Salesforce.com Inc 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2225億2706万 ドル
銘柄コード CRM(NYSE)

セールスフォースドットコムは米国サンフランシスコに本社をおく企業向けクラウドコンピューティングのトップ企業。
カスタマーリレーションシップ・マネジメント(CRM、顧客関係管理)システムに特化している。
1999年に設立され、2000年2月に最初のCRMソリューションを開始。セールスクラウド、サービスクラウド、マーケティングクラウドなど、多様なクラウドサービスを展開。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

Salesforce.com Inc(セールスフォースドットコム)は米国カルフォルニア州サンフランシスコに本社を置くSaaS(Software as a Service)のパイオニア企業。1999年、Oracle出身のマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏によって創業された。2000年2月に最初のCRM(カスタマーリレーションシップ・マネジメント、顧客関係管理)ソリューションを提供開始。セールスクラウド、サービスクラウド、マーケティングクラウドなど、多様なクラウドサービスに領域を拡大し、世界各地に数多くの顧客を抱える。

創業者マーク・ベニオフ

Salesforce創業者のマーク・ベニオフは1964年生まれ。本人のツイートによれば、曽祖父がキエフ(ウクライナの首都)から難民としてアメリカにわたった移民4世だ。映画『トロイ』やドラマズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の脚本を手がけたデイビッド・ベニオフとは遠い親戚にあたる。

ベニオフの家系はベイエリアで地元のアパレルチェーンを経営しており、父親のラッセル・ベニオフ氏はその3代目。祖父ば弁護士で、ベイエリアの高速鉄道「BART」を設立したという名家である。

マーク・ベニオフ自身、15歳でソフトウェア会社を起業するなど早くから才能を発揮した。大学自体はスティーブ・ジョブズが率いるアップルでインターンも経験。ジョブズがクビになったあとにも同様に経験し、トップ不在になったあとの文化の変化に驚いた。

大学を卒業後、ベニオフはオラクルに入社。カスタマーサポート部門で働き始める。その後はセールス、マーケティング、製品開発などあらゆる職種のマネジメントを経験し、入社して3年後にはヴァイス・プレジデントに昇格する。

1996年ごろから起業のアイデアを温め始め、とりあえず初めはオラクルを辞めずに事業を興すことに決める。1999年には試作品を完成させ、フィードバックを受けては改善を繰り返す。

ベニオフはオラクル創業者のラリー・エリソンからの厚い信頼を得ていたため、午前中は自分の会社、午後にオラクルで働くという特別待遇を認められた。創業から3か月後には打ち込むために休職を勧められるほど。エリソンは厳しい経営者として知られるが、「うまくいかなかったら帰って来ればいいよ」とベニオフには優しかったようだ。

Salesforceの設立自体、エリソンは200万ドルを個人出資し、取締役も引き受けた。1999年、ベニオフはオラクルを退職、本格的なSaaSパイオニアとしての道を歩み始めた。

参考:15歳で起業!SaaSのパイオニア「Salesforce.com」と創業者マーク・ベニオフの半生

事業内容

Salesforce(セールスフォース)は、企業と顧客を結びつけるCRM(カスタマーリレーションシップ・マネジメント、顧客関係管理)ソリューションを中心に提供するSaaS企業。

あらゆる規模や業界の企業が、クラウド、モバイル、ソーシャル、ブロックチェーン、音声、人工知能(「AI」)などの既存のテクノロジーや新興のテクノロジーを通じて新しい方法で顧客とつながり、ビジネスを変革できるようにする。

近年注力しているセールスフォースの『Customer 360』は、販売、サービス、マーケティング、商取引、統合、分析などを統合して、企業に顧客に関する真実の単一の情報源を提供する統合プラットフォームだ。

セールスフォースの製品は一般に、他のプラットフォームやエンタープライズアプリケーションと統合することができるのも特徴となっている。

ビジネスモデルの中心となるのは「サブスクリプション(定期課金)」であり、企業は自社のソフトウェア資産を保有しない事業環境の整備を支援する。販売方法にはダイレクトセールスのほか、特に海外においてパートナーを通じて販売するケースもある。

プラットフォームや他の開発者ツールを通じて、サードパーティが追加機能や新しいアプリケーション、またはプラットフォームで実行されるアプリケーションを開発できるようにもしている。

2019年度に統合プラットフォーム企業であるMuleSoft、Inc.(「MuleSoft」)を買収し、2020年度に分析企業であるTableau Software Inc.(「Tableau」)を買収した。こうした取り組みも、顧客を360度から把握できるようにする『Customer 360』とも関係がある。

製品・サービス(売上構成)

