DocuSign, Inc. 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 545億1064万3000 ドル
銘柄コード DOCU(NASDAQ)

DocuSign, Inc.は電子署名ソリューションを提供するSaaS企業。電子契約サービスのパイオニア。2003年、創業者の1人Tom Gonser氏の運営企業傘下にあった「DovuTouch」(電子署名の特許を保有)を買い取る形で設立。オンライン上のみで契約締結を完了できるツールを提供。M&Aで書類管理等のサービス拡大。2018年4月にNASDAQへ株式上場を果たす。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

DocuSign, Inc.(ドキュサイン)は電子署名ソリューションを提供するSaaS企業。電子契約サービスのパイオニア。2003年、創業者の1人Tom Gonser氏の運営企業傘下にあった「DovuTouch」(電子署名の特許を保有)を買い取る形で設立。オンライン上のみで契約締結を完了できるツールを提供。M&Aで書類管理等のサービス拡大。2018年4月にNASDAQへ株式上場を果たす。

DocuSignは電子署名のカテゴリーを開拓し、現在では世界No.1の電子署名ソリューションを提供してきた会社である。今まで紙で行われていた、合意・契約・稟議における準備、署名捺印、実行、管理の一連プロセスを自動化し、時間、手間、費用の大幅削減、業務効率化を実現するようなサービスを提供している。

DocuSignは、組織がより少ないリスク、より少ないコスト、そして顧客と従業員のためのより良い体験をもって、より迅速にビジネスを行うことができるように支援する。DocuSignは、ビジネスの基本要素である「契約」を変革することで、これを実現している。

事業環境・背景

契約はあらゆる場面で発生する。通常のビジネスの過程で、組織は顧客、従業員、ビジネスパートナーとの間で、契約書、オファーレター、その他何百もの種類の契約書に署名している。これは、あらゆる規模の組織、あらゆる業界、あらゆるビジネス機能、世界中で当てはまる。

そして、すべての契約書には契約プロセスがある。従来の契約書作成プロセスは、多くの手動のステップ、切り離されたシステム、紙での署名を伴うため、時間がかかり、コストがかかり、エラーが発生しやすいものだった。DocuSignの価値提案は、紙をなくし、プロセスを自動化し、他のシステムに接続して作業を完了させるというシンプルなものだ。これにより、企業はターンアラウンドタイムとコストを大幅に削減し、エラーを大幅に排除することができる。

事業内容

DocuSignは、合意・契約の準備から署名捺印、実行、管理まで、合意・契約管理の一連のフローを管理する製品群「DocuSign Agreement Cloud」を提供する。

DocuSignは単に契約支援サービスを提供するだけではなく、紙ベースの合意書や契約書をデジタル化し、合意内容を決済/顧客関係管理(CRM)/統合基幹業務(ERP)といったシステム経由で次の意思決定に変えていくという一連のプロセスに軸足を置いている。電子署名だけでなく、あらゆる端末でいつ、どこで、何をしたかなど、紙やEメールのやり取りを電子化し、すべて証跡を残す「DTM(Digital Transaction Management)プラットフォーム」に発展している。

製品・サービスの特徴

DocuSignが提供している「DocuSign Agreement Cloud」は、契約プロセス全体を自動化し、接続するためのクラウド・ソフトウェア群である。この製品には、電子署名ソリューションである「DocuSign eSignature」が含まれている。「DocuSign eSignature」は、米国の電子署名法(ESIGN)および米国の統一電子取引法(UETA)や、EUのeIDAS規則など含めてそれぞれの規制や法律に基づいて、もちろん日本においても安全に利用できるサービスである。クラウドサービスへのログインが署名者の本人認証と連動することから、DocuSignのサーバ上に書類をアップロードして承認フローの設定を行えば、Webブラウザやスマートデバイスのアプリを通してどこでも署名が可能となる。

プラットフォーム

DocuSignが提供するプラットフォームは、単なる契約支援機能を持つだけではない。DocuSignの提供するプラットフォームには、350以上の一般的なビジネスアプリとの統合することが可能である。加えて、顧客のWebサイト、モバイルアプリ、カスタムワークフローにDocuSignを埋め込み、接続することを可能とするAPIも利用可能である。

契約ライフルサイクル

DocuSignで締結した書類は、クラウド上で一元管理される為、いつでもどこでも検索・閲覧が可能である。DocuSignの提供するサービスを活用することで、書類の作成、印刷、郵送、捺印、返送といった従来のやり取りを、全てデジタル化することで、契約合意までのプロセスを大幅に短縮可能である。プロセスのデジタル化によって、印刷、郵送、保管に掛かるコストや印紙代を削減することもできる。

