マネックスグループ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1996億8800万 円
銘柄コード 8698(市場第一部(内国株))

マネックスグループ株式会社は東京都港区赤坂に本社をおくインターネット証券サービスなどを提供する企業。「未来の金融を創ろう」という強い思いから松本大氏により1999年4月5日に設立され、2000年8月4日に東証マザーズに上場。オンライン証券をはじめ、アセット・マネジメント、投資教育、M&A、FXなどさまざまな金融ニーズに応える体制を構築し、グローバルなオンライン総合金融グループを目指す。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

マネックスグループ株式会社(Monex Group, Inc.)は、東京都赤坂に本社を置く金融持株会社。

前身のマネックス・ビーンズ・ホールディングスは、マネックス証券及び日興ビーンズの共同持株会社として、2004年に設立し、同時に東証マザーズへ上場した。2005年にマネックス証券と日興ビーンズは合併し、商号をマネックス・ビーンズ証券に変更する。同年2005年に東証1部への市場変更を果たした。その後、2005年にマネックス・ビジネス・インキュベーションを、2006年にトレード・サイエンスを、2007年に米国に現地法人MBH Americaを設立する等、多数の子会社・関連会社を設立。2008年に商号をマネックスグループに変更した。

事業内容

マネックスグループは、マネックスグループを持株会社として、連結子会社26社及び持分法適用会社等4社で構成されている。金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、日本、米国及びアジア・パシフィックに主要な拠点を有し展開している。事業セグメントは「日本」、「米国」、「アジア・パシフィック」、「クリプトアセット事業」、「投資事業」の5セグメントだ。

日本

日本では、主にマネックス証券が日本における金融商品取引業を行っている。

米国

米国では、主にTradeStation Securitiesが米国における金融商品取引業を展開している。

アジア・パシフィック

アジア・パシフィックでは、主にMonex Boom Securities(H.K.) Limited及びMonex Securities Australia Ptyが香港、豪州における金融商品取引業を行なっている。

クリプトアセット事業

クリプトアセット事業では、主にコインチェックが暗号資産交換業を行っている。

投資事業

投資事業では、主にマネックスベンチャーズ、MV1号投資事業有限責任組合が有価証券等の投資事業を展開している。

企業理念と行動指針

マネックスグループは、オンライン金融事業を営むマネックス証券及びTradeStation Securitiesを中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社だ。

「MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来の金融を表しています。常に変化し続ける未来に向けて、マネックスグループは、最先端のIT技術、世界標準の金融知識を備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインし、さらには新しい時代の金融を再定義し、全ての個人の投資・経済活動をサポートすることを目指します。」という企業理念を掲げている。

行動指針は「お客様と社員の多様性を尊重します」、「最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません」「新しい価値を想像しステークホルダーに貢献します」の3つだ。

経営指標と経営戦略

マネックスグループは、オンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバル展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けている。そのため、2020年度における業績予想を行うことが困難な状況だという。業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示していない。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当だと考え、10%を達成すべき水準と考えているとしている。

マネックスグループは、ROE10%を達成するためには、ビジネスモデルの転換が不可欠だとしている。1999年に、対面販売が当たり前だった時代に創業したマネックスグループは、個人投資家にインターネットで安価かつ便利に証券取引ができることを付加価値として提供してきた。しかし、個人投資家がインターネットで証券取引を行うのが当たり前となった現在では、証券取引のブローキング業務はコモディティ化し、安価かつ便利な証券取引以上の価値を顧客に提供することが求められているという。

こうした状況の下、マネックスグループは資本市場の本来の主権者である個人投資家の声をより反映させることを目的とし、事業セグメントの特徴に合わせた、ビジネスモデルの転換を進めていく方針だ。

対処すべき課題

マネックスグループの中核事業であるオンライン証券業は、株式委託手数料のゼロ化といった外部環境の大きな変化に直面しており、ビジネスモデルを変革することで対処するとしている。

主要セグメントである日本セグメントではブローカーモデルからアセマネモデルへの移行、米国セグメントについては収益源の多様化を進めていくとしている。他のセグメントでは市況の影響を受ける中でも、安定的に利益を出していく構造へと転換を進めていく方針だ。

各事業セグメントにおける課題は以下のとおりだ。

日本セグメント

マネックス証券の主な顧客層は40歳から50歳代を中心とした中長期の資産形成層だ。アクティブトレーダー層の割合は同業他社に比べると低いことや、営業収益に占める委託手数料の割合は約4割と同業他社比で高く、手数料依存の収益構造を変革していくことが喫緊の重要課題だとしている。そこで、今後は手数料や運用報酬を控除した、顧客一人当たりはもとより顧客全体の運用資産額の増加にコミットし、アセマネモデルへの事業構造の転換を進めていく方針だ。

米国セグメント

米国のTrade Stationは、2019年9月以降に米国のオンライン証券各社が株式やオプション取引の委託手数料を無料とする施策を発表する中でTradeStationも同様の対抗策を導入した。これによる減収および米国金利の低下による資金運用収支の減少による影響を受けている。そのため、中長期的には減収分を上回る新たな収益モデルを構築することが課題だとしている。そこで、トレーディングコミュニティサービス『YouCanTrade』の定期購買顧客の獲得、クリプトアセットビジネスの開始、外部プラットフォームを利用する顧客からの取引導入など、収益の多角化を進めていく方針だ。

クリプトアセット事業セグメント

暗号資産交換業を営むコインチェックは、ミレニアル世代を中心とした資産運用未経験層が主な顧客層であり、BTCを含む12種類の暗号資産を取引できる販売所の売買価格スプレッドが主な収益源となっている。取引ボリュームは暗号資産市場のボラティリティなどにより増減し、収益額もその影響を大きく受けるため、収益の安定化が課題だとしている。

そこで、さらなる収益の安定性確保のため、ストック収益を計上できるサービスとして、Liskのステーキングサービスや国内暗号資産交換業者で唯一の積み立てサービス等の開発を進めている。個人投資家の暗号資産の選択肢を広げるために安心して取引できる新たな暗号資産の取扱いの追加にも引き続き取り組んでいる。

アジア・パシフィックセグメント

「アジア・パシフィックセグメント」では、中核のマネックスBoom証券を収支が安定する規模の業容に成長させること、マネックスオーストラリア証券と合わせ早期に黒字化を達成することが課題だとしている。そこで、マネックスBoom証券とマネックスオーストラリアが協力し、マーケティング手法の長所を相互に活用していく。並びに、共通コストを削減する努力などを通じて、安定的に利益が上がるようにシナジーを追求していく方針だ。

投資事業セグメント

「投資事業セグメント」では、シード、アーリーステージにおける有望な投資先への投資活動は順調であるものの、少数精鋭体制のため、今後、投資先が増える中での投資先管理の強化が課題だという。そこで、マネックスベンチャーズにおいて人員確保するとともに、効率的な運営を進めることで、出資者に対する収益分配を高められるよう基盤を強化していくとしている。


参照 有価証券報告書(提出日:2020年6月22日)