【教育DX銘柄】学びの未来を創造!EdTech関連企業の実像

システム ディ

近年、教育分野ではDXが急速に進展しています。
特に、GIGAスクール構想の本格化を背景に、教育現場へのICT導入が加速し、オンライン学習サービスや学習管理システム、校務支援システムの需要が拡大している状況です。
教育DXは、単にデジタルツールを導入するだけでなく、AIやクラウド技術を活用して学習体験のパーソナライズ、教育の質の向上、運営の効率化を目指す動きへと進化しています。

このような市場の大きな変化に対応するため、EdTech企業は、革新的な技術やサービスを次々と投入し、競争優位性を確立しようとしています。

本記事では、このダイナミックな教育DX市場において独自の戦略を展開する国内企業を紹介し、それぞれの事業概要、競争優位性、核となる技術やサービス、そして今後の展望について掘り下げていきます。

オンライン学習サービス”スタディサプリ”「リクルートホールディングス」

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株式会社リクルートホールディングスは、HRテクノロジーやSaaS事業を展開し、テクノロジーで社会課題解決を目指しています。
同社のマッチング&ソリューション事業は、オンライン学習サービス「スタディサプリ」を提供しています。
このサービスは、大学受験勉強支援から語学・資格取得まで多様な学びの機会を創出し、良質な学習コンテンツをウェブベースで低価格で提供することを目指しています。

リクルートは、テクノロジーとデータを活用したマッチングの効率性向上と高速化に注力しています。
「スタディサプリ」は、良質な学習コンテンツをウェブベースで低価格で提供することを目指しており、教育コンテンツへのアクセス性を高めています。
このサービスは、教育コンテンツへのアクセスを民主化し、時間や場所の制約を軽減する点で、教育分野に大きな影響を与えています。

同社は、人材マッチング市場における採用プロセスの効率化を目指す「Simplify Hiring」という経営戦略を掲げています。
この戦略では、IndeedやGlassdoorといったオンライン求人プラットフォームと、国内の求人配信プラットフォームであるIndeed PLUSを連携させることで、求職者と企業のマッチング精度とスピードの向上を図っています。

リクルートホールディングスの今後の動向は、AIや機械学習技術を駆使したサービス強化、そしてグローバルな人材マッチング市場におけるリーダーシップの確立にかかっていると見られます。
しかし、経済状況の変化、競合他社の動向、法規制の変更、為替レートの変動など、多様な要因が将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

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“スマイルゼミ”でAIを駆使した学習体験「ジャストシステム」

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ジャストシステムは1979年に設立されたソフトウェア開発企業で、長年にわたり教育分野で革新的な製品を提供しています。
特に、タブレットで学ぶ通信教育講座「スマイルゼミ」は、幼児から高校生までの15学年向けに展開されています。
また、小中学校向け学習クラウド「スマイルネクスト」は、GIGAスクール構想におけるタブレットPC活用に適したサービスとして提供されており、教育市場におけるタブレット活用の動向に沿った展開が見られます。

同社の競争優位性は、長年のソフトウェア開発で培われた技術力と、教育現場のニーズを捉えたプロダクト開発力にあると言えるでしょう。
「スマイルゼミ」は、教材とデバイスを一体化したサービスにより自宅学習の質を向上させています。
一方で、法人向けには統合業務システムや情報共有システムなども提供しており、多角的な事業展開によって経営基盤を強化しています。

ジャストシステムの今後の事業展開は、GIGAスクール構想の進展をはじめとする教育市場の変化に適応し、新商品・サービスの企画・開発を継続的に推進することにかかっています。
これにより、教育市場での事業拡大を図っていくと推測されます。

しかし、教育市場の変化の速さ、競合他社の新規参入、そして技術開発にかかるコストの増加などは、事業運営上のリスクとなる可能性も考えられます。
そのため、今後の技術革新のスピードと市場ニーズへの迅速な適応が、同社の成長に影響を与える主要な要因となるでしょう。

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教育DXで未来の学びを創造「レアジョブ」

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株式会社レアジョブは、オンライン英会話事業を中心に「Chances for everyone, everywhere.」をビジョンとする企業です。
同社は「オンライン英会話事業者」から「世の中で活躍する人々を生み出すAIアセスメントカンパニー」への進化を目指し、大人から子どもまで幅広い学びの領域へ事業を拡大していることが伺えます。
AI等の技術を活用し、学習効果向上や英語スピーキング力の可視化など、高付加価値なサービスで差別化を図っている状況です。

同社は、AIスピーキングテスト「PROGOS®」を独自開発し、CEFRに準拠した英語スピーキング力測定を実現しています。
これにより、法人向けの人事評価や人材育成DXにおいて競争優位性を持つ可能性があり、成果の可視化ニーズに応えていると考えられます。
さらに、AIを活用した「AIレッスンレポート」や「AI英会話」といった教育プロダクトの開発も進められています。

子どもの英語教育における機会格差解消にも注力しており、ALT派遣サービスを強化しています。
フィリピンのグループ会社やパキスタン政府と連携し、ALTの安定供給体制を構築している状況です。
また、オンライン英会話サービス「ボーダーリンク英会話」を通じて、場所や地域に縛られない英語学習環境を提供しており、教育機会の均等化に寄与していると見られます。

