三菱商事の事業部門と各セグメントの業績

三菱商事

総合商社ほどわかりにくいものはなかなかない。しかし、事業セグメントがどう構成されているかと、各事業セグメントがどのくらい稼いでいるかを把握するだけでも、その企業について知った気になれることに最近気がついた。

2016年3月期の報告書によれば、三菱商事の事業セグメントは以下の7つから構成される。

地球環境・インフラ事業

新エネルギー、電力、水、交通やインフラ分野

新産業金融事業

アセットマネジメント、インフラ向け投資、企業のバイアウト投資、リース、不動産開発、物流などの分野において、商社型産業金融ビジネスを展開

エネルギー事業

石油・ガスの探鉱・開発・生産事業や、天然ガス液化プロジェクトへの投資、原油・石油製品・炭素製品・LNG・LPGなどの販売取引、新規エネルギー事業の企画開発など

金属

薄板・厚板などの鉄鋼製品、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属原料・製品の分野において、販売取引、事業開発、投資など

機械

工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などの分野で販売、金融、物流、投資などを行う

化学品

原油、天然ガス、鉱物、植物、海洋資源などより生産されるエチレン、メタノール、塩といった基礎原料から、プラスチック、電子材料、食品素材、肥料や医農薬などの化学品の分野において、販売取引、事業開発、投資など

生活産業

食料、繊維、生活物資、ヘルスケア、流通・小売など、生活に身近な分野で、原料・素材の調達から、消費市場などの領域で、商品・サービスの提供、事業開発、投資などを行う


続いて、各事業セグメントの収益を見てみる。

生活産業、エネルギー、化学品の3つの分野が稼ぎ頭だ。

次に、売上総利益も見てみよう。

これは興味深い。粗利(売上総利益)でみると、生活産業セグメントだけで全体の半分近くを稼いでいる。

なんとなく海外へのエネルギー投資とかで稼いでるイメージだったけど、実際はそうでもないらしい。

次に、地域別の収益。

これは割と予想通りな気もするが、意外と国内からの収益の割合が大きい。商社マンといえばガンガン海外を飛び回って取引してるイメージだった。勝手なイメージ(笑)


最後に、「短期運用資産及びその他の投資」という箇所を見つけたのでメモしておく。普通に株式投資してるんだな。

「AYALA」ってフィリピンの大手財閥のところかな。保有目的として「取引・協業関係の構築・維持・強化」と書かれている他には特に説明がなかった。というか、保有目的はほぼ全部それっぽい。「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」として548銘柄、8330億円相当を保有。