サードパーティ連携

Google、Microsoft、Oracle、Salesforce、SAP、Workdayが提供するアプリケーションなど、DocuSignは業務で用いられる他のシステムと何百もの統合を実現している。

例えば、DocuSignの機能をSalesforceのユーザーエクスペリエンスに組み込む統合により、営業担当者はSalesforceアプリケーションを離れることなく、DocuSignを介して契約書を作成し、実行することができる。バックエンドでは、Salesforceのアカウントデータが自動的に契約書を事前に入力することができる。署名後、DocuSignは、契約プロセスで収集または生成されたその他のデータをすべてSalesforceに反映することができる。

「Agreement Cloud」提供機能・業種別オファリング

DocuSign eSignature

「DocuSign eSignature」は、世界中のあらゆるデバイスで、事実上どこからでも、安全に契約書を送信・署名することができる。組織規模、業種、地域などのニーズに合わせて組み合わせることができる複数のエディションやアドオンを提供している。

DocuSign CLM (Contract Lifecycle Management)

「DocuSign CLM(Contract Lifecycle Management)」は、契約プロセス全体のワークフローを自動化する。大規模な組織では、契約書の生成、交渉、実行、保存のための複雑なプロセスをモデル化する柔軟性を実現する。

Intelligent Insights

「Intelligent Insights」は、人工知能を使用して、法的概念や条項から契約書を検索して分析する。「DocuSign eSignature」と他のソースの両方からの大量の契約書に対応できる。

Gen for Salesforce

「Gen for Salesforce」は、営業担当者がSalesforce内から数回クリックするだけで、洗練されたカスタマイズ可能な契約書を自動的に作成することができる。

Negotiate for Salesforce

「Negotiate for Salesforce」は、「Gen for Salesforce」のすべての機能に加え、承認、ドキュメント比較(レッドライン)、バージョン管理をサポートしている。

Guided Forms

「Guided Forms」は、複雑な契約書フォームをインタラクティブなステップバイステップのプロセスで入力できるようにする。前のステップからの入力に基づいて後のステップを適応させることで、ユーザーエクスペリエンスを合理化し、エラーを最小限に抑える。

Click

「Click」機能は標準的な規約や同意書の署名不要のclickwrap契約をサポートする。

Identify

「Identify」機能は、政府発行のIDのチェックなど、署名者の識別オプションを強化したサービス群。

Standards-Based Signatures

「Standards-Based Signatures」は、EUのeIDAS規則で規定されている高度な電子署名を含む電子証明書に対応している。

Payments

「Payments」機能は、顧客が署名と支払いをワンステップで回収できるようにする。クレジットカード、デビットカード、ACHペイメント、Apple Pay、Google Payを利用できる。

eNotary

「eNotary」は、伝統的な紙、対面での公証行為をシミュレートした電子公証行為を実行する機能を提供している。

  • カリフォルニア州
  • コロラド州
  • フロリダ州
  • ジョージア州
  • アイダホ州
  • イリノイ州
  • インディアナ州
  • アイオワ州
  • ケンタッキー州
  • ミネソタ州
  • ニュージャージー州
  • ニューヨーク州
  • ノースカロライナ州
  • オレゴン州
  • ペンシルバニア州
  • テキサス州
  • ユタ州
  • ワシントン州
  • ウェストバージニア州

電子公証が普及している以上のような州で電子文書や記録のための電子公証ソリューションを提供している。

Rooms for Real Estate

「Rooms for Real Estate」は、仲介業者やエージェントが不動産取引全体をデジタルで管理する方法を提供する。書類の作成と編集、書類の共有と署名のためのカスタム承認プロセスとワークフロー、ペーパーレスフォームを簡素化するためのzipFormや他のプロバイダーとの統合、CRMシステムや会計ソフト、その他の不動産関連システムとの簡単な接続を可能にするAPIなどを提供している。

Rooms for Mortgage

「Rooms for Mortgage」は、住宅ローンの作成と決済を行うための安全でデジタルなワークスペースを提供する。貸し手は「Rooms for Mortgage」を利用して借り手の書類を収集したり、タイトルや決済などの外部参加者とのクロージングパッケージを組み立て、設定可能なチェックリストやリマインダーを使って取引を継続的に進めることができる。

eSignature for U.S. Federal Government

「eSignature for U.S. Federal Government」は、米国連邦政府機関向け「DocuSign eSignature」のFedRAMP認定バージョンで、特別なデータセンターの境界内で動作し、機関のデータの専用ストレージと暗号化を提供する。

