三菱商事 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 5兆2015億1700万 円
銘柄コード 8058(市場第一部(内国株))

三菱商事株式会社は東京丸の内に本社をおく総合商社。1947年にGHQの指令による旧三菱商事の解散の後、1954年に設立。1968年、初の大型投資となるブルネイでのLNG開発事業への投資を決定。1986年には売上高より収益重視の方針を徹底し、経営計画「K-PLAN」を策定。1989年にはロンドン証券取引所に上場。「三綱領」として岩崎小彌太が発意した「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」を社是に掲げる。


事業内容とビジネスモデル

企業概要

三菱商事グループは、国内外のネットワークを通じて、生活、モビリティ・インフラ、エネルギー・電力といった各種産業分野において、川上の天然資源開発から川中での多種多様な商品の売買や製造、川下でのコンシューマー向け商品・サービスの提供を行っている。

そのほか、金融・物流事業といったサービス分野を含めて全産業を俯瞰する総合力を活かした新しいビジネスモデルや新技術の事業化、新たなサービスの開発・提供等、広範な分野で多角的に事業を展開している。

三菱商事はこれらの事業を、取扱商品又はサービスの内容に応じて複数の営業グループに区分しており、それぞれの事業は、三菱商事の各事業部門及びその直轄の関係会社(連結子会社1,257社、持分法適用会社446社)により推進している。

三菱商事グループの事業セグメントは以下の通りとなっている。

  • 天然ガス:天然ガス、石油、LNG他
  • 総合素材:炭素、鉄鋼製品、機能素材他
  • 石油・化学:石油製品、石油化学製品、基礎化学製品他
  • 金属資源:原料炭、鋼、鉄鉱石、アルミ他
  • 産業インフラ:プラント、エンジニアリング、産業機械、船舶、宇宙他
  • 自動車・モビリティ:自動車、モビリィ関連他
  • 食品産業:食糧、生鮮品、加工食品、食品素材他
  • コンシューマー産業:衣料、ヘルスケア、流通・小売、物流他
  • 電力ソリューション:電力、環境関連事業他
  • 複合都市開発:企業投資、リース、不動産・都市開発、水、交通他
  • その他:財務、経理、人事、総務関連、IT、保険他
  • 現地法人

経営方針・経営指標

三菱商事は2019年度から始まる3ヵ年の新しい経営の指針として、中期経営戦略2021(~事業経営モデルによる成長の実現~)を策定した。

米国と中国の覇権を巡る対立等による地政学的力学の変化に加え、デジタル技術の進化やプラットフォーマーの台頭による“第4次産業革命”ともいえるビジネスモデル変革の潮流を踏まえて、持続的な事業成長を目指すための経営方針となる。

事業ポートフォリオ、成長メカニズム、人事制度改革、定量目標・資本政策の4項目から構成される新たな中期経営計画により、事業経営モデルによる三価値同時実現(事業を通じた「経済価値」・「社会価値」・「環境価値」の同時実現)を前提とした成長を実現する。

対処すべき課題

三菱商事が対処すべき課題は、事業ポートフォリオ、成長メカニズム、人事制度改革、定量目標・資本政策の4つとして取り組みを進めている。

1つ目の事業ポートフォリオでは、全産業を俯瞰し、外部環境の変化も踏まえ、次に攻めるべき分野や入替えを進める分野を全社で検討するため、事業ポートフォリオの枠組みを導入する。

事業ポートフォリオの最適化に向けては、三菱商事独自の多次元の軸で考察し、定量面からは勿論のこと、地域の観点、業界におけるプレゼンスの観点、事業経営レベルの観点から、常にあるべき形を検討していく仕組みを整える。

2つ目の成長メカニズムでは、「成長の芽」を発掘し、これを「成長の柱」へ育て、事業価値を向上し「収益の柱」へと成長させていき、三菱商事による事業価値向上に限界が生じる場合は、入替えも含め抜本的に見直す。

三菱商事に内在するこの一連のサイクルを、事業ポートフォリオの観点も加えながら、従来以上に徹底して運用していく。

そのためにも、経営企画部に「事業構想室」を、各営業グループに「グループ事業構想担当」を設置し「成長の芽の発掘」「成長の柱の構築」を積極的に進める体制を執る。

また、新たにチーフ・デジタル・オフィサーを任命し、その管下に「デジタル戦略部」を組成、各営業グループにも「グループデジタル戦略担当」を設置することで、急激に進む産業のデジタル化の動きに対応していく。

3つ目の人事制度改革では、「多様な経験を通じた早期育成」「実力主義と適材適所の徹底」「経営人材の全社的活用」を軸とした人事制度改革を実施する。

具体的には、柔軟な人材の配置・活用、成果主義の徹底、株式報酬の導入、複眼的な評価の仕組みの強化を通して、分野を超えて活躍できる経営力の高い人材を継続的に輩出し、社員の成長と会社の発展が一体となることを目指す。

4つ目の定量目標・資本政策では、事業系の持続的な成長と市況系の競争力強化により、2021年度に連結純利益9,000億円を目指すと共に、二桁ROEの更なる向上を目指す。

投資・売却計画は、リスクアセットベースで事業系7割以上を維持し、事業系・市況系の最適バランスを堅持する様に投資配分を決定していく。

配当は、持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を継続し、配当性向を現在の30%から将来的に35%程度に引き上げていくことを目指す。