日本電気 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆4379億1900万 円
銘柄コード 6701(市場第一部(内国株))

日本電気株式会社(NEC)は東京都港区に本社をおく電子機器メーカー。エジソンとともに働いた数少ない日本人の一人である岩垂邦彦により1899年にウェスタン・エレクトリック社との合弁会社「日本電気株式会社」を創業。現在は国内外の政府や官公庁、金融機関などを対象とするパブリック事業や民需向けにITソリューションを提供するエンタープライズ事業、テレコムキャリア事業、システムプラットフォーム事業などを展開。


事業内容とビジネスモデル

沿革

NECは、1899年7月米国ウェスタン・エレクトリック・カンパニーが発起人の一員となり設立した。1925年9月にはインターナショナル・テレホン・アンド・テレグラフ社に買収され、1932年6月住友本社に経営委託された。

1943年2月に社名を「住友通信工業株式会社」と変更したが、1945年11月再び「日本電気株式会社」に社名変更した。1949年5月には東京証券取引所に上場を果たした。

1961年4月には事業部制を採用し、通信機、電波機器、電子機器、電子部品、商品および海外の6事業部編成となった。1963年1月には、通信機器等の販売を行う米国ニッポン・エレクトリック・ニューヨーク社(現NECコーポレーション・オブ・アメリカ社)が設立された。

1993年7月、22事業本部からなる事業本部制を採用。2004年4月にはNECソリューションズ、NECネットワークス、NECエレクトロンデバイスからなる社内カンパニー制と執行役員制を導入。2003年 には社内カンパニー制から9事業ライン制に移行し、翌2004年には11のビジネスユニット制となった。

NECでは2005年から子会社化が進み、同年6月にはNECソフト(株)およびNECシステムテクノロジー(株)を完全に子会社化した。その後両社は合併し、現NECソリューションイノベータ(株)となった。翌年2006年5月にはNECインフロンティア(株)(現NECプラットフォームズ(株))、2014年7月にはNECフィールディング(株)を完全子会社化し、2017年1月には日本航空電子工業(株)を連結子会社化している。

事業内容

NECグループの主な事業は、「社会公共事業」、「社会基盤事業」、「エンタープライズ事業」、「ネットワークサービス事業」、「システムプラットフォーム事業」および「グローバル事業」の6つである。

「社会公共事業」は、主に日本国内の地方自治体や医療機関、中規模企業にシステム・インテグレーションや開発サービスを提供する。NECネクサソリューションズ(株)などが携わる。

「社会基盤事業」は、航空宇宙、防衛およびメディア産業に関わる日本国内の政府機関や企業に対し、主にシステム・インテグレーション、開発サービス、衛星、衛星管理サービス、センサー、航空交通管理システム、そして放送システムを提供する。日本航空電子工業(株)などが携わる。

「エンタープライズ事業」は、主に日本国内の製造業、流通・サービス業および金融業向けに、システム・インテグレーション、開発サービス、システム・メンテナンス、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービス、そして関連機器などを提供する。アビームコンサルティング(株)などが携わる。

「ネットワークサービス事業」は、主に日本国内の通信市場において、携帯電話基地局、固定・携帯電話ネットワークおよびその他のICTソリューションなどを提供する。NECネッツエスアイ(株)などが携わる。

「システムプラットフォーム事業」は、主に日本国内の政府機関や企業に対し、ハードウェア、ソフトウェア製品およびサポート(保守)などを提供する。NECプラットフォームズ(株)、NECフィールディング(株)などが携わる。

「グローバル事業」は、国外市場において、主にパブリックセーフティ向けソリューション「セーファーシティ」、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス、ネットワークインフラ、システムデバイスおよび蓄電ソリューションなどを提供する。NECディスプレイソリューションズ(株)、NECコーポレーション・オブ・アメリカ社(米国)、NECヨーロッパ社(英国)、NECアジア・パシフィック社(シンガポール)、日電(中国)有限公司(中国)ほか多数が携わる。

なお、上記子会社のうち、日本航空電子工業(株)とNECネッツエスアイ(株)は東証一部に株式を公開している。

経営方針

NECは経営理念「NEC Way」を掲げ、「安全・安心・公平・効率」という社会価値の創造と、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す。

「NEC Way」には企業理念と個人理念があり、企業理念には「Purpose(存在意義)」と「Principles(行動原則)」、NECグループ社員の個人理念には「Code of Values(行動基準)」と「Code of Conduct(行動規範)」が掲げられている。

最初の「Purpose(存在意義)」は、NECの企業ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」をもとに、NECが豊かな人間社会に貢献する姿を示す。次の「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動原則で、NECの3つの創業精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」、常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重、そしてあくなきイノベーションを追求する心構えを示す。

この企業理念では、NECグループは「Purpose(存在意義)」を全うするため、「Principles(行動原則)」に基づき、「中期経営計画」をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化を目指す。

また、NECグループで働く個人が、個人理念「Code of Values(行動基準)」に基づき自らの働き方や組織のあり方の改善に努めるとともに、高い倫理観と誠実さを持つ良き企業人として「Code of Conduct(行動規範)」を守っていくとしている。

以上の経営理念に基づき、NECグループは、経営指標として売上収益、営業利益率、当期利益、フリー・キャッシュ・フロー、自己資本利益率(ROE)を目標として掲げ、これらの指標の中でも営業利益率を最重要視している。

中長期的な経営戦略

NECグループは、前述の経営理念「NEC Way」の実践を通して、「2020中期経営計画」のもと、「収益構造の改革」・「成長の実現」・「実行力の改革」に取り組んでいくとしている。

まず「収益構造の改革」に関しては、成長軌道に回帰するための必要な投資を実現するため、業務プロセス改革による社員のパフォーマンス向上、経費の効率的な運用、SGA比率の低減を目指す。同時に、継続的な事業構造の改革など、収益向上につながる施策に取り組む。

次に「成長の実現」に関して、NECは、生体認証技術とAI(人工知能)技術等の強みを活かして実世界を見える化・分析・対処することで、デジタル技術が社会の隅々まで浸透した社会「Digital Inclusionな社会」を実現するとしている。そして安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す。

具体的には、「NEC Safer Cities」で安全・安心で便利な社会基盤の構築や豊かなサービスを実現し、「NEC Value Chain Innovation」で産業の枠を超えて人やモノ、プロセスをつなぎ合わせることで連携し、新しい価値を生み出すという2つの施策に取り組む。また、スマートシティ、モビリティ、Digital ID,パブリックセーフティネットワーク等を基軸として、官民連携や異業種連携による新事業の開発を進める。

最後に「実行力の改革」に関して、NECグループは、最新技術を活かした顧客価値創造への挑戦と社員の力を最大限に引き出す取り組みを掲げる。

前者は、NECのコア技術を維持・拡大し、産業の枠を越えて協力し合うことで技術価値を最大化するビジネスモデルを創り出すとしている。そして、各ビジネスユニットが持つインフラ系技術を共通化し、研究開発で得られた技術の事業化を加速させようとしている。一方、NECグループ社員の力を最大限に引き出す改革については、各社員からベストパフォーマンスを引き出すため、スマートワークやオフィス改革など、働き方の変革にも取り組んでいくとしている。