アメリカでは決算ラッシュを迎えています。
今回のエントリでは、先週(10/21〜26)発表された企業のうち9社の最新決算を一気にチェックしていきます。
最初は『この1社さえ知ればいい』とまで称される「Amazon」(ティッカーシンボル: AMZN)です。
2018年3Q(7月〜9月)の売上高は566億ドル、対前年の成長率は29%です。
オンライン直販、実店舗『Whole Foods Market』、『Amazon Marketplace』によるサードパーティ取引の手数料をあわせた「Store」売上は437億ドル。
「AWS」売上が67億ドルで売上全体の11.8%まで増加しました。
「Prime会員(= Subscription services)」は37億ドルとなっています。
「AWS」の増収率が45.7%、「Prime会員」が51.5%、さらには「Other」が122.2%でAmazonの成長をけん引しています。
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「2017年最高のCEO」と言われたジャック・ドーシーが率いる「Twitter」(ティッカーシンボル: TWTR)です。
2018年3Q(7月〜9月)の売上高は7.6億ドル、営業利益も9,186万ドルまで増加しています。
対前年の売上成長率が上昇しており、今四半期は28.6%まで加速しています。
一方、月間アクティブユーザー数(MAU)は世界全体で3億2,600万人と、前年から400万人減少しました。
1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)は増加が続いており、今四半期の対前年成長率は9%となっています。
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最近はCEOの戦略メモ流出でも話題となった「Snap」(ティッカーシンボル: SNAP)です。
2018年3Q(7月〜9月)の売上高3.0億ドルに対し、営業損失は3.2億ドルと売上高を上回っています。
増収率は43.2%という引き続きかなり高い数字ですが、徐々に成長スピードが鈍化していることも確かです。
1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)は前四半期に続いて減少しており、今四半期は1億8,500万人となっています。
サウジアラビアをはじめとする「その他」地域の構成比は25.4%まで高まっています。
アクティブユーザーあたりの平均売上高(ARPU)は北米が2.62ドル、欧州が0.85ドルと上昇傾向にあります。
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Web上でのプログラミング学習サービスを展開する「Pluralsight」(ティッカーシンボル: PS)です。
売上高は右肩上がりに上昇しており、2018年3Q(7月〜9月)の売上高は6,155万ドルとなっています。
対前年の増収率が40%を超え、2018年5月の上場から成長スピードがグイグイと加速しています。
2018年9月末時点の顧客企業数は1万6,185社と、前年から16.6%増加しました。
ゴールドマン・サックスやグーグル、ディズニーからエクソンモービルまで、各業界のトップ企業がPluralsightの顧客となっています。
既存顧客へのアップセルが好調に推移し、売上ベースのリテンションレート(顧客単価の上昇を加味した既存顧客の定着率)が127%まで上昇しています。
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「TAL Education Group」(ティッカーシンボル: TAL)は中国でオンライン教育サービスを展開しています。
2019年2月期2Q(6月〜8月)売上は7.0億ドルまで増加。
営業利益は0.8億ドルで11.5%増益です。
生徒登録者数は夏休み(2Q)と冬休み(4Q)に増加する季節性があり、今四半期は494万人に爆増。
2017年から2018年にかけて新たに16都市へ拠点を拡大したことが生徒数増加の要因です。
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アメリカを代表するOTA(Online Travel Agent)の「Expedia」(ティッカーシンボル: EXPE)です。
旅行シーズンである2018年3Q(7月〜9月)の売上高は32.7億ドルと、前年から10%増収しています。
サービス別売上高(『Trivago』除く)では、『Expedia』『Hotels.com』などメインのOTA(Core OTA)事業が25.3億ドルと売上全体の80%以上を占めています。
2015年12月に買収した民泊サービス『HomeAway』は4.1億ドル、出張などB to Bサービス『Egencia』は1.4億ドルです。
『HomeAway』の成長が加速しており、今四半期は対前年の増収率が34.4%まで高まっています。
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ドイツ発のホテル検索サイト「Trivago」(ティッカーシンボル: TRVG)です。
2018年3Q(7月〜9月)の売上高は2.5億ユーロ(2.9億ドル)で、営業利益は1,785万ユーロ(2,029万ドル)と黒字化しています。
直近3四半期は売上が停滞しており、今四半期は前年から11.9%の減収となりました。
Trivagoの収益は『Booking.com』や『Expedia』への仲介料収入が98%を占めています。
地域ごとの内訳を見てみると、アメリカが8,080万ユーロ(9,185万ドル)と前年から27%の減収。
アメリカでの苦戦が大きなボトルネックとなっています。
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M&A攻勢が続くフードデリバリー企業「Grubhub」(ティッカーシンボル: GRUB)です。
2018年3Q(7月〜9月)の売上高は2.5億ドル、営業利益は2,184万ドルです。
Grubhubを通じた食事取扱高(Gross Food Sales)は12.1億ドルと横ばいで推移。
食事取扱高に対するGrubhubの取り分比率であるテイクレートは20%を超えました。
Grubhubを通じて実際に食事を注文をしたユーザー数(Active Diners)は1,638万人。
前四半期から80万人ほど増加しています。
なお、2017年Q4にダイナー数が急増したのは2017年10月に買収した『Eat24』のユーザー数が加わったためです。
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最後はEC支援サービス「Shopify」(ティッカーシンボル: SHOP)です。
2018年3Q(7月〜9月)の売上高は2.7億ドルと、大幅に売上を拡大しています。
営業損失は3,137万ドルで、売上高に対する損失額の比率は12%ほど。
前年同期比の売上成長率は57.5%と、引き続き高い成長率を維持しています。
自前の決済サービス利用による手数料収入が1.5億ドルで売上全体の半数以上を占めており、Shopifyの売上をけん引しています。
Shopifyのプラットフォームを通じた取扱高(GMV)は100億ドルを突破。
そのうち自前決済サービスによる決済高(GPV)は41億ドルで、取扱高全体に対する比率が着々と上昇しています。
GPVに対する手数料収入の比率(テイクレート)は1.50%に高まっています。
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