東日本旅客鉄道 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2兆5264億7800万 円
銘柄コード 9020(市場第一部(内国株))

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、東京都渋谷区に本社をおく鉄道会社。1987年の日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化によって誕生した7つの鉄道会社のうちの1つ。東京都を含む本州の東半分をカバーし、路線の長さは7,458.2km、駅数は1665駅に及び、1日およそ1700万人の乗客が利用。鉄道事業の他、物品販売業、ショッピングセンター事業、ホテル事業などを「生活サービス事業」として展開している。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

東日本旅客鉄道株式会社グループ(JR東日本、East Japan Railway Company)は日本を代表する鉄道会社。東日本旅客鉄道は1987年に設立し、日本国有鉄道の事業等を引き継ぎ、旅客鉄道事業、旅客自動運送事業等を開始した。1993年に東京、大阪、名古屋の各証券取引所第1部及び新潟証券取引所へ株式を上場。1991年に上越新幹線東京~上野間の営業を、1992年に山形新幹線の運転を、1997年に秋田新幹線を開始する等、創業以来路線を拡大し続けてきている。2007年にSuica事業をIT事業本部に移管し、IT・Suica本部に名称を変更、2018年にはイノベーション本部を設置している。

事業内容

東日本旅客鉄道グループ(JR東日本)は、東日本旅客鉄道株式会社、連結子会社140社及び関連会社71社により構成されている。JR東日本は鉄道事業を軸とした「運輸事業」のほか、「流通・サービス事業」「不動産・ホテル事業」その他の関連事業を展開している。

運輸事業

「運輸事業」では、鉄道事業を中心とした旅客運送事業のほか、旅行業、清掃整備業、駅業務運営業、設備保守業、鉄道車両製造業及び鉄道車両メンテナンス事業を展開している。東日本鉄道の鉄道事業の営業エリアは、主に関東及び東北地方の1都16県だ。駅数は1,657駅、営業キロは在来線が6,207.5km、新幹線が1,194.2kmの総合計7401.7kmとなっている。

主な関係会社は、自動車・鉄道旅客運輸サービスがJRバス関東等、旅行業がびゅうトラベルサービス、JTB、清掃整備業がJR東日本環境アクセス、駅業務運営業がJR東日本ステーションサービスだ。並びに、設備保守業はJR東日本ビルテック、日本電設工業等、鉄道車両製造事業は総合車両製作所、鉄道車両メンテナンス事業はJR東日本テクノロジーが展開している。東日本旅客鉄道は、鉄道旅客運送事業を行っている。

流通・サービス事業

「流通・サービス業」では、小売・飲食業、卸売業、貨物自動車運送事業及び広告代理店業等の生活サービス事業を展開している。

主な関係会社は、小売・飲食業がJR東日本リテールネット等、卸売業がJR東日本商事、貨物自動車運送事業がジェイアール東日本物流、広告代理業がJR東日本企画だ。東日本旅客鉄道は、駅スペースの創出等を行っている。

不動産・ホテル事業

「不動産・ホテル事業」では、ショッピングセンターの運営事業、オフィスビル等の貨付業およびホテル業等の生活サービス事業を展開している。主な関係会社は、ショッピングセンター運営業がルミネ、アトレ等、オフィスビル等貸付業がジェイアール東日本ビルディング、ホテル業が日本ホテル等だ。東日本旅客鉄道は、ショッピングセンター・オフィス等の開発、ホテル業を行っている。

その他

「その他」では、クレジットカード事業等のIT・Suica事業および情報処理業等を展開している。

主な関係会社は、IT・Suica事業がビューカード、JR東日本メカトロニクス、情報処理業がJR東日本情報システムだ。その他に、UQコミュニケーションズ、セントラル警備保障が本事業セグメントに属している。東日本旅客鉄道は、IT・Suica事業等を行っている。

経営方針

「私たちは「究極の安全」を第一に行動し、グループ一体でお客さまの信頼に応えます。」、「技術と情報を中心にネットワークの力を高め、すべての人の心豊かな生活を実現します。」というグループ理念を掲げている。

