かつて売上の約6割を写真フィルムを中心とする写真関連事業(イメージングソリューション)に依存していた富士フイルムは、2000年代以降の急速なデジタル化による市場縮小という未曾有の危機に直面しました。しかし現在、同社はヘルスケア、エレクトロニクス、ビジネスイノベーション、イメージングの4つのセグメントを柱とするグローバル企業へと変貌を遂げています。 この業態転換を強力に推進したのが、自社の技術アセットと外部リソースを戦略的に融合させるM&Aでした。本記事では、富士フイルムが実施してきた主要なM&Aの事実を時系列で整理し、同社がいかにして事業ポートフォリオの刷新を実行してきたかを詳らかにします。 2000年代:写真事業からの脱却と多角化への「種まき」 2000年代初頭、デジタル化による写真フィルム市場の急縮小を受け、富士フイルムは事業構造の抜本的な転換を決断しました。既存技術を応用できる新分野への進出と収益基盤の確保を目指し、多角化への戦略投資を加速させました。
デジタル化の加速と、カーボンニュートラルへの移行。世界が大きな変革期を迎える中、その根幹を支える「高機能素材」の重要性が増しています。 日本の素材メーカーは、この時代の要請を大きな事業機会と捉え、長年培ってきた技術力を武器に、新たな挑戦を始めています。 本記事では、こうしたマテリアルサイエンスを牽引する主要企業の戦略と、それを支える技術力を分析します。各社が「素材の力」でいかに社会課題を解決し、持続的な成長を目指しているのか。その最前線の取り組みから、日本のものづくりの未来を展望します。 複数分野の世界トップクラスシェアをもつ「三菱ケミカルグループ」
超高齢社会の進展と、それに伴う医療人材の不足。 日本のヘルスケアシステムが大きな岐路に立つ中、データとテクノロジーを活用して医療の質の向上と効率化を図る「医療DX」が、国策としても推進される喫緊の課題となっています。 この変革期を捉え、企業のアプローチは多様化しています。医療従事者を繋ぐプラットフォームを築く企業、医療ビッグデータの解析で価値を創出する企業、特定の業務システムで高いシェアを握る企業、異分野の技術を応用する企業など、各社が独自の強みを発揮しています。 本記事では、こうした医療DXを牽引する主要プレイヤーに焦点を当て、各社の戦略とビジネスモデルを紹介していきます。
今回のテーマは、使い捨てカメラ『写ルンです』でおなじみ「富士フイルム」の歴史だ。市場全体がデジタルカメラへと移行していく中、いかにして危機を乗り越えたかを解説する。 社名に「フイルム」の文字がある通り、富士フイルムの歴史は日本における「フイルム」の歴史そのものとすら言える。『写ルンです』に加え、「チェキ」として知られる『instax』、カメラのネガフィルムなどを製造・販売してきた。 カラーフィルムの需要は10年で1/10に かつて富士フイルムにとって、事業の中心は「フィルム」にあった。2003年度の決算説明資料によると、当時イメージングソリューションによる売上は8000億円強。グループ全体(2.5兆円)の三分の一ほどを占めた。
さてフィルム市場の縮小という危機を乗り越えた「富士フイルム」ですが、現在の業績はどのようになっているのでしょうか。 今回は近年の業績と、フィルムに代わって業績を支える事業について詳しく見ていきます。