Life Sciences Modules for 21 CFR Part 11

「Life Sciences Modules for 21 CFR Part 11」は、米国食品医薬品局(FDA)の「21 CFR Part 11規制」で定められた電子署名慣行への準拠をサポートする「DocuSign eSignature」のアドオン。

サービスを支える技術

Stringent security standards

DocuSignは、業界で最も厳しいセキュリティ認証基準を満たすことを目指し、市販されている最も強力なデータ暗号化技術を使用している。また、DocuSignのシステムとプロセスは、データ保護、伝送、安全な保存のための業界の水準を上回っている(ISO 27001認証の取得を含む)。

Highly available

DocuSignの主要インフラストラクチャは、米国にある3つの地理的に分散したデータセンターのリングと、ヨーロッパにある同様のリングのデータセンター間で、ほぼリアルタイムのデータ同期を実現している。このインフラストラクチャにより、過去12ヶ月間、世界中の電子署名のお客様とユーザーに99.99%以上の可用性を提供することが可能になった。

Globally adopted

DocuSignは電子署名やその他の契約技術におけるグローバルな専門知識を有する。グローバル・カバレッジは、地域によって法律、基準、文化的規範が異なることを考慮すると重要な事業要素となる。DocuSignは、異なる法域の複数の当事者が法的に有効な方法で契約書やその他の文書を完成させることを可能にする。

欧州では、欧州連合(EU)のeIDAS規制に対応したサービスを提供し、欧州のeIDを検証している。日本では長年の伝統を踏襲し、署名者が個人の電子印鑑をアップロードして契約書に署名することを可能にしている。

Highly auditable

「DocuSign eSignature」では、署名されたすべての文書は、署名者の名前、電子メールアドレス、公開IPアドレス、タイムスタンプ付きの個々のやり取りの記録など、重要な署名の詳細を自動的に取得することで、文書の認証を支援するために、監査可能な独自の完了証明書によってバックアップされる。この証明書には、当事者名、電子メールアドレス、公開IPアドレス、および個人の文書とのやり取りのタイムスタンプ付き記録が含まれている。このレベルの証拠性と監査可能性は、従来のインク・オン・ペーパー署名で可能だったものを上回っている。

Vertical solutions

DocuSignは、特定の業界に特化したソリューションを提供している。例えば、米国食品医薬品局(FDA)の規制へのコンプライアンスをサポートするための「DocuSign eSignature」の追加オプションなどがある。また、不動産取引のためのタスク管理、テンプレート、ワークフローなどを含む「Rooms for Real Estate」のように、業界別の製品である場合もある。

Simple to use

DocuSignが何十万もの顧客を持ち、何億人もの署名者を抱えている主な理由は、DocuSign製品の使いやすさにある。特に「DocuSign eSignature」については、その使いやすさと顧客満足度の高さで広く知られている。例えば、2020年3月現在、「DocuSign eSignature」アプリは13万件以上の評価を受け、Apple App Storeでは5つ星のうち4.9点の平均スコアを獲得している。

Developer-friendly

DocuSignの広範なAPIにより、DocuSign製品を組織独自のアプリ、システム、プロセスに迅速に組み込み、または接続することができる。「DocuSign eSignature」の場合、これにより、今日ではトランザクションの約60%がDocuSignのAPI(Application Programming Interface:アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を介して稼働している。顧客がビジネスで使用する他のシステムと統合することで、単にスタンドアロンのアプリとしてではなく、DocuSign製品の利用とエンゲージメントの向上を促進している。

顧客への提供価値

Accelerated transactions and business processes

DocuSignは、手動で行われていた紙ベースのプロセスを自動化されたデジタルワークフローに置き換えることで、契約の完了に必要な時間と労力を大幅に削減することができる。2020年度には、「DocuSign eSignature」プラットフォーム上の全取引の82%が24時間以内、50%が15分以内に完了した。

DocuSignの他の製品も、新規契約書の作成にかかる時間の短縮や、特定の法的条項を含む完成した契約書の発見にかかる時間の短縮など、ターンアラウンドタイムの短縮に貢献している。

