KADOKAWA 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2562億7500万 円
銘柄コード 9468(市場第一部(内国株))

カドカワは東京都千代田区に本社を置く企業。
国文学研究者だった角川源義が1945年に出版社を創業。1949年「角川文庫」創刊。 2011年グリー、ドワンゴと提携。ヒット商品に「週刊ファミ通」「電撃PlayStation」「週刊アスキー」「東京ウォーカー」「涼宮ハルヒの驚愕」など。ブランドにはアスキー・メディアワークス、エンターブレイン、角川学芸出版、角川書店、富士見書房、メディアファクトリーなど。

沿革・会社概要

株式会社KADOKAWAグループ(KADOKAWA CORPORATION)は、株式会社KADOKAWA、連結子会社55社及び持分法適用会社16社により構成されている。「不易流行」を経営理念とし、変化を恐れず挑戦し続け、ネット時代の新たなビジネスモデルとなる”世界に類のないコンテンツプラットフォーム”を確立することを目指している。

2014年に(旧)KADOKAWA(現KADOKAWA Future Publishing)とドワンゴが、経営統合に係る統合契約締結書を締結するとともに、共同持株会社設立のための株式移転計画書を作成した。その後、2014年に前身のKADOKAWA・DOWANGOは設立し、同時に東証1部へ上場する。2015年に商号をカドカワに変更。その後、2019年に連結子会社のKADOKAWAの事業を吸収分割で承継し、商号をKADOKAWAに変更した。(旧)KADOKAWAは、出版物の製造・物流子会社を束ねる中間持株会社となり、称号をKADOKAWA Future Publishingに変更している。

事業内容

KADOKAWAグループは書籍や動画、ゲームといった多様なコンテンツを取り扱うエンターテインメント企業。「出版事業」や「映像・ゲーム事業」のほか、『ニコニコ(niconico)』を筆頭とする配信プラットフォーム「Webサービス事業」、その他教育事業などを展開している。

出版事業

「出版事業」では、書籍の出版・販売、電子書籍・電子雑誌の出版、雑誌の出版、雑誌及びWeb広告の販売等を行なっている。それぞれのサービスの提供会社は、書籍関連はKADOKAWAやビルディング・ブックセンター等、電子書籍関連はKADOKAWA、ブックウォーカー、雑誌関連はKADOKAWA、毎日が発見等だ。

映像・ゲーム事業

「映像・ゲーム事業」では、映像配信権等の権利許諾、映像パッケージソフトの販売、映画の企画・製作・配給、ゲームソフトウェア及びネットワークゲームの企画・開発・販売等を行なっている。それぞれのサービスの提供会社は、映像関連はKADOKAWA、角川大映スタジオ等、ゲーム関連はKADOKAWA、角川ゲームス等だ。

Webサービス事業

「Webサービス事業」においては、ポータル、ライブ、モバイルの3領域で事業を展開している。ポータルでは、動画コミュニティサービスの運営等を、ライブでは各種イベントの企画・運営を、モバイルではモバイルコンテンツの配信等を行なっている。本事業を展開するのはドワンゴだ。

その他

「その他」では、教育事業の企画・運営等をドワンゴ、バンタンが、キャラクターグッズの企画・運営をKADOKAWA、キャラアニが行なっている。並びにインバウンド関連事業の企画・運営等をKADOKAWAが、システム設計・構築・運用等をKADOKAWA Connectedが行なっている。

経営指標と経営環境

KADOKAWAグループは、営業利益及び営業キャッシュ・フローを主な経営指標とし、収益性の向上を目指している。

KADOKAWAグループが対するマーケットにおいては、紙の出版市場は縮小している一方で、電子書籍市場は継続的に拡大している。ネットワークエンターテイメント市場は、各種デバイスの急速な普及及び新型コロナウイルス感染症拡大抑止を目的とした外出自粛を背景に拡大しており、メディアを取り巻く環境は大きな変化を続けている。このような環境下、KADOKAWAグループは、コンテンツ創造力を継続的に成長させ、そこから生まれる潤沢で強力なIPを様々なメディアを駆使して展開している。その上で、複数の事業領域を横断するビジネスを推進し、収益最大化を目指す。

今般、2020年4月にKADOKAWAグループはDX戦略とデジタル事業を切り離した。前者はグループ経営企画本部に統合し、後者は新たなグループの主要デジタル子会社も束ねてデジタル事業本部とした。さらには、新たに内部統制・監査グループを設置し、経営スピードを高めるとともに強固なガバナンス体制を確立する方針だ。

対処すべき課題

KADOKAWAグループは、事業別に対処すべき課題を掲げている。

出版事業

「出版事業」では、引き続き強力なIPの創出に努め、メディアミックス戦略の強化と返品率のさらなる改善を推進する方針だ。

IP創出においては、ベテラン作家や人気作家の作品に加えて、投稿数とページレビューの伸長が継続している小説投稿サイト『カクヨム』等を通じ、ネットでの原作発掘及び新人作家の育成に取り組む。並びに、小集団型編集体制に再編するとともに編集作業のデジタル化を進めており、市場の変化をいち早く捉えた機動的な商品開発にも取り組んでいくとしている。

返品率の改善においては、2020年度より順次稼働予定の製造・物流を一体化した最新鋭のデジタル設備の導入を進めている。その上で、書籍の受注から迅速な製造・発送までを一体で行う最適な生産プロセス、物流システムを構築するとしている。今後、小ロット・適時製造・適時配送を本格稼働させることで、印刷費用や資材費用等の直接原価を削減し、業界が直面している物流問題にも対処しながら、返品率を改善することで利益率向上を図る。

映像・ゲーム事業

映像については、書籍やゲームから生み出される豊富なグループIPの映像化、映像作品発のIP創出、実写映画及びアニメ作品の製作、配給を行い、海外における権利販売にも取り組んでいく方針だ。

ゲームについては、オリジナルのパッケージソフトの企画・開発・販売を主に、プラットフォームの多様化や高機能化、ユーザーニーズの多様化等の市場環境に順応させていくとしている。そのために、経営資源の配分を最適化し、競争力、ブランド力を高めるべく、機動的な事業戦略を遂行していく方針だ。

Webサービス事業

「Webサービス事業」では、斬新なアイデアや高いネットワーク技術力に他にない魅力あるサービス・コンテンツを提供していく方針だ。

ポータルでは、『niconico』における”選択と集中”の加速により収益構造の改善と『ニコニコチャンネル』におけるコンテンツの拡充によるチャンネル有料会員数の増加を図っていくとしている。

ライブでは、2020年4月に行われた日本最大級のユーザー主体のネット発イベント『ニコニコ超会議』は、新型コロナウイルスの影響により、オンラインのみの開催に企画変更した。その結果、ネット総来場者数は2019年の倍以上になった。リアルイベントについては未だ今後の開催が見通せない状況だという。しかし、新しいイベントのあり方や楽しみ方を提案している。

モバイルでは、新たなサービス・コンテンツの提供を進め、着うたや着うたフルを中心に人気楽曲の獲得や『niconico』発のコンテンツ等を揃え差別化を図っている。併せて、コストコントロールを行い、高い利益率を維持しながら継続的な利益創出ができるように取り組んでいく方針だ。

その他

財務面では、健全なバランスシートを維持しつつ事業運営に必要や流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要な課題だとしている。そこで、事業特性に応じたリスク管理を強化していくといしている。加えて、グローバルな事業環境の急変や金融・資本市場の混乱などへの備えとして銀行融資枠の整備を進め、不足の事態が生じても各事業における資金需要に確実かつ機動的に対応できる体制を整えていく方針だ。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月22日)