ソフトバンクグループ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 14兆8146億9400万 円
銘柄コード 9984(市場第一部(内国株))

ソフトバンクグループは東京都港区に本社をおく企業。
1981年に孫正義氏が「日本ソフトバンク」として設立、PC用パッケージソフト流通事業を開始。
1992年にソフトベンチャーキャピタル(現SBIホールディングス)を設立。
2014年に米キャリア「スプリント」、2016年には英国「ARM Holdings」を買収。
同年には10兆円のソフトバンク・ビジョン・ファンドの設立を発表。

企業概要・事業構成

ソフトバンクグループのセグメントは、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド等SBIAの運営するファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」、および「ブライトスター事業」の4つとなっている。セグメントと主な事業の内容および主な会社は以下の通りである。

ファンド事業

ソフトバンク・ビジョン・ファンド等SBIAの運営するファンド事業としては、ソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資事業が挙げられ、主な会社は、SB Investment Advisers (UK) 、LimitedSoftBank Vision Fund L.P. となっている。

ソフトバンク事業(通信)

ソフトバンク事業としては、日本国内での移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、ブロードバンドなど固定通信サービスの提供、インターネット広告やイーコマースサービスの 提供が挙げられる。主な会社は、ソフトバンク、 Zホールディングスとなっている。

アーム事業(2020年9月売却発表)

アーム事業としては、マイクロプロセッサーのIPおよび関連テクノロジーのデザインや、ソフトウエアツールの販売、ソフトウエアサービスの提供が挙げられ、主な会社はArm Limitedとなっている。

ブライトスター事業(2020年9月売却発表)

ブライトスター事業としては、海外での携帯端末の流通事業が挙げられ、主な会社はBrightstar Corp.となっている。

その他

その他として、スマートフォン決済事業、オルタナティブ投資の資産運用事業、ラテンアメリカにおけるファンド事業、福岡ソフトバンクホークス関連事業が挙げられる。主な会社はPayPay、Fortress Investment Group LLC、福岡ソフトバンクホークスとなっている。

経営方針

ソフトバンクグループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図っている。

経営指標

戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ(株)が、グループ会社を投資ポートフォリオとして統括するマネジメント体制を敷いている。そして、株主価値(保有株式価値-純有利子負債で算出)を中長期的に最大化することを目指し、保有株式価値の増大を図っている。なお、これを支えるための財務方針として、財務の安定性確保の観点から、ソフトバンクグループ(株)のLTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合。調整後純有利子負債(注1)÷保有株式価値で算出)を重要視している。

中長期的な会社の経営戦略

ソフトバンクグループは、情報技術の発展によって社会やライフスタイルが変革する「情報革命」を主要な成長機会として確実にとらえ、長きにわたり人々の幸せに貢献していきたいと考えている。そのためには、社会ニーズの変化をいち早くとらえ、今後の牽引役となるテクノロジーやビジネスモデルに合わせてグループの構成を最適化しながら自己変革を繰り返していくことが不可欠であると考えている。

現在、人工知能(AI)がさまざまなビジネスモデルに組み込まれることにより、価値創造のあり方が塗り替えられ、多くの産業が根本から再定義されようとしている。ソフトバンクグループは、AIの活用による市場の拡大と新産業の創出という大きなチャンスを確実にとらえるため、「群戦略」という独自の組織戦略に取り組くんでいる。さらに、2017年に活動を開始した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を中心に、投資活動を行っている。

重要な子会社別の対処すべき課題

グループ経営陣は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド、アームおよびソフトバンク(株)を、グループによる投資金額の規模およびグループ連結収益への影響が極めて大きい、最重要子会社と認識している。各子会社における、経営上の課題として、「ソフトバンク・ビジョン・ファンドの成功」「アームの新規市場での事業成長」「ソフトバンク(株)グループの継続的な企業価値の向上」を挙げている。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの成功

2017年に活動を開始したソフトバンク・ビジョン・ファンドは、AIを活用した成長可能性の大きな企業に対し大規模な投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指している。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、ソフトバンクグループ(株)からリミテッド・パートナーとして出資を受けている。また、英国金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)による認可および規制を受けたソフトバンクグループ100%子会社SBIA により運営されている。ソフトバンクグループが戦略的投資持株会社としてのビジネスモデルを遂行するうえで同ファンドの成功は極めて重要であり、以下の3つに取り組んでいく。