Improved customer and employee experience

社内外でDocuSignを使用している組織は、自社の顧客や従業員に対して、よりシンプルで便利な体験を提供することができる。例えば、「DocuSign eSignature」は、FAX送信、印刷、スキャン、電子メール送信などの手作業を数回のクリックやタップで置き換えることができ、いつでも、どこからでも、制約なく契約処理を実行できる。その結果、DocuSignは、人々が他の方法でビジネスを行うことは想像できないと言えるほどの体験と満足感をもたらしている。

Reduced cost of doing business

DocuSignを利用して手動のプロセスをデジタル化すると、ビジネスを行うためのコスト削減を実現できる。例えば、紙ベースのプロセスを「DocuSign eSignature」に置き換えると、契約書1件あたりの人件費と材料費(紙、プリンタ/コピー機の消耗品、封筒、郵送料)が大幅に削減される。

その他の「DocuSign Agreement Cloud」製品は、文書の検索やレビューにかかる法的コストを削減し、複雑な契約書フォームを自動的に顧客に案内することでカスタマーサポートのコストを削減し、契約書の作成を自動化することで、営業担当者の時間をペーパーワークよりも販売に集中させることができる。

Reduced risk

手動の紙ベースの契約プロセスに依存している組織は、エラーが発生しやすく、監査が困難な場合がある。「DocuSign Agreement Cloud」を使用することで、組織は契約プロセスを一元化、標準化、自動化することができ、従業員は承認されたプロセスやテンプレートを簡単に使用することができ、監査証跡も自動的に生成される。

また、AI技術を使用することで、手作業でのレビューが困難な既存の契約書の大規模なセット内のリスクを従業員が特定することができる。契約書のライフサイクル中に手動でのやり取りが少なくなるということは、誤操作や不正アクセスの機会が減ることを意味する。

成長戦略

Drive new DocuSign eSignature customer acquisition

「DocuSign eSignature」は、これまでの成功にもかかわらず、その市場はまだ十分に開拓されていないと考えている。「DocuSign eSignature」を世界中のより多くの企業、商業企業、VSB(Very Small Businesses:超小規模ビジネス)に提供できる大きなチャンスがある。DocuSignの総顧客数は58万5,000を超えているが、現在のコア・ターゲット市場である全世界の企業、商業企業、およびVSBの1%程度に過ぎないと推定されている。

Expand DocuSign eSignature use cases within existing customers

企業が最初にDocuSignに触れるのは、多くの場合、販売契約の締結を加速させるために「DocuSign eSignature」を使用した場面だと想定される。企業がそのメリットを実感し始めると、販売だけでなく、サービス、人事、財務、その他の機能など、他のユースケースにも拡大し、自動化された契約プロセス全体の数を増やしていく機会を得られることが多い。

例えば、ある大企業の顧客は、最初は1つのユースケースから300以上のユースケースにまで成長した。DocuSignの顧客の大多数は、これまでにいくつかのユースケースしか自動化していないため、DocuSignの既存顧客ベースの中でアップセルできる可能性が高いと考えられる。DocuSignは、新しいユースケースを特定して採用を促進するために、専門のカスタマーサクセスチームを増強している。

Extend customer relationships to other Agreement Cloud products

「DocuSign eSignature」は、顧客が他の「Agreement Cloud」製品に参入するための自然な入り口である。次にどの製品を購入するかは顧客によって異なるが、新規顧客のうち最初に複数の「Agreement Cloud」製品を購入する割合が増えている。DocuSignでは、販売、カスタマーサクセス、パートナー組織を拡大・進化させ、複数製品を利用する顧客への販売・サービスをさらにサポート強化していくことを予定している。

Accelerate international expansion

2020年1月期におけるDocuSignの収益の18%は米国外の顧客からもたらされている。DocuSignは、自社の技術、ダイレクトセールス・チーム、世界各地の戦略的パートナーシップへの投資を活用し、拡大することで、国際的な顧客基盤を拡大する大きな市場機会を取り込んでいる。現在EUで提供されているeIDASに準拠した標準ベースの署名および日本向けの電子印鑑機能は、DocuSignの国際的な成長を加速させるソリューションになると見込んでいる。

Continue augmenting our Agreement Cloud offerings

DocuSignは、契約プロセスのさまざまな側面をカバーする新製品のリリースを重ねている。DocuSignは、これらの製品やその他の既存製品を強化するための研究開発への投資を継続するとともに、「Agreement Cloud」をさらに強化するための新製品の開発にも力を入れていくことを計画している。また、パートナーシップを活用して、新たな統合製品や、場合によってはリセール製品を提供していくことを目指している。