Sales Cloud

『Sales Cloud』は、あらゆる規模や業界の企業の販売チームが、より速く、よりスマートに、そして希望どおりに販売できるようにするCRMサービスだ。顧客データの保存、リードと進捗の監視、機会の予測、分析と関係のインテリジェンスによる洞察の取得、見積もり、契約、請求書の配信などを行うことができる。

Service Cloud

『Service Cloud』を使用すると、企業はよりスマートで、より速く、よりパーソナライズされたカスタマーサービスとサポートを提供できる。

サービスエージェントを顧客といつでもどこでもデバイス上で、複数のチャネル(電話、メール、メッセージング、チャット、ライブビデオ、SMS、セルフサービスWebポータル、SNS、オンラインコミュニティ、および直接)に接続できる。企業が1つの集中型プラットフォームを通じてエージェント、ディスパッチャー、モバイルワーカーを接続できるフィールドサービスソリューションを提供。作業をインテリジェントにスケジュールおよび配分し、タスクをリアルタイムで追跡管理できる。

Marketing and Commerce Cloud

『Marketing Cloud』を使用すると、電子メール、モバイル、ソーシャル、Webなどによる1対1のカスタマーマーケティングジャーニーを計画、パーソナライズ、最適化できる。さらに企業はオーディエンスをセグメント化してターゲティングし、大規模で正確なデジタルマーケティングを強化できる。顧客データを『Sales Cloud』および『Service Cloud』にリード、連絡先、顧客サービスケースの形で統合して、企業に顧客の完全なビューを提供することも可能だ。

『Commerce Cloud』は、モバイル、Web、ソーシャル、ストアを含むすべてのコマースポイントでカスタマーエクスペリエンスを統合できるようにする。 パーソナライズされたショッピング体験と堅牢なパートナーエコシステムを提供する組み込みAIを備え、企業が顧客からのエンゲージメント、コンバージョン、収益、ロイヤルティの向上を促進するのに役立つ。

Salesforce Platform and Other

CRMを筆頭としたサービス群を統合するのが『Customer 360』プラットフォームだ。『Salesforce Customer 360』にはカスタマージャーニーのあらゆるタッチポイントに対応するアプリケーションとプラットフォームサービスが含まれている。

『Customer 360』プラットフォームは、IT、開発者、ビジネスユーザーに、コードなしでプロコード化されたサービスとしてのPlatform-as-a-Serviceツールを提供し、今日のカスタマーエクスペリエンスを強化するビジネスアプリを構築、保護、統合、管理する。

企業は『Customer 360』プラットフォームを使用して、あらゆるビジネスニーズに対応するアプリケーションを構築し、大規模なデジタルトランスフォーメーションを推進できる。

『Customer 360』プラットフォームには、無料のオンライン学習プラットフォームである『Trailhead』も含まれる。これにより、サービスの管理や『Salesforce Customer 360』プラットフォームでの開発など、Salesforceのオンデマンドスキルを誰でも学ぶことが可能だ。『myTrailhead』を使用すると、企業の『Trailhead』をパーソナライズして、会社での学習と有効化を強化できる。『Customer 360』プラットフォームには、開発者が完全にクラウドでアプリケーションを構築、実行、操作できるようにする『Heroku Engagement Platform』も含まれる。

『MuleSoft Anypoint Platform』では、柔軟性の高いカスタムコードではなく、アプリケーションネットワークを使用して、クラウド、オンプレミスのいずれのシステム、アプリケーション、データ、デバイスでも統合プラットフォームに接続できる。 企業全体でデータのロックを解除し、顧客は新たな収益機会を創出し、運用効率を高め、差別化されたカスタマーエクスペリエンスを作成できる。

『Tableau』と『Einstein Analytics』は、インテリジェントな分析機能を提供して、ビジネスデータをよりよく理解できるようにする。 セルフサービス分析テクノロジーを提供することにより、顧客の意思決定を改善し、あらゆるデバイスからアクションを実行できるようにする。

『Quip Collaboration Platform』は、ドキュメント、スプレッドシート、アプリ、チャットをライブCRMデータと組み合わせて、チームがほぼすべてのデバイスから作成、コラボレーション、作業を行うためのセントラル・ハブを提供する。

Salesforceのサービスは、金融サービス、ヘルスケアおよびライフサイエンス、製造、消費財、政府、慈善事業向けのソリューションなどの特定の業界の顧客を満たす。さらにコミュニティクラウドを使用すると、企業は顧客、パートナー、従業員向けの信頼できるブランド化されたデジタル送信先をすばやく作成および管理できる。 これにより企業は、関連情報、アプリ、専門家へのアクセスを許可し、人々のグループと直接関わり、コラボレーションすることが可能だ。


2020年1月期 Annual Report FORM 10-K(提出日:2020年3月5日)
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