オランダのASMLと言えば、半導体の回路パターンをウェハに焼き付ける露光装置の最大手企業。最先端チップの製造に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を量産できる世界で唯一の企業として知られます。 顧客はTSMC、サムスン電子、インテルをはじめとする半導体メーカー各社です。同社の受注と出荷の動向は、半導体産業全体の設備投資を映す先行指標として注目されてきました。そのASMLが7月15日、2026年4〜6月期決算を発表しました。 売上高は93億ユーロとガイダンスの上限を上回り、純利益は29億ユーロ、売上高純利益率は31.3%でした。同社はあわせて2026年の売上高見通しを430億〜450億ユーロに引き上げています。決算説明では、AI投資の裾野が広がる構造変化と、2028年分まで積み上がり始めた受注の状況が語られました。
オランダの半導体製造装置メーカーASMLのメモリ顧客の多くは「年内出荷分は完売」と宣言し、ロジック(演算用チップ)側でも先端ノードの供給制約は2026年以降も続く見通しです。AIが切り拓いた空前の需要に、最先端チップの製造装置を作るASMLの供給能力が追いつかない。同社が4月15日に発表した2026年第1四半期決算は、この需給逼迫を装置メーカー側から映し出した内容でした。 数字を見れば好調そのものです。売上88億ユーロ、粗利率はガイダンス上限の53%に着地し、通年売上見通しも360億〜400億ユーロに引き上げ。メモリもロジックも顧客の設備投資は加速しており、フーケCEOは「当面の間、需要が供給を上回る状態が続く」と語りました。 ただ、複数のアナリストが繰り返し問うたのは好調な数値そのものではなく、この需給ギャップをASMLがどう埋めるかという供給側のストーリーでした。主力EUV装置の出荷は2025年の44台から2027年に「少なくとも80台」へ。台数では1.8倍の伸びですが、CFOはこれを「2025年比で2倍の処理能力」と言い換えました。1.8倍と2倍──この差にこそ、ASMLの供給拡張の仕組みが凝縮されています。
現在の株式市場において、最大のテーマと言えるのが「AI」です。高度なAIが世の中を変えるという期待を背景に、関連企業の株価は上昇を続けてきました。一方で「バブル」を懸念する声も依然として存在し、複雑な世界情勢も加わって見通しは必ずしも明らかとは言えません。 そんな中で先日、AI市場の今後を占う重要な二社が最新決算を発表しました。先進半導体の受託生産で世界最大手のTSMCと、その製造に不可欠な露光装置を供給するASMLです。TSMCはAIチップの需要を直接的に受ける存在であり、ASMLは未来の生産能力を左右する立場にあります。 結果だけを見ると、両社とも市場の事前予想や自社のガイダンスに沿った内容でした。7〜9月におけるTSMCの売上高は約331億米ドル、ASMLは75億ユーロを売り上げています。こうした数値の中身や経営陣の発言を見ることで、需要の「体温」を一段詳しく知ることができます。
オランダに本拠を置く半導体製造装置大手のASMLが2025年第2四半期(4〜6月期)決算を発表した。売上高は前年比23%増と力強い伸びを見せ、粗利益率も約53.7%とガイダンスを上回る水準で収益性の高さが際立っている。 今回の業績を牽引した最大の要因は、最先端の半導体製造に不可欠なEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置の販売だ。EUV装置は微細化技術の進展に伴い、半導体メーカーからの需要が続伸。特に成長ドライバーとなっているのは、やはりAI向けだ。 経営陣は、2025年通期の売上成長率を約15%と予想し、今後も半導体業界の好調な市場環境が続くことを見込んでいる。ただし、世界的なサプライチェーンの課題や地政学的リスクについても警戒を示した。今回は、そんなASMLの近況について最新決算を元に紹介する。