォワードクラウドマイナンバー』、『マネーフォワードクラウド経費』、『マネーフォワードクラウド勤怠』、『マネーフォワード会社設立』、そして『マネーフォワードクラウド資金調達』なども提供する。

収益構造としては、主に収益がストック型で積み上がる月額課金モデルであり、サービスやプランによって異なる価格帯にて提供している。販売経路としては、ウェブサイトでの販売に加え、営業人員による会計事務所や事業者への販売、量販店での販売、商工会議所を含む代理店経由での販売を行っている。

次に、Money Forward Homeドメインでは、個人向けアプリ『マネーフォワードME』を中心に、お金に関するサービスを提供している。『マネーフォワードME』は、複数の金融機関等の口座残高や入出金の履歴データを集約・分類して表示し、銀行、クレジットカード、証券、保険、年金、ポイントなど、利用者のお金に関する情報の一元管理を可能にするサービスである。

このほか、ファイナンシャルプランナーとのマッチングができる『マネーフォワードお金の相談』や、『マネーフォワードME』のデータを分析して最適な行動をアドバイスする『マネーフォワードおかねせんせいβ版』など、新しいサービスの展開にも取り組んでいる。

収益構造としては、プレミアム会員への有料課金に加え、マネーフォワードグループが運営するくらしの経済メディア『MONEY PLUS』と連携した広告の販売などを中心としている。

続いて、Money Forward Xドメインでは、『マネーフォワードクラウド』や『マネーフォワードME』の開発技術を活かし、アプリやwebサービスの企画・開発を行っている。主な提供サービスとして、自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワードfor〇〇』や、通帳アプリ『デジタル通帳』、そして法人用資金管理サービス『Business Financial Management』などがある。また、株式会社横浜銀行のポータルサイト『〈はまぎん〉ビジネスコネクト』を、株式会社NTTデータとの連携により共同開発している。

収益構造は、『マネーフォワードfor〇〇』や『デジタル通帳』などのサービス提供によるストック型の月額課金モデルと、初期回月や私用検討、プロモーション支援などにより発生する一時的なフロー型の課金モデルの両者から成り立っている。

ストック型の課金モデルでは提供サービスの利用者数増加に伴い収益が向上するプランもあり、継続的な収益向上が見込まれる。

最後に、Money Forward Financeドメインでは、既存事業のデータを活用した新規事業を展開している。『MF KESSAI』では、企業の請求業務代行や売掛債権の買取りサービスを提供し、『Money Forward BizAccel』では中小企業・個人事業主向けにオンライン融資サービスを行う。また、マネーフォワードシンカ株式会社では、成長企業向けのフィナンシャル・アドバイザリーサービスを実施している。

収益構造としては、企業間後払い決済サービス『MF KESSAI』の手数料収入を中心に、請求代行サービス販売収入や貸出金利収入、アドバイザリー収入などがある。

以上のように、Bussiness・Home・Xの各ドメインでは、有料ユーザー数の増大を図ることで売上高が継続的かつ安定的に拡大していくいわゆるストック型のビジネスモデルが中心になっている。

経営方針

マネーフォワードグループは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というビジョンを掲げている。

そして、「User Focus」「Technology Driven」「Fairness」を行動指針とし、「ユーザー中心主義」に基づいて、テクノロジーによってユーザーの人生や経営を少しでも前向きに進めるために貢献することを目指している。

マネーフォワードグループのビジネスモデルがサブスクリプションモデル中心のため、中長期的なキャッシュ・フローの現在価値最大化を最重要視し、経営の意思決定を行っている。

目標とする経営指標としては、売上高とEBITDAを重視している。

経営環境

マネーフォワードグループを取り巻く事業環境については、確定拠出年金制度やNISA導入などの政策の影響などから、個人の金融資産に対する自己責任での管理・運用への意識が着実に高まりつつあると考えられる。そして、人口減少(特に生産年齢人口の減少)という構造的で避けられないトレンドの中、今後ますます労働力確保が難しくなると見込まれ、中小企業の生産性向上、特にバックオフィス業務の省力化は急務の課題だ。

また、マネーフォワードグループのサービス領域である「Fintech市場」については、政府がFintech市場関連の政策を推進し、Fintechに対する金融機関や企業などの動向が活発化している。加えて、長期的には、資産管理や投資・運用などの、従来は金融機関等が提供してきたサービスを、Fintech企業が将来的に補完もしくは一部代替する可能性のある市場と考えられている。このことから、国内のFintech市場はさらに拡大を続けていくと予想される。

このような環境の中、マネーフォワードグループの継続的な成長のためには、『マネーフォワードクラウド』や『マネーフォワードME』などのサービスを通じて、「お金のプラットフォーム」としての地位を確立する必要がある。

さらに、サービス間のクロスセルやアップセルによるARPPUの向上や、無料会員から有料会員への転換を促進する取り組みなどによる収益基盤の強化に取り組む方針だ。

また、マネーフォワードグループは、個人と法人の両ユーザーに対して積極的な啓蒙活動を行い、結果としてFintech市場の拡大を目指している。具体的には、中小企業のITツール活用を促進する一般社団法人Business IT推進協会を設立・運営しているほか、個人向けセミナー「お金のEXPO」や、会計事務所や中小企業などへのITツール導入を後押しする「士業サミット」の開催などに取り組んでいる。

さらに、企業間後払い決済サービス『MF KESSAI』や、オンライン融資サービス『Money Forward BizAccel』など、既存事業のデータを活用した新しいサービスの開発に取り組む。そして、SaaSマーケティングプラットフォーム『BOXIL』を運営するスマートキャンプ株式会社の子会社化により、事業領域の拡大に努めるなど、より高い成長を目指していくとしている。

対処すべき課題

マネーフォワードグループのユーザー基盤は、潜在市場の大きさに対してまだ十分な普及レベルに達していないとし、サービスの知名度向上とユーザー層の拡大が課題となっている。

また、常に技術革新が起こっているインターネット業界で、マネーフォワードグループが機能優位性及び価格競争力を維持していくためには、ユーザーを意識したサービスの迅速な提供も課題である。加えて、ユーザーにさらなる付加価値を提供していくため、蓄積したビッグデータを独自に解析していくための体制構築も課題として認識されている。

一方、『マネーフォワードクラウド』や『マネーフォワードME』などは、Fintechサービスで情報レイヤーと呼ばれているユーザーのお金に関する情報を正確に集約し、蓄積することを可能にできる機能を持っている。マネーフォワードグループは、この情報レイヤーが、将来的には決済、課金、取引所、融資、投資、そして不動産取引といった金融に関連する利用者の行動の起点、すなわちユーザーインターフェースになりうるものと考えている。このことから、様々なFintechサービスにおける情報レイヤーとしてのポジショニングの確保が課題となっている。

そのほかにも、金融機関や会計事務所などの事業パートナーとの提携の強化によるエコシステムの構築や、急速な拡大を続けているFintech業界での積極的な新規事業立ち上げなども、マネーフォワードグループが対処すべき課題として掲げられる。

マネーフォワードグループは、このような課題の達成に向けて注力するとともに、新たなサービスの展開に取り組み、今後も次の柱となるビジネスの創出に積極的に挑戦していくとしている。