VTuberやキャラクターなど!利益率の高いエンタメ企業5選にみるIPビジネスの勝ち筋
本稿では、エンタメ業界の中から高い営業利益率を叩き出す企業5社を、その事業内容とともに紹介します。
5社の事業を紐解くと、そこには「知的財産(IP)」という共通のキーワードが浮かび上がります。ゲームやVTuber、キャラクターといった強力なIPを起点に、多様な形で収益を生み出しているのです。しかし、そのアプローチはデジタルコンテンツから遊技機まで様々であり、各社各様のビジネスモデルがそこにはあります。それぞれの企業が、いかにして独自の高収益構造を築いているのか。個別の事業内容を見ていきましょう。
次に紹介するのは、世界有数のゲームソフトウェアメーカー、カプコン(9697)です。1979年5月に創業し、電子応用のゲーム機器の開発および販売を目的として設立され、業務用ゲーム開発・販売から事業を開始しました。
現在の主力は、家庭用ゲームの企画・開発・販売を行う「デジタルコンテンツ事業」。「バイオハザード」や「モンスターハンター」といった有力IPを多数保有し、グローバル市場で確固たる地位を築いています。

2025年3月期には売上高1,696億円、営業利益657億円(営業利益率38.8%)に達し、12期連続での営業増益を達成しました。この高い収益性を支えているのが、利益率の高いデジタル販売へのシフトです。デジタルコンテンツ事業のデジタル販売売上比率は88%超に達するほか、2025年3月期の過去作品を販売するリピートタイトルの販売本数は、総販売本数の76.1%を占める安定した収益源となっています。
2026年3月期のデジタルコンテンツ事業は、引き続き新作投入とリピート作拡販により、グローバルにおいて収益の最大化を目指す計画です。同社は、売上高1,900億円(前期比12%増)、営業利益730億円(前期比11%増)を見込んでおり、中期経営目標である「毎期営業増益10%」の継続と、13期連続となる営業増益の達成を図ります。
まず1社目は、ゲームコンテンツ開発の老舗、日本ファルコム(3723)です。1981年に設立され、PCゲームの黎明期から数々の作品を世に送り出してきました。2003年には東証マザーズ市場(当時)へ上場しています。