SkyDriveが大林組と連携 「空飛ぶクルマ」発着場を設計
「空飛ぶクルマ」の試験機=SkyDrive
「空飛ぶクルマ」や物流ドローンを開発するスタートアップのSkyDrive(スカイドライブ、愛知県豊田市)は16日、大林組と建設コンサルティングの長大と共同で、空飛ぶクルマ用の離着陸場を設計すると発表した。実用化を見据えてモデルとなる条件や仕様を検討した上で、政府に対する提言も実施する。
なぜ重要?
政府は空を活用する次世代の移動手段が、過疎地での医療など社会課題解決につながるとして、環境整備の議論を進めている。経済産業省・国土交通省による官民協議会では2022年度から、空飛ぶクルマの安全運航につながる離着陸場の設置条件も検討課題になった。
何をする?
3社は日本での標準化を視野に、離発着場のモデルを設計する。「スカイドライブの機体や必要な設備の情報、長大と大林組の設計の知見や技術を総動員し、モデル作成に向けて検討している」という。
スカイドライブは2019年、空飛ぶクルマの有人飛行に国内で初めて成功し、2025年に大阪で商用化する方針だ。長大はヘリポート付きの病院などの設計ノウハウを共有し、大林組も建設会社としての知見を提供する。
市場動向
駐車場「タイムズ」を運営するパーク24も5月、欧州で離発着場を運営する英Skyportsや兼松などと離着陸場を開発すると発表していた。
米国ではスタートアップの米Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)が米国当局から「空飛ぶタクシー」の商業認可を取得し、2024年開始を目指している。機体開発以外にも、サービス実現に向けて各国で環境整備の取り組みが加速している。