2018年の「SpringCM」社の買収や、2020年2月に発表された「Seal Software」社の買収(手続き中)など、追加的な機能を買収する可能性がある。

Expand vertical solutions

DocuSignの全体的な価値提案は普遍的なものだが、DocuSignは今後も、ビジネス要件がそれぞれ異なるいくつかの業界のバーティカルにまたがる営業、マーケティング、技術的専門知識への投資を継続していく。また、不動産、住宅ローン、政府機関などの重要な業種に合わせたソリューションの強化も継続していく。

Strengthen and foster our developer community

DocuSignでは分離された環境での製品開発とテストを可能にする130,000以上の開発者用サンドボックスが作成され、現在、電子署名プラットフォーム上の取引の60%以上がDocuSignのAPIを介して処理されていることから、DocuSignには強力な開発者コミュニティがあると考えている。DocuSignの使いやすく堅牢なAPIにより、開発者は自社のアプリケーションにDocuSign製品を拡張して統合することができる。

電子署名を取り扱う開発者は、DocuSignの機能を他のシステムに拡張するのに役立ち、その結果、DocuSignの製品の利用が拡大する。DocuSignは、開発者とDocuSignの間の価値創造の好循環をさらに促進するために、DocuSignのAPIやその他の形態のサポートへの投資を継続していくことを予定している。

顧客

DocuSignの顧客は、世界最大規模のグローバル企業から個人事業主まで、世界中のあらゆる業種にわたっている。特定の組織内で、DocuSignのソフトウェアは、営業用の契約書、人事用の雇用オファー、法務用の秘密保持契約書など、ビジネス機能を横断して幅広く使用することができることが特徴である。

2020年9月現在、DocuSign, Inc.の提供するサービスは180カ国以上で50万人以上の顧客と数億人のユーザーによって利用されており、ビジネスのプロセスを加速させ、仕事を簡素化することに成功させている。実際、電子署名を利用した契約のうち、約82%は1日以内に完了し、49%は15分で完了させることができている。

世界のテクノロジー企業トップ10社のうち7社がDocuSignを利用し、世界の医薬品企業トップ20社のうち18社がDocuSignを利用している。加えて、世界の金融機関トップ15社のうち10社がDocuSignを利用しており、800の地方自治体や政府組織がDocuSignを利用している。このことから分かる通り、DocuSign, Inc.が提供する契約支援サービスは信頼が特に求められる業界において幅広く活用されている。

ビジネスモデル

DocuSignは「Agreement Cloud」の製品ごとに異なる価格体系を設定している。「DocuSign eSignature」については、顧客が必要とする機能とプロビジョニングされた「Envelope」の数に基づいてサブスクリプションの価格を設定している。従来、物理的な契約書が紙の封筒に入れて署名のために郵送されていたのと同様に、DocuSignでは「Envelope」を、署名または承認のために1つまたは複数の文書を1つまたは複数の受取人に送るために使用されるデジタル・コンテナと呼んでいる。

DocuSignの顧客には、多数の文書を「Envelope」に格納できる柔軟性が提供される。住宅購入のような多くのユースケースでは、複数の「Envelope」を使用することができる。

マーケティング戦略

グローバルに広がる市場機会に対応するため、DocuSignのセールスおよびマーケティング戦略は、エンタープライズビジネス、商業ビジネス、およびVSBに焦点を当てている。DocuSignは、企業や商業企業への販売にはダイレクトセールス・チームとパートナーシップを活用し、VSBへの販売にはウェブベースのセルフサービス・チャネルを活用している。

DocuSignの製品には、顧客のニーズに合わせて様々な機能を備えたエディションや、特定の地域や業界に特化した製品や機能が含まれており、サブスクリプションプランを提供している。また、顧客の採用、成功、拡大にも力を入れており、継続的な価値を提供し、利用拡大の機会を創出している。

さらに、DocuSignのマーケティングや営業活動は、見込み客の多くがすでに署名サービスプロバイダーとして顧客を知っているという事実からも利益を得ている。例えば、彼らは仕事のオファーを受けたり、「DocuSign eSignature」を通して住宅の購入を完了したりしている。このような経験が、人々の生活にDocuSignブランドを浸透させている。電子署名を利用したことがある人々の企業に販売する際には、購入者やインフルエンサーの間でDocuSignに対する認識や好意がすでに存在しているケースが数多く発生している。


2020年1月期 Annual Report FORM 10-K(提出日:2020年3月27日)