セブン銀行 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2971億8600万 円
銘柄コード 8410(市場第一部(内国株))

株式会社セブン銀行は東京丸の内に本社をおく企業。2001年に予備免許を取得し、「株式会社アイワイバンク銀行」を設立。2005年「株式会社セブン銀行」に社名変更。コンビニエンスストア「セブン・イレブン」を中心とした24時間365日止まらないATMネットワークにより、提携金融機関とともに「新しい便利さ」を創造。ATMは全国に23,000台以上。590社以上の提携金融機関のカードが使用可能。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社セブン銀行(Seven Bank, Ltd.)は、セブン&アイ・ホールディングスを親会社に持つ、ATMサービス、インターネットバンキング、ローンサービスなどを提供する金融会社。

前身のアイワイバンク銀行は2001年4月に設立し、営業を開始した。同年6月に全銀システム接続、BANCS接続、振込サービスを開始。2005年10月に社名をセブン銀行へ変更した。2005年に確定拠出年金専用定期預金の取り扱いを、2006年に銀行代理業務、定期預金を、2007年にATMの運営・管理一括受託を開始する等、業容拡大を進めている。その後、2008年に東証JASDAQへ上場し、2011年に東証1部への上場を果たした。

事業内容

セブン銀行グループは、セブン銀行、連結子会社8社及び関連会社4社の計13社で構成されている。

事業セグメントは「国内事業セグメント」と「海外事業セグメント」の2セグメント。「国内事業セグメント」においては、基幹事業である「ATMプラットフォーム事業」に加え、「決済口座事業」を行なっている。「海外事業セグメント」においては、米国、インドネシアでATMサービスの展開を行なっている。

国内事業セグメント

「国内事業セグメント」は「ATMプラットフォーム事業」、「決済口座事業」で構成されている。

「ATMプラットフォーム事業」では、セブン&アイHLDGSのグループ各社であるセブン-イレブン、イトーヨーカドー等の店舗をはじめ、空港や駅、金融機関店舗等にATMを設置している。多くの国内金融機関等と提携し、原則24時間365日稼働する利便性の高いATMネットワークを介して、多くの顧客にATMサービスを提供する事業を展開している。

「決済口座事業」では、セブン銀行に口座を持つ顧客を対象に、普通預金や定期預金、ローンサービス、海外送金サービス、デビットサービス等の身近で便利な口座サービスを提供している。並びに、連結子会社であるバンク・ビジネスファクトリーが、セブン銀行からの事務受託に加え、「決済口座事業」で得た知見を活かし、他金融機関等からの事務受託事業を展開している。

海外事業セグメント

「海外事業セグメント」は、米国とアジアで展開をしている。

米国においては、連結子会社のFCTIがセブン-イレブン店舗へのATM設置をはじめとするATMサービスを展開している。

アジアにおいては、インドネシアにおける連結子会社のABADI TAMBAH MULTA INTERNATIONALが現地でのATMサービスを展開している。並びに、フィリピンにおける連結子会社のPito AxM Platformが事業開始の準備をしている。

経営方針

セブン銀行は、セブン-イレブンをはじめとするグループの2万店以上の店舗インフラを活用し、原則24時間365日利用できるATMを構築している。その上で、顧客の暮らしに密着した「おサイフ」代わりの銀行サービスを「安全、確実、迅速」に提供することに努めている。並びに、利便性の高いATMネットワークを他の金融機関等に活用してもらうことで顧客サービスの向上や事業効率化に繋げてもらう等、共存共栄の理念に基づいたサービスの実現を図る。

グループの顧客が求める金融に関するサービスを積極的に提供することで、幅広い顧客に来店してもらえるように努力し、結果としてグループの収益力を向上させるという相乗効果を追求していくとしている。

経営指標

セブン銀行は、持続的に企業価値を向上させることを目指し、連結経常収益及び連結経常利益を重視している。

経営環境と経営戦略

セブン銀行グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、その変化のスピードも加速してきている。これまで以上に社会構造の変化、顧客ニーズの多様化を敏感に捉え、技術革新の成果をスピーディーに取り入れた柔軟な経営が必要な時代を迎えている。

国内においては、2019年10月の消費増税に伴い開始された「キャッシュレス・消費者還元事業」等を契機に決済のデジタル化・キャッシュレス化が本格化してきた。変化する暮らしの中で、身近な金融接点として顧客がATMに求める価値も大きく変化しているという。並びに、ライフスタイルや価値観の多様化、外国人労働者に関する新制度が実施される等、新たな消費・労働マーケットが生じ、「より近く便利」な金融サービスのニーズはますます拡大しつつある。

一方で、高度化・巧妙化する金融犯罪やセキュリティへの不安、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、地方都市における金融機関の窓口やATM削減といった金融接点の減少等の社会課題は多様化、深刻化している。このような昨今の環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症は世界的な拡大をみせ、国内外の社会情勢に甚大な影響を与えている。

こうした経営環境下、セブン銀行はテレワークやスライド勤務等を活用した感染防止策を徹底している。取引先や従業員など、関係者の安全の確保を図り、社会インフラを担う企業として止めることなく業務を継続し、顧客の毎日を支える役割を果たしている。

経営戦略には、様々な社会構造の変化を背景とした顧客のニーズの変化に対応したサービスの絶対価値を追求することで顧客満足度向上と社会価値の最大化を目指すことを掲げている。

対処すべき課題

セブン銀行グループは今後の基本方針として以下の2つを掲げている。第1は「社会インフラである安心・安全な決済インフラの提供をはじめとする既存事業の安定運用」、第2は「中長期的な成長を実現する「事業・サービスの多角化」とそれを具現化・加速する「構造改革」の着実な推進」。この基本方針のもと、足元の課題に着実に対応し、大きな環境変化から生み出される事業機会を的確に捉え、機動的に対応できる体制整備を推進していくとしている。

事業セグメント別には、以下の対処すべき課題を掲げている。

国内事業セグメント

「ATMプラットフォーム事業」では、従来の金融機関を中心とした提携先へのサービス提供に加え、交通系電子マネー、QRコード決済等へのチャージ等のサービスを提供し、顧客ニーズに応えてきたという。今後も提携先事業者と顧客を増やすための施策を展開していく方針を定めている。

「決済口座事業」では、デジタル化、キャッシュレス化、自動化等が進む中、オンラインで簡単かつスピーディーに口座が開設できる仕組みを整えてきたという。今後は外部との連携も視野に、ユニークな商品・サービスを提供するプラットフォームとして拡大させていくとしている。

海外セグメント

米国における連結子会社のFCTIでは、新型コロナウイルス感染症による規制強化等の影響下において、一部ATMの利用件数減少がみられるものの安定稼働を実現している。中長期視点でのさらなる収益性の拡大を目指し、米国セブン-イレブンとのシナジー効果を追求した新サービスの準備を進めていく方針を定めている。

インドネシアにおける連結子会社のABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは、現地のパートナー企業とのシナジーを発揮し、ATM事業を堅実に推進している。並びに、ATMマーケット拡大が期待できるフィリピンにおいては、連結子会社のPito AxM PlatformがATM事業開発に向けた準備を推進していくとしている。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月23日)