経営環境

日本国内では、一層の人口減少や高齢化、東京圏への人口集中が見込まれるとともに、自動運転などの技術革新やグローバル化の変容などが加速しており、JR東日本の経営環境は大きく変化していくことが想定される。東日本旅客鉄道グループの内部においても、会社発足から30年以上が経過し、社員の世代交代の進展や鉄道ネットワークの拡充など、様々な変革課題に直面している。並びに、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当面の間は移動需要の大幅な減少が見込まれるなど、日本旅客鉄道グループにとってかつてない厳しい環境となっている。

経営戦略

東日本旅客鉄道グループは、2018年7月にグループビジョン「変革 2027」を策定した。このビジョンのもと、これまでの「「鉄道インフラ」を起点としたサービス提供」から「ヒト(すべての人)を起点とした社会への新しい価値の提供」へと「価値創造ストーリー」を転換していく方針だ。

具体的には、鉄道を中心とした輸送サービスを質的に変革し、進化・成長させるとともに、生活サービスおよびIT・Suicaサービスに経営資源を振り向け、新たな「成長エンジン」にしていく。これにより、連結営業収益を伸ばすとともに、20207年度までに収益全体に占める生活サービスおよびIT・Suicaサービスの比率を4割まで高めることを目指す。並びに、「究極の安全」の追求、サービス品質の改革、ESG経営脳実践を進める。それらにより、顧客と地域の方からの「信頼」を高め、輸送、生活、IT・Suicaの3つのサービスを統合し、オープンイノベーションにより、”信頼”と”豊かさ”という価値を創造していくとしている。

今後10年を見据えた「変革」に挑戦するため、営業キャッシュ・フローを積極的に設備投資に振り向けるとともに、資産を効率的に活用し、利益のさらなる拡大を目指す。厳しい経営環境の中、「変革 2027」のもと、顧客の期待に応えるとともに、さらなるチャレンジと経営体質の強化に努める。地域社会の発展に貢献する企業グループとして持続的な成長を実現する方針だ。

対処すべき課題

東日本旅客鉄道グループは「変革 2027」の実現に向けて、「信頼を高める」、「心豊かな生活を実現」、「社員・家族の幸福を実現」の3つの観点から、以下の課題に重点的に取り組むとしている。

信頼を高める

「信頼を高める」では、「究極の安全」の追求、サービス品質の改革等に取り組む。

「究極の安全」の追求においては、1人ひとりの「安全行動」と「安全マネジメント」の進化・変革に取り組む。並びに、新たな技術を活用した安全設備の整備や、昨今の自然災害の激甚化も踏まえて、災害リスクの減少に取り組んでいる。

サービス品質の改革では、「サービス品質改革中期ビジョン2020」のもと、グループ全社員の力を結集し、輸送障害の発生防止や快適な利用環境の実現など5つの柱に取り組むとしている。その上で、引き続き「鉄道業界 顧客満足度No.1」の実現を目指すとしている。

「心豊かな生活」を実現

「心豊かな生活」の実現では、輸送サービスの質的変革、Suicaの共通基盤化・MaaS(マース、Mobility as a Service:モビリティ・アズ・ア・サービス)推進等に取り組む。

輸送サービスの質的変革については、「旅の目的」創りやインバウンド戦略を進め、交流人口の更なる拡大を目指す。並びに、ドライバレス運転・次世代新幹線の開発、羽田空港アクセス線(仮称)の準備等を加速し、輸送サービスの質的に変革していくとしている。

Suicaの共通基盤・MaaS推進では、Suicaにおいて、交通分野でのサービス拡充や電子マネーの利便性向上に加え、外部との連携を拡大、あらゆるシーンでSuicaを利用可能にするとしている。MaaSについては、プラットフォーム構築と都市型・観光型などさまざまなサービスを提供し、日本におけるMaaSの普及を牽引する方針を定めている。

「社員・家族の幸福」を実現

「社員・家族の幸福」を実現では、3つの改革推進、経営体質の強化に取り組む。

成長戦略を着実に実行するとともに、「業務改革」、「働き方改革」、「職場改革」の3つの改革を推進し、社員が活躍できるフィールドを拡大するとしている。

経営体質の強化については、収益力の向上や「業務改革」、「働き方改革」、「職場改革」の実現に向けて、戦略的でメリハリのある投資を行う、並びに、生産性の一層の向上やDX(Digital transformation:デジタルトランスフォーメーション)の推進、オープンイノベーションによる部外との連携の強化にも取り組んでいる。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月23日)