ガチョウの深掘り
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2月8日、ソフトバンクグループが2020年4〜12月期決算を発表。孫正義氏が決算発表会の壇上に立った。
税引き前利益は3兆3,615億円(前年比133%増)と急増。孫氏は、この数字に「特に喜ぶことではない」と自説を展開した。
今回の孫氏は「ソフトバンクグループは製造業」だという例えを持ち出した。
関連するのは、以前もあった「金の卵を産むガチョウ」の話。金の卵(=投資リターン)を計画的に製造するのがソフトバンクグループ、というわけだ。
孫氏は、100億円以上のリターンを生み出した投資を「金の卵一個」として説明。ビジョンファンドを開始してから大きく増えて、2020年度には現時点で11件の「卵」が生まれたとアピールした。
この2〜3年でビジョンファンドが投資した企業は131社。そのうち新規上場に至ったのは15社だ。1号ファンドは現在上場する11社に約1.1兆円を投じ、時価3.0兆円になった。投資倍率は2.6倍だとアピールする。
手金で始めた2号ファンドも、0.1兆円を投じて2社が上場に至り、0.7兆円に。2社による投資倍率は4.7倍にのぼった。
まだリターンに寄与していない未上場案件は、一号ファンドで7.6兆円(時価7.8兆円)、二号ファンドで0.3兆円(時価同じ)という構成だ。
これまで「情報革命」に特化すると言ってきたが、ビジョンファンドは「AI革命」に集中すると改めて明言。より大きなビジョン、大きな資金、グループシナジーを駆使して白い卵を「金の卵」にターボチャージすると強調した。
「製造業」と表現した由縁は、こうした成長企業を再現性を持って生み出せるからだとする。「投資はリズム」であり、卵が踊って出てくるかのようにチャイコフスキーの音楽に乗せて説明した。