教育DX市場におけるレアジョブの将来性には一定の評価があるものの、市場環境の変化や他社の競合激化は事業運営上のリスクになり得ると考えられます。特に、為替変動の影響を受けやすい事業構造であるため、原価高騰などの影響を抑制する施策の重要性が指摘されるでしょう。

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教育DXで学校・公共機関を支援「システムディ」

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株式会社システムディは1982年設立のソフトウェア企業です。
教育DXに特化し、学園ソリューション事業で「キャンパスプラン」シリーズ 、公教育ソリューション事業でクラウド型「School Engine」を展開しています 。
これらのパッケージソフトウェアを核に、教育DX市場における一定の地位を築いていると見られます。

同社は、学校基幹業務システムや公立小中高校向けクラウド型校務支援システムにおいて、業界内で高いシェアを有しています。
これらの製品は、学校運営の効率化に向けた情報化投資に活用されており、教育分野における同社の主要なソリューションの一つとなっています。
また、新規システム導入によるフロービジネスと、サポート・クラウドサービス提供による安定的なストックビジネスを組み合わせ、成長を図っている状況です。

システムディは、クラウドサービスの拡大に注力しており、次世代「Campus Plan Smart」や大規模自治体向けオンライン出願システムで導入実績を上げています。
さらに、AI受託開発や自社パッケージへのAI機能実装を進めており 、市場の需要に応えるソリューションプロバイダーとしての発展が期待されます。

一方で、同社は事業を展開する上で、市場競争の激化や技術革新の加速がリスク要因となる可能性を認識しています。
しかし、長年にわたる事業実績、各分野におけるシェア、そしてAI技術の取り込みは、今後の市場でのポジション維持とソリューションプロバイダーとしての発展に寄与する可能性があると考えられます。

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ICT教育を牽引するソリューションプロバイダー「チエル」

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チエル株式会社は1997年設立のICT教育ソリューション企業です。
その経営理念は「子供たちの未来のために世界中の先生の授業をICTで支えます」。
小中学校から大学まで、学習・授業支援システム、情報セキュリティ対策ソフトウェア、運用管理ソリューションを幅広く提供しており、教育DX市場における一定の地位を築いていると見られます。

同社は、GIGAスクール構想のニーズに対応した製品開発と提供を主要な戦略の一つとしています。
特に小中学校市場における多様な学びの需要に応じ、無線通信可視化・安定化ソリューション「Tbridge」には「エッジキャッシュ機能搭載モデル」が追加されました。
さらに、Chromebook対応の協働学習支援ツール「InterCLASS for Chrome」や、小中学校市場向けフィルタリングツール「InterCLASS Filtering Service」などの製品も展開しています。

チエルの教育DX市場における将来性は、GIGAスクール構想第2期の本格化や大学DX推進が市場の追い風となると考えられます。
同社は地域販売強化、パートナー連携拡大、海外市場再拡大を通じて、市場シェアの拡大を図っていく状況です。

一方で、事業運営にはリスクも伴います。
教育市場は政策変動の影響を受けやすく、GIGAスクール構想の進展や予算動向は業績に影響しかねません。
競争激化と技術革新の速さも課題ですが、教育現場の課題解決に貢献する同社のソリューションは、引き続き市場から評価される可能性があると考えられます。

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オンライン資格講座”STUDYing”を展開「KIYOラーニング」

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KIYOラーニング株式会社は、2010年設立のEdTech企業です。
同社は「学びを革新し、だれもが自由に生きる未来を創る」をミッションに掲げ 、オンライン資格講座「STUDYing」や社員教育クラウド「AirCourse」を展開しています。
個人のリスキリングから法人の人材育成まで、教育DX市場における多様なニーズに対応する事業を展開している状況がうかがえます。

同社は、AIとITを融合した「ラーニングテクノロジー」を事業の強みとしています。
特に、資格取得者向けの転職支援プラットフォーム「スタディングキャリア」 や、法人向け生成AIサービス「AirCourse AIナレッジ」は注目すべき点と言えるでしょう。
これらはAIで学習・スキルデータを連携させ、個人と企業の最適なマッチングとナレッジ共有を実現し、教育DXにおける新たな価値創造を試みています。

KIYOラーニングの今後の事業展開は、リスキリング需要と生成AI技術の進化といった要素に影響されると見られます。
同社はオンライン講座の拡充、サービス品質向上に加え、AI活用で学習体験を強化し、市場におけるプレゼンスを高める方針です。
特に、「公認会計士講座」への参入は、難関国家資格市場への展開として注目されるでしょう。

一方で、事業運営にはリスクも伴います。
教育市場の競争激化や新技術への対応は不可欠な要素です。
多額のテレビCM投資が期待通りの集客やブランド強化に繋がらない場合、業績に影響する可能性も考えられます。
しかし、AIとデータ活用による継続的なサービス強化は、中長期的な成長に寄与する要因となる可能性を秘めていると言えるでしょう。

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