ふくおかフィナンシャルグループ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 3820億8500万 円
銘柄コード 8354(市場第一部(内国株))

九州全域にネットワークを有する地域金融グループ。「シングルプラットフォーム・マルチブランド」を標榜する。
福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行(長崎県)が主なグループ企業。証券や保険など多様な事業体を傘下にもつ。
東京や大阪など国内の主要都市、東アジアを中心とする海外主要都市にもネットワークを広げる。「地域経済の発展・活性化」を使命に据え、ブランドスローガン「あなたのいちばんに。」を掲げる。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(Fukuoka Financial Group, Inc.)は、九州を地盤とする総合金融会社。

2007年4月に福岡銀行と熊本ファミリー銀行の共同株式移転により、ふくおかフィナンシャルグループは設立し、同時に普通株式を東京・大阪・福岡証券取引所へ上場している。同年の2007年9月に親和銀行を連結子会社化し、10月に九州親和ホールデイングスが持つ親和銀行株式の買取を行い、親和銀行を完全連結子会社化した。その後も、2019年4月に十八銀行との株式交換を行い、十八銀行を完全連結子会社化し、業容拡大を進めている。

事業内容

ふくおかフィナンシャルグループは、ふくおかフィナンシャルグループおよび連結子会社27社で構成されている。事業セグメントは「銀行業」の単一セグメントであるが、「銀行業」以外にも事業再生支援等さまざまな金融サービスを提供している。

銀行業

「銀行業」は、福岡銀行、熊本銀行、親和銀行及び十八銀行において、本店のほか支店等により運営されており、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務を行なっている。

その他の事業

「銀行業」以外においては、ふくおかフィナンシャルグループ及び子会社が証券業務、保証業務、事業再生支援・債権管理回収業務、リース業務等を行なっている。

経営方針

ふくおかフィナンシャルグループは、広域展開型金融グループとして、営業基盤である九州を中心に親密な営業ネットワークを活かし、高度かつ多様な金融商品・サービスを展開している。

ふくおかフィナンシャルグループは、「高い感受性と失敗を恐れない行動力を持ち、未来志向で高品質を追求し、人々の最良な選択を後押しする、すべてのステークホルダーに対し、価値創造を提供する金融グループを目指します。」という経営理念を掲げている。この理念のもと、金融サービスの向上を通じて地域社会に対してより多くの貢献を果たすとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す。

経営指標

経営指標は、収益性指標として親会社株式に帰属する当期純利益、ROEを、健全性指標として自己資本比率を、効率性指標としてOHRを重視している。

経営戦略

ふくおかフィナンシャルグループは2016年度から10年先を見据えた「進化のステージ」に入り、その第1ステージとして「第5次中期計画〜”ザ・ベスト リージョナルバンク”を目指して〜」を完遂させた。2019年度からは第2ステージとして「第6次中期計画(2019年4月〜2022年3月)」をスタートさせている。

第6次中期計画では、基本方針として「地域経済発展への貢献」と「ふくおかフィナンシャルグループ企業価値の向上」との好循環サイクル」を掲げている。その基本方針のもと、以下の6つの基本戦略を据えて、各種戦略・施策を展開していくとしている。

業務プロセスの再構築

ふくおかフィナンシャルグループは、これまで取り組んできた働き方改革、業務改革の成果を具現化していくことを掲げている。

デジタル化・自動化・本部集中化などにより、営業店を中心とした業務プロセスをゼロベースで見直し、大幅な効率化を進めていくという。並びに、ヒト・時間・空間などのリソースを捻出し、営業店を今まで以上にコンサルティングの場へ変革していくとしている。

さらには、効率化により捻出されたリソースをコア事業や成長分野に投入し、営業力の向上やイノベーションの創出を図っていく方針だ。

事業モデルの高度化

顧客との対話を通じた真の課題・ニーズの把握を行い、法人・個人双方において、専門性を極めた高品質な金融サービスを提供するとしている。その上で、顧客からの真の評価を獲得する、顧客本位のソリューション営業スタイルを確立していく方針を定めている。

並びに、市場運用を貸出金に次ぐ第2の収益の柱とすべく多様化投資の拡充や分散投資によるリスク抑制型ポートフォリオを構築していくことで、収益の向上及び安定化を図っていくとしている。

DXの推進

デジタル技術進展に伴う顧客の行動や社会構造の変容に対応するために、アジャイル開発やデータ・API基盤利用を進める。並びに、業務プロセス・意思決定方法・顧客への提供価値等のビジネスを根本に変革するDXを推進していく方針だ。

グループ総合力の強化

ふくおかフィナンシャルグループの既存機能の強化に加え、子銀行業務の一部を集約することで、シンプルプラットフォームを強化するとともに、グループ会社の新機能の検討などを進めていくとしている。併せて、顧客や営業店の声を収集・分析し、諸施策へ迅速に反映させる仕組みづくりや、営業店・本部の意志疎通の活性化など、環境の変化や顧客ニーズに柔軟に対応できる組織への変革を図っていく方針だ。

この他、「人財力の最大化」、「十八銀行との経営統合」を経営戦略に掲げている。

経営環境と対処すべき課題

地域金融機関を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化の進行や低金利環境の長期化といった従前からの課題に加え、デジタル技術の急速な進展により、顧客の行動や社会環境の変化が進んでいる。並びに、顧客が地域金融機関に求めるにニーズも変化してきている。

こうした環境の変化に対応するためには、既存業務の強化、デジタル技術を活用した業務の効率化や生産性の向上、新たな事業領域へのチャレンジが必要だという。そこで、以下の対処すべき課題を掲げ、各種戦略、施策に取り組むとしている。

業務改善

業務改善の中核の1つと位置づける「タブレット導入」を2020年度から本格的に進めていくとしている。具体的には、預金や為替取引を行う「ロビータブレット」と新規口座開設や住所変更などの諸届を行う「ローカウンタータブレット」を全店舗に設置する。その上で、紙の伝票を電子化し、永年変わっていない銀行の店頭業務を大きく見直すことで、生産性の向上を加速させていくとしている。

新しい投信ビジネスの確立

貯蓄から投資への流れを創り出し、「お客様の資産形成」と「安定収益の確保」を実現するために、2019年度から投資信託の残高増強に向けたビジネスモデルへの転換を進めてきた。

2020年度は新たに導入した「投信のパレット」を軸に、長期資産形成を前提としたポートフォリオ提案や公平・中立な投資信託選びのサポートなど、真に顧客の資産形成に貢献するサービスを展開する方針だ。並びに、積立投資信託を活用した時間分散提案により、現役層や若年層に対して長期的な資産形成の必要性を訴求することで、顧客の視野拡大を図っていくとしている。

みんなの銀行

みんなの銀行は、2020年度中の開業に向けて、2つの柱を軸としたビジネスモデルの構築を進めている。

1つ目の柱は、個人顧客向けのサービス、いわゆる「BtoCビジネス」だ。この分野は、参画する競合他社も多いが、データを駆使して顧客をより深く理解し、生活に溶け込んだサービスを提供することで、全国のデジタルネイティブ世代を中心に事業基盤を構築するとしている。

2つ目の柱は、決済や与信供与などのニーズがある事業会社に対して金融機能を提供する「BaaS型ビジネス」だ。金融の枠を超えて多くの企業と提携し、エコシステムを構築することで、収益の拡大を図っている。

この他、「親和・十八銀行の合併」を対処すべき課題に掲げている。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月26日)