おはようございます。 孫正義氏が例えによく使う「ガチョウと黄金の卵」は、イソップ物語のお話の一つです。
イソップ物語は古代ギリシャの説話集。あまりに昔ですから、アンデルセンやグリム童話とは異なり、自ら筆を取った「作家」ではありません。(グリム童話も編纂物ではありますが)
ヘロドトスの『歴史』に登場するアイソポスという奴隷が、イソップその人だそう。その機知によって人気になり、自由民の地位を得たとも。まさか数千年後、大富豪の決算説明に使われるとは思ってなかったでしょうね。
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2月8日、ソフトバンクグループが2020年4〜12月期決算を発表。孫正義氏が決算発表会の壇上に立った。
税引き前利益は3兆3,615億円(前年比133%増)と急増。孫氏は、この数字に「特に喜ぶことではない」と自説を展開した。
今回の孫氏は「ソフトバンクグループは製造業」だという例えを持ち出した。
関連するのは、以前もあった「金の卵を産むガチョウ」の話。金の卵(=投資リターン)を計画的に製造するのがソフトバンクグループ、というわけだ。
孫氏は、100億円以上のリターンを生み出した投資を「金の卵一個」として説明。ビジョンファンドを開始してから大きく増えて、2020年度には現時点で11件の「卵」が生まれたとアピールした。
この2〜3年でビジョンファンドが投資した企業は131社。そのうち新規上場に至ったのは15社だ。1号ファンドは現在上場する11社に約1.1兆円を投じ、時価3.0兆円になった。投資倍率は2.6倍だとアピールする。
手金で始めた2号ファンドも、0.1兆円を投じて2社が上場に至り、0.7兆円に。2社による投資倍率は4.7倍にのぼった。
まだリターンに寄与していない未上場案件は、一号ファンドで7.6兆円(時価7.8兆円)、二号ファンドで0.3兆円(時価同じ)という構成だ。
これまで「情報革命」に特化すると言ってきたが、ビジョンファンドは「AI革命」に集中すると改めて明言。より大きなビジョン、大きな資金、グループシナジーを駆使して白い卵を「金の卵」にターボチャージすると強調した。
「製造業」と表現した由縁は、こうした成長企業を再現性を持って生み出せるからだとする。「投資はリズム」であり、卵が踊って出てくるかのようにチャイコフスキーの音楽に乗せて説明した。
ソーシャルメディア「Snapchat」を運営するSnapの成長が著しい。
2020年10〜12月の売上高は9.2億ドル(前年比62%増)、営業損失は1億ドルまで縮小した。調整後EBITDAは1.66億ドルと前年の4倍に拡大した。
売上成長を牽引したのが、主要地域である北米の売上。ユーザー数以上にARPU(ユーザーあたりの売上)が伸長し、前年比63%増の7.19ドルになった。
成長は目覚ましいが、競合のFacebookは北米ARPUが53.6ドル。Snapに比べて約7.5倍と絶大な差がある。
逆に言うと、この差はSnapにとって伸び代とも言える。そして、それ以上に注目したいのが北米「以外」でのユーザー増だ。昨日の記事でご紹介したので、是非チェックしていただきたい。
アウトドア衣料品のワークマンが2月8日、2020年4〜12月期決算を発表した。
新型コロナウイルス禍がアパレル業界に大打撃を与える中、力強い増収増益を達成した。
利幅の厚いプライベートブランド(PB)商品の販売増が寄与した。2Q(10〜12月)でPB比率は67%と、前四半期から15ポイント高まった。
宮崎県への初出店により、全国47都道府県への出店を達成。総店舗数は12月末時点で902店とユニクロの国内店舗数(11月末、815店)も上回る。
一般向け商品を扱う業態「ワークマンプラス」は12月末時点で269店舗と約50店の増加。コロナ禍で高まるアウトドア需要を取り込んだ。
10月には初めて女性客をメインターゲットとする「#ワークマン女子」をオープン。22年3月期末までに10店以上に増やす計画だ。
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