ヤマトホールディングス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 9951億4200万 円
銘柄コード 9064(市場第一部(内国株))

ヤマトホールディングス株式会社は東京銀座に本社をおく運送会社。1919年に東京市京橋区において創立し、車両4台をもって貸切トラック輸送を開始。1923年には三越百貨店と商品配送の契約を締結。1929年には東京~横浜間に本格的な定期便を開始、国内初の路線事業となる。1957年、親子猫マーク(商標)を制定し使用を開始。1976年には、関東一円において小口貨物の特急宅配システム「宅急便」を開始。


事業内容とビジネスモデル

事業内容

ヤマトグループでは、宅急便などの「デリバリー事業」、ロジスティクスやメディカル製品物流サービスなどの「BIZ-ロジ事業」、家財・家電の集配・セッティングサービスなどの「ホームコンビニエンス事業」、システム開発の「e-ビジネス事業」、ネット総合決済サービスなどの「フィナンシャル事業」、車両整備などの「オートワークス事業」、シェアードサービスなどの「その他」の計7事業から構成されている。

ヤマトグループは、ヤマトホールディングス株式会社および、子会社55社、関連会社25社により構成される。

デリバリー事業

デリバリー事業は、宅急便、宅急便コンパクト、ネコポス、クール宅急便、宅急便タイムサービス、国際宅急便、ゴルフ・スキー・空港宅急便、クロネコDM便、国内航空貨物輸送、時間便を手掛ける。ヤマト運輸、沖縄ヤマト運輸、ヤマトグローバルエキスプレス、 エキスプレスネットワーク、ヤマトダイアログ&メディア、ヤマトコンタクトサービスヤマト・スタッフ・サプライなど合計10社である。

BIZ-ロジ事業

BIZ-ロジ事業は、ロジスティクス、メディカル製品物流サービス、メンテナンスサポートサービス、リコールサポートサービス、国際貨物一貫輸送サービス、海外生活支援サービスを手掛ける。ヤマトロジスティクス、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、ヤマトパッキングサービス、ヤマト包装技術研究所、湖南工業、YAMATO TRANSPORT U.S.A.,INC.、YAMATO TRANSPORT EUROPE B.V.、雅瑪多国際物流有限公司、雅瑪多運輸(香港)有限公司など合計48社である。

ホームコンビニエンス事業

ホームコンビニエンス事業は、家財・家電の集配・セッティングサービス、引越・生活関連サービス、物品販売事業であり、ヤマトホームコンビニエンスが手掛ける。

e-ビジネス事業

e-ビジネス事業は、システムの開発、システムパッケージの販売、物流情報サービス、情報セキュリティサービスを手掛ける。ヤマトシステム開発、ヤマトWebソリューションズ、その他1社の合計3社である。

フィナンシャル事業

フィナンシャル事業は、宅急便コレクト、ネット総合決済サービス、企業間流通決済サービス、 総合リースサービスを手掛ける。ヤマトフィナンシャル、ヤマトクレジットファイナンス、 ヤマトリース、その他1社の合計4社である。

オートワークス事業

オートワークス事業は、車両整備事業、燃料販売、損害保険代理店業を手掛ける。ヤマトオートワークス、ヤマトオートワークス岩手、ヤマトオートワークス北信越、ヤマトオートワークス四国、ヤマトオートワークス沖縄の合計5社である。

その他

その他、JITBOXチャーター便、シェアードサービスを手掛ける。ヤマトホールディングス、雅瑪多管理(中国)有限公司、 雅瑪多(香港)有限公司、YAMATO ASIA PTE.LTD.、 ボックスチャーター、ヤマトボックスチャーター、ヤマトマネージメントサービスなど合計10社である。

経営方針

ヤマトグループは、社会的インフラとしての宅急便ネットワークの高度化、より便利で快適な生活関連サービスの創造、革新的な物流システムの開発を通じて、豊かな社会の実現に貢献することを経営理念に掲げている。今後も、社会インフラの一員として社会の課題に正面から向き合い、顧客、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出することで、豊かな社会の創造に持続的に貢献していく方針である。

経営環境・経営戦略・経営指標

物流業界においては、消費スタイルの急速な変化によりEC市場が拡大する中、今後の経営環境への影響が不透明な状況にある。このような状況下、ヤマトグループは顧客、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に取り組んでいく方針である。

