Spotify Technology S.A. 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 510億9846万4259 ドル
銘柄コード SPOT(NYSE)

Spotifyの概要

Spotifyはスウェーデンに拠点を置く音楽ストリーミングサービス企業。2006年にDaniel Ek氏が創業し、2008年にサービスを開始。2011年にアメリカへ進出し、2018年に「直接上場」でニューヨーク証券取引所へ上場を果たす。世界92ヶ国で6,000万曲以上を配信しており、月額課金と広告料を収益源とする。2019年以降、「Anchor」や「Gimlet」、「Parcast」といった企業を買収してポッドキャスト事業を拡大している。
Spotifyは自社を「音楽発見サービス」と称し、「世界数百万人のクリエイティブなアーティストに自分のアートで生活する機会を与え、何十億人ものファンにクリエイターたちの作品を楽しみ、インスピレーションを受ける機会を与えることで、人間の創造性の可能性を解き放っていく」ことをミッションとして掲げる。

Spotifyのサービス内容

SpotifyはWebを介した音楽ストリーミングサービスを展開している。ユーザーはスマートフォンやタブレット、PCのほか、ウェアラブルデバイスやスマートスピーカー、自動車の音声システム、ゲーム機などを通じて音楽やポッドキャストといった配信コンテンツを楽しむことができる。
Spotifyでは100万以上のアーティストが6,000万以上の楽曲やポッドキャストを配信しており、自分だけのプレイリストを作成したり、他のユーザーが作成したプレイリストを聞けることも大きな特徴。Spotifyでの再生回数急増をきっかけにブレイクするアーティストも登場してきており、音楽業界における存在感は日増しに高まっている。
アーティスト向けには楽曲配信管理ツール「Spotify for Artists」のほか、ポッドキャスト配信プラットフォーム「Spotify for Podcasters」「Anchor」「Soundtrap for Storytellers」などを提供することで収益化を支援している。

Spotifyのビジネスモデル

Spotifyのビジネスモデルは定額課金型「プレミアムサービス(Premium Service )」と無料の「広告サービス(Ad-Supported Service )」で構成される。Spotifyはユーザーの利用形態に応じて収益を得る。Spotifのビジネスモデルはいわゆる「フリーミアム」であり、広告付きの無料サービスがプレミアムサービス会員の獲得ファネルとしての役割を果たす。

プレミアムサービス(Premium Service )

Spotifyは定額で聴き放題の「プレミアムサービス(Premium Service )」を提供している。ユーザーはオンライン、もしくはオフラインでも配信されている全てのコンテンツを無制限で広告なしに視聴することができる(オフラインで利用する場合には要ダウンロード)。
料金プランは大きく「スタンダードプラン(月額980円)」のほか、「学生プラン(月額480円)」、「家族プラン(月額1,480円、最大6アカウント)」、「デュオプラン(1,280円、最大2アカウント)」の4種類。また、HuluやXboxといった外部パートナーとのバンドルサービスも展開している。価格やプランの種類は国や地域によって異なり、インドといった新興国ではより定額なライトプランなども提供することでユーザー獲得を図っている。

広告サービス(Ad-Supported Service )

Spotifyの音楽ストリーミングは無料で利用することもできる。無料版の場合、ディスプレイ広告や音声広告等の広告商品を販売し、インプレッション数に応じた広告出稿料を受け取ることで収益化している。配信曲数や楽曲再生の尺などに制限はないが、シャッフル再生が基本でスキップ数には上限がある。2020年7月から動画付きポッドキャストの配信も開始しており、動画広告による収益拡大も期待される。

コンテンツ配信にかかるライセンス契約について

Spotifyは自社の音楽ストリーミングサービスでコンテンツを配信するために、音楽レーベル等からライセンスを取得し、使用料を支払う。ライセンス料は売上原価として計上される。

音楽レーベルとの楽曲レコーディングライセンス契約

Spotifyは3大レコード会社(ユニバーサル・ミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック)、およびMerlin社(多数の独立系レコード会社を束ねるインディーズレーベルの世界団体)また、「アグリゲーター」として知られるBelieve Digital社やCDBaby、Distrokid、TuneCoreといった企業と楽曲使用にかかるライセンス契約を締結している、一般的に契約は自動更新されず、1年〜2年ごとに交渉を経て再度締結される。ライセンス契約には使用に応じたロイヤリティに加え、最低保証額の支払いも契約条件に含まれる。2019年12月31日時点で、Spotifyは約10億ユーロ(≒1,200億円)の支払いを予定している。

音楽出版元との作曲ライセンス契約

Spotifyは作曲物に関して、「機械的ライセンス(mechanical rights、楽曲の複製やカバー時に適用される)」と「公的利用ライセンス(public performance rights、公の場で楽曲を再生する際に適用される)」の2種類について楽曲作成者や音楽出版元からライセンスを取得している。米国では、著作権ロイヤリティ委員会(Copyright Royalty Board)が設定したレートに基づいてロイヤリティの支払額が決定される。米国以外の国・地域についても、それぞれの著作権法等に基づいてロイヤリティを支払う。

ポッドキャスターおよびポッドキャスト・ネットワークとのポッドキャストに関するライセンス契約

Spotifyはポッドキャストを配信するため、権利者とのライセンス交渉、もしくは、Spotifyが所有・運営するプラットフォーム(Anchor、Soundtrap for Storytellers、Spotify for Podcastersなど)を通じて権利を取得する。ポッドキャスターはSpotifyのプラットフォームでポッドキャストを配信する場合、手数料等の条件に従うことに同意することが必要となる。Spotifyは配信プラットフォームを提供するほか、「Gimlet」といったポッドキャスト・スタジオの買収、Joe Rogan氏やKim Kardashian氏をはじめとしたクリエイターとの独占配信契約を取得することでコンテンツを拡充している。