銀行

米国の大手銀行と主要な地方銀行のリストです。

「延滞しても貸し倒れない」米国消費者のリアル──自動車ローン大手Ally決算

「延滞しても貸し倒れない」米国消費者のリアル──自動車ローン大手Ally決算

Ally Financialは、米GMの金融部門を前身とする金融会社です。現在は自動車ローンで全米最大級の規模を持ち、支店を持たないデジタル銀行として1440億ドルの預金を集めています。ディーラー向け金融、保険、企業向け融資も手がけますが、収益の柱はあくまで「クルマと預金」です。 近年は住宅ローンやクレジットカードなど非中核事業の縮小・売却を進め、自動車金融とデジタル銀行に経営資源を集中してきました。この4〜6月期はその成果が表れた決算となりました。一方ではガソリン高による車選びの変化など、米国の中間層家計を映す数値がいくつも浮かび上がっています。 毎月「支払いの選別」をする消費者 4〜6月期の調整後EPSは1.21ドルで前年比22%増、調整後純収益は23億ドルで同10%増でした。マイケル・ローズCEOは「戦略と規律ある実行が機能している証拠だ」と手応えを語ります。中核であるリテール自動車ローンとコーポレートファイナンスの資産残高は前年比で約80億ドル(8%)増えました。

「CEOたちは夢想している」──ゴールドマン・サックス、買収ブームの中心で最高益

「CEOたちは夢想している」──ゴールドマン・サックス、買収ブームの中心で最高益

ゴールドマン・サックスが2026年4〜6月期決算を発表しました。売上高は203億ドル、EPS(1株当たり利益)は20.98ドルと、ともに過去最高を更新しています。AIをめぐる熱狂は半導体株の急騰として語られがちですが、その熱はいま、実体経済のカネの流れそのものを変え始めています。 デビッド・ソロモンCEOは「この機会が広範で複雑になるほど、当社の強みが生きる」と述べました。AIへの投資はもはや半導体の枠にとどまらず、電力などのエネルギー設備やデータセンターの建設にまで及びます。案件が大きく複雑になるほど、資金の流れを設計する専門家が呼ばれる場面は増えていきます。 事業面で目を引くのが、株式や債券の売買を仲介する市場部門の躍動です。株式関連の売上は四半期として過去最高となり、とりわけアジアでの取引の活況が全体を押し上げました。米国発のAIブームが太平洋を越え、同社の収益地図まで塗り替えつつある格好です。

「我々は長期戦をしている」——シティグループ、最高売上でも目標を上げない賭け

「我々は長期戦をしている」——シティグループ、最高売上でも目標を上げない賭け

シティグループが発表した2026年4〜6月期決算は、売上高248億ドル(前年比14%増)と、四半期として過去10年で最高の水準に達しました。ところが発表当日、株価は下落します。最高の成績表と市場の失望が同居する、めずらしい一日となりました。 「シティの成功は一直線には進まない」。ジェーン・フレイザーCEOがかねて口にしてきた言葉のとおり、この日の話題は好調な実績ではなく、あえて動かさなかった通期目標に集まりました。決算説明会では、据え置きの真意を確かめる質問が繰り返されます。 事業面を見れば、企業の資金決済を担う中核部門をはじめ、市場部門や投資銀行もそろって勢いに乗りました。世界の企業活動をそのまま映す鏡のような事業構成が、久々に全開で回った四半期といえます。それだけに、経営陣の慎重にも見える構えは際立ちました。

「これ以上は望めないほど良い。いつまで続くかは分からない」——最高益のJPモルガンが警戒を解かないもの

「これ以上は望めないほど良い。いつまで続くかは分からない」——最高益のJPモルガンが警戒を解かないもの

JPモルガンが2026年4〜6月期決算を発表しました。収益は前年比15%増と大きく伸び、市場の活況を追い風に記録的な利益を上げています。ただ、好調な数字が並ぶほど、その持続性への問いは重くなります。今回の決算説明会は、まさにその問いに経営陣が正面から向き合う場となりました。 ジェイミー・ダイモンCEOは「これ以上は望めないほど良い状態に近づいている」と認めています。それでも語られたのは強気の見通しではなく、熱狂する市場との距離の取り方でした。金融危機を生き延び、20年にわたり同社を率いてきた経営者ならではの視点がにじみます。 けん引役となったウォール街ビジネスの裏で、質疑は経営の根幹にも及びました。AIがもたらす効率化の果実は誰の手に渡るのか。そして就任20年を超えたCEOは、次へのバトンをどう渡すのか。数字の好調さとは別の次元で、同社の今後を左右する論点が並んでいます。

Capital One、買ったばかりの事業を「あえて縮小」——350億ドル買収の逆張り戦略とは

Capital One、買ったばかりの事業を「あえて縮小」——350億ドル買収の逆張り戦略とは

クレジットカード発行で全米3位のCapital Oneが発表した2026年第1四半期(1〜3月期)決算は、純利益22億ドル(調整後EPSは4.42ドル)となりました。約350億ドルを投じたDiscoverの買収効果が本格的に反映され、カード事業の売上・信用指標ともに好調な滑り出しです。 株価・出来高チャート リチャード・フェアバンクCEOは「我々は創業以来、オーガニック成長を軸にした企業であり続けてきた」と述べました。巨額買収の直後にあえて自律成長を強調した背景には、同社ならではの統合哲学があります。 好調な決算の陰で、同社はある異例の選択を進めています。約350億ドルで手に入れたばかりの事業を「意図的に縮小させている」のです。しかもその裏では、別の数十億ドル規模の買収や事業の内製化も同時に動いています。