2020年1月、前中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」の成果と課題、外的環境の変化を踏まえ、今後のヤマトグループにおける中長期の経営のグランドデザインとして経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定している。その中で3つの事業構造改革と3つの基盤構造改革からなるプランを着実に実行し、持続的な成長を目指していく方針である。

3つの事業構造改革

第1に、「宅急便」のデジタルトランスフォーメーションである。デジタル化とロボティクスの導入で、「宅急便」をヤマトホールディングスの安定的な収益基盤とし、セールスドライバーが顧客との接点により多くの時間を費やせる環境を構築し、関係強化を図っていく方針である。

第2に、ECエコシステムの確立である。今後も進展が予想される「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組くんでいく。既に、2020年4月より、EC事業者、物流事業者と協業し、一部の地域でEC向け新配送サービスを開始している。あらゆる商取引のEC化に対応する統合受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理できるオープンなデジタル・プラットフォームを構築し、2021年4月からの提供を目指していく。

第3に、法人向け物流事業の強化である。グループに点在する専門人材、流通機能やソーティング・システムなどの物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど、法人向けの経営資源を結集し、顧客の立場に立ったアカウントマネジメントを推進していく。そのためのデータ基盤として「Yamato Digital Platform」を構築し、精度の高いリアルタイムの情報を軸とした法人向け物流ソリューションの提案力を強化していく計画である。

3つの基盤構造改革

第1に、グループ経営体制の刷新である。現在の機能単位の部分最適を、顧客セグメント単位の全体最適な組織に変革し、経営のスピードをより速めることが必要である。そのため、2021年4月、ヤマトホールディングスの100%子会社であるヤマト運輸株式会社が、グループ会社7社を吸収合併および 吸収分割する計画である。

第2に、データ・ドリブン経営への転換である。今後4年間で約1,000億円をデジタル分野に投資するとともに、社内外のデジタル・IT人材を結集し、2021年4月には300人規模の新デジタル組織を立ち上げる計画である。また、2020年4月1日に設立したCVCファンド(コーポレートベンチャーキャピタルファンド)である「KURONEKO Innovation Fund」等を活用し、オープンイノベーションを加速していく。

第3に、サステナビリティの取り組み「~環境と社会を組み込んだ経営~」である。ヤマトグループは、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」の2つのビジョンを掲げている。人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指していく。

優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

ヤマトグループは、社会インフラの一員として社会の課題に正面から向き合い、顧客、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出することで、豊かな社会の創造に持続的な貢献を果たしていく方針である。中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、以下の7つの課題に取り組んでいく。

第1に、新型コロナウイルス感染症の拡大に対応し、顧客に安心して宅急便を利用してもらうことへの対応である。そのために社員の衛生管理に最大限留意するとともに、非対面での荷物のお届けへの対応や接客時の感染防止対策の実施、ホームページなどを活用した情報発信などに取り組んでいく。

第2に、 顧客、社会のニーズに正面から向き合う経営をさらに強化していく。2021年4月にグループ経営体制を刷新し、従来の機能単位の組織を、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4つの顧客セグメント単位の組織に再編していく計画である。

第3に、 第一線の社員が顧客にしっかりと向き合う「全員経営」を推進するため、データ・ドリブン経営への転換に取り組んでいく。宅急便をより安定的な収益基盤にするとともに、セールスドライバーが顧客へのサービス提供により多くの時間を費やすことができる環境を構築するため、宅急便のデジタルトランスフォーメーションを推進する。

第4に、社会のニーズに応え、EC市場の高い成長力を取り込むECエコシステムの確立に向けて、「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組んでいく。EC事業者や物流事業者との共創により、外部の配送リソースとヤマトグループの拠点やデジタル基盤を融合し、EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応えるEC向け配送サービスを提供していく。

第5に、 新たな成長の実現に向けて法人向け物流事業を強化するため、グループ各社に点在する専門人材、流通機能や物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど、法人向けの経営資源を結集させていく。それにより顧客の立場に立ったアカウントマネジメントを推進するとともに、引き続き、グローバル関連事業のマネジメント強化に取り組む。

第6に、 持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立していくことである。人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指していく。

第7に、 社員が働きやすさと働きがいを持ち、イキイキと働くことができる労働環境を実現することである。魅力ある人事制度の構築や、社員の自主・自律が評価され、イキイキと働くことができる評価制度の導入、教育体系の再構築などに取り組んでいく計画である。