第1に、大型資金を中長期的に運用することである。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、986億米ドル(2020年3月31日現在)という多額の出資コミットメントに加え、存続期間が原則2029年11月20日までの長期にわたる私募ファンドという特色を有している。こうした特色を生かし、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、投資時点で企業価値が10億米ドルを超えると試算される非上場企業(いわゆる「ユニコーン」)を中心に、ユニークな投資ポートフォリオを有している。

このような状況において、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、長期にわたる存続期間において中長期的なリターンの最大化を追求する戦略の下で、市場の変動期においてもその影響を緩和するための対策を講じている。引き続き、投資先をサポートし、その価値を最適な形で具現化させるための戦略を描くことを目指している。

第2に、投資先価値向上の追求である。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、2019年9月12日に投資期間を終えている。今後は、様々な助言を通じて投資先の健全な成長と発展を促すことにより、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの保有株式価値の最大化を追求していく。

第3に、適切な運用体制の維持である。SBIAは、ソフトバンググループ(株)の取締役であるラジーブ・ミスラがCEOを務めるほか、投資銀行やベンチャー・キャピタル、テクノロジー企業など多様な経歴を持つシニア・リーダーたちが運営にあたっている。

アームの新規市場での事業成長

プロセッサーの設計を手がけるアームのテクノロジーは、省電力性に優れており、スマートフォン用メインチップのほぼ全てに採用されている。また、アームの技術を用いた製品・サービスが属する世界の半導体市場は、 AIやコンピューター・ビジョンなどの新たなテクノロジーが自律走行車やIoTなどの成長市場で活用されている。そして、より多くの電子機器が通信機能を持つことにより、長期にわたり着実な成長が見込まれている。具体的には以下の2つを注視している。

第1に、重点投資分野および長期戦略である。アームが開発を行うのは、将来長年にわたって必要とされるテクノロジーである。半導体業界の景気減速期においても研究開発を強化し続けることで、「市場の維持」「市場シェアの拡大」「チップ1枚当たりロイヤルティー単価の向上」「新商流の導入」「新規収益源の確立」を長期戦略として掲げる。

第2に、半導体市場の動向とその影響についてである。アームの業績は半導体市場の動向に強く影響を受けることがある。2019年度、スマートフォン売上高の減少や世界的な貿易摩擦、一部企業への規制、そして新型コロナウイルスの感染拡大などの影響により、2020年の同市場売上高は再び前年割れが予想されている(IHSおよびGartner、2020年4月時点)。足元でこうしたリスクは残るものの、今後半導体市場が回復するにつれ、アームは再度成長軌道に転じるものと見込んでいる。

ソフトバンク(通信)グループの継続的な企業価値の向上

日本の通信市場では、政府による競争促進政策の強化、MVNOによる格安スマートフォンサービスの普及、異業種からの新規参入など、事業環境の変化が続いている。またインターネット市場では、アメリカ・中国を中心とした海外企業の優勢が続いており、特にイーコマースや金融・決済の分野で競争が激化している。

全社の対処すべき課題

第1に、安定した財務基盤の構築である。株式市場の変調を含む保有株式価値の変動の影響を受けやすい同ビジネスモデルにおいて、ソフトバンクグループ(株)は、これらの影響を可能な限り抑えた安定的な財務運営を行うことで、安全性の確保を目指している。ソフトバンクグループ(株)のLTVを「重視する経営指標」の通り管理しながら、新規投資や投資回収、投資資産価値の状況などに応じて適切に負債をコントロールしていくことを目指している。

第2に、サステナビリティの推進である。社会の持続的な発展とソフトバンクグループの中長期的な成長の両立を実現するためのサステナビリティビジョンとして「考えるのは、300年後の人と地球」を策定している。また、サステナビリティビジョンにもとづき、6つの活動テーマの設定と特に取り組むべき優先度の高い重要課題(戦略マテリアルイシュー)の特定を行っている。この活動テーマや戦略マテリアルイシューを意識しながら事業活動を遂行することで、サステナビリティを推進していく方針である。