「顧客の99%は、もう人間と話していない」──米銀BofA決算が明かした、自動化完了企業だけの新しい宿題

「顧客の99%は、もう人間と話していない」──米銀BofA決算が明かした、自動化完了企業だけの新しい宿題

4月15日、米国4大銀行の一角であるBank of Americaが、2026年第1四半期の決算を発表しました。JPモルガン・チェースと並ぶ米国金融業界の巨人であり、米国内で約6,900万人の消費者・小規模事業者を顧客に抱える生活インフラ企業です。売上は前年比7%増、利益指標も改善し、すべての事業セグメントが成長。表面的には隙のない内容でした。 しかし、決算説明会の質疑応答では、アナリストから少し変わった角度の質問が飛びました。「AIの広がりのなかで、BofAは犠牲者になるのか、それとも受益者になるのか」。質問したのはマイク・メイヨ氏(米Wells Fargo証券)。大手銀行経営陣への鋭い追及で知られる、ウォール街で著名なアナリストです。好業績を報告したCEOに対し、彼はあえてこの問いを投げかけました。 その問いに答えるなかで、CEOのブライアン・モイニハン氏がさらりと口にした一つの比率があります。華やかなトピックではなく、流れのなかで漏れた一言でしたが、この発言にはBofAがすでに到達した地点と、同時に直面している課題の両方が含まれていました。

PNC 2026年1-3月期:市場が怯えるNDFI、その中身を開けたPNCが見せたもの

PNC 2026年1-3月期:市場が怯えるNDFI、その中身を開けたPNCが見せたもの

米銀のプライベートクレジット関連貸出への懸念が高まる中、PNCが決算で開示したNDFI(非預金金融機関向け貸出)の内訳は想像とは異なるものでした。 最も規模が大きいカテゴリの8割を占めるのは貿易債権証券化——企業の売掛金を担保にした、25年間ほぼ無損失の事業です。同時期にJPモルガンが開示したNBFI内訳と並べると、同じ「NDFI」という規制ラベルの下に全く性格の異なる事業が混在する構造が浮かび上がります。 この記事では、PNCの内訳開示とJPモルガンの開示を比較しながら、NDFIという規制カテゴリが何を映し、何を見えなくしているのかを読み解きます。

シティグループ、「衝撃の連続」の世界で10年ぶりの好決算——混乱が収益を生む逆説

シティグループ、「衝撃の連続」の世界で10年ぶりの好決算——混乱が収益を生む逆説

シティグループが発表した2026年第1四半期決算は、売上高が前年比14%増の246億ドル、純利益58億ドルでした。通期の収益性目標を四半期の段階で上回る、予想以上の滑り出しとなっています。 ジェーン・フレーザーCEOは「我々には勢いがある」と述べました。2008年の金融危機で政府救済を受けて以降、「大きすぎて管理できない銀行」と評されてきた同社ですが、2021年に就任したフレーザー氏が5年にわたる再建を主導し、今四半期はその成果が数字に表れた節目です。 牽引役となったのは、企業向けの送金・決済や株・債券のトレーディングといった法人向け事業です。いずれも10年ぶりの水準を含む好調ぶりで、その背景には世界経済の不安定さがむしろ追い風になるという逆説的な構造が見えてきます。

JPモルガン決算、ダイモンCEOが語る新機能の矛盾——「自社の預金を減らす」AIツールの本当の狙い

JPモルガン決算、ダイモンCEOが語る新機能の矛盾——「自社の預金を減らす」AIツールの本当の狙い

2026年4月14日、JPモルガン・チェースの第1四半期決算説明会で、最初にアナリストが質問したのは市場予想を上回った業績でも、好調なトレーディング業務でもありませんでした。取り上げられたのは、同行がまだローンチすらしていない一つの新機能についてでした。 その名は「AIキャッシュツール」。顧客の普通預金に滞留する現金を、AIが自動的により利回りの高い商品へ動かす手助けをする仕組みです。ここで奇妙なのは、この機能が成功すればするほど、JPモルガン自身の預金マージンが削られるという点にあります。 質問に答えたCEOのジェイミー・ダイモン氏は、回答の途中でアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏の有名な言葉を引用しました。「あなたのマージンは私のチャンスだ」。しかも同氏はこの攻撃的な哲学を、競合ではなく自社自身に向けて語ったのです。

ゴールドマン・サックス Q1 2026決算:ファイナンシング収益40%が示す「トレーディング会社」からの脱皮

ゴールドマン・サックス Q1 2026決算:ファイナンシング収益40%が示す「トレーディング会社」からの脱皮

ゴールドマン・サックスのQ1 2026決算は、FICCと株式のファイナンシング収益が合計37億ドルに達し、FICC・株式事業合計の約4割を占めました。 同時にCET1比率(自己資本の厚みを示す規制指標)は前四半期比で180bps低下。この記事では、同社が前四半期の決算で示したファイナンシング拡大の方針と、今四半期の資本配分がどう結びついているかを読み解きます。 ファイナンシングがFICC・株式事業収益の約40%に