リコー 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 8938億9400万 円
銘柄コード 7752(市場第一部(内国株))

株式会社リコーは東京銀座に本社をおく企業。理化学研究所の研究を工業化するため設立された理化学興業より感光紙事業を継承し、1936年に理研感光紙(株)として創業。翌年にはカメラ事業にも進出。1950年代には国内初のカメラの大量生産体制を確立。1955年には事務機分野にも進出。1977年には「OA(オフィス・オートメーション)」を提唱し、オフィスの生産性向上を支援。その後もデジタル複写機の普及を推進。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社リコー(RICOH COMPANY,LTD.)の前身である理研感光紙株式会社は1936年2月に設立された。リコーは1938年3月、光学機器の製造販売を開始する。1961年10月、東京及び大阪両証券取引所市場第一部に上場を果たす。1963年4月、商号を株式会社リコーに変更した。

リコーは国内のみならず、海外にも展開しており、1973年1月に米国に、1983年12月には英国に、2008年5月にタイに現地法人を設立している。また国内の動きとしては、2010年7月にリコーの販売事業部門及び国内の販売会社7社を合併しリコージャパンを設立した。なお、2014年7月にはリコージャパン株式会社へ、国内販売関連会社を統合している。

事業内容

リコーは、オフィスプリンティング、オフィスサービス、商用印刷、産業印刷、サーマル及びその他分野において、開発、生産、販売・サービス等の活動を展開している。販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開している。リコーの事業の分野としては「オフィスプリンティング分野」「オフィスサービス分野」 「商用印刷分野」「産業印刷分野」「サーマル分野」「その他分野」に分かれる。

オフィスプリンティング分野

オフィスプリンティング分野は、リコーの基盤事業として、世界トップクラスのシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンターなどの画像機器や関連サービスなどを提供している。その主たるものは複合機、複写機、プリンター及び上記機器類の保守サービス及び関連消耗品だ。

オフィスサービス分野

オフィスサービス分野では、新しい働き方を支援する製品やサービスの提供など、IT環境の構築からネットワーク環境の運用支援、ユーザーサポート等を組み合わせたトータルソリューションを通してオフィスの顧客の課題解決に貢献している。

商用印刷分野

商用印刷分野は、印刷業を営む顧客に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品・サービスを提供している。その主たるものはカットシートPP(プロダクションプリンター)、連帳PP等機器及び上記機器類の保守サ ービス及び関連消耗品だ。

産業印刷分野

産業印刷分野は、家具、壁紙、自動車外装、服飾品生地など、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド、インクジェット用インク、産業用プリンターなどを製造・販売している。

サーマル分野

サーマル分野は、食品用のPOSラベル、バーコードラベル、配送ラベルなどに利用されているサーマルペーパーや、 衣料品の値札やブランドタグ、チケットなどに使われる熱転写リボンを製造・販売している。

その他分野

その他分野は、「産業プロダクツ」、「Smart Vision」、その他の事業分野を含む「その他」から構成されている。リコーグループの持つ技術力等を活かして、産業向けからコンシューマー向けまで幅広い製品・サービスを提供している。

事業環境・経営戦略

リコーグループは1936年の創業以来、世の中にイノベーションをもたらす製品やサービスを提供し、顧客とともに成長してきた。これまでリコーグループは、複写機・複合機を中心に、販売と保守サービスを展開する業界随一と言われる体制を築き、世界中の顧客との関係を深めつつ大きな成長を遂げることができた。しかし、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により世界的な規模での経済下降リスクが高まっていることに加え、米中貿易摩擦や新興国経済の減速など経済環境の変化が続くものとみられる。

一方、AIや5Gに代表されるテクノロジーの進化、シェアリングエコノミーの拡大などにより、顧客の価値認識や働き方の変化、需要動向なども大きく変化しつつある。そのため、従来と同じやり方で収益を持続的に拡大することは困難となるリスクがあるとともに、新たな事業機会が大きく広がっていく可能性もあると認識している。 中長期的には、全世界的に大きな2つの社会的潮流があると捉えており、これらの潮流は、新型コロナウイルス感染症拡大も加わり、従来の想定以上に加速していくものと思われる。1つ目は、企業に対して社会課題解決への貢献を求める声が高まっており、SDGs (持続可能な開発目標)の達成に貢献しない企業はたとえ高収益でも市場の評価は得られず、 持続的な成長が見込めないということだ。2つ目は、個々人の生き方や価値観の多様化が進むことだ。IT・ネ ットワーク・IoTなどの進化も相まって、働く場所の制約はなくなり、働き方においても個人化が加速している。

こうした環境変化を踏まえて、リコーは従来の環境の下で作り上げられた体制や業務プロセスを、これからの事業環境に即したものへと再構築することが、喫緊の課題であると認識している。その上で、過去から学ぶだけではなく未来を見据えた変革に取り組む必要があると考えている。

現状の課題認識と対処の方向性

不確実性がますます高まる世界において、リコーグループが直面する課題としては、大きく3つあると認識している。

世界的な経済不況が想定される中での業績悪化

1つ目の課題認識は「世界的な経済不況が想定される中での業績悪化」だ。この課題認識に対しリコーは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下における短期的な業績安定化施策の実施をしていく。2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症が全世界的に拡大し、経済活動が収縮により、世界経済の停滞が想定されている。こうした経済環境を踏まえると売上の大きな成長を見込むことはできない。そのため、即効性のある施策実行による利益創出と、事業継続に向けたキャッシュの確保に全力で取り組み、人員及び拠点の最適化、業務プロセス改革のさらなる追求、事業選別の徹底などを実行していく。

中長期的な事業環境の地殻変動

2つ目の課題認識は「中長期的な事業環境の地殻変動」だ。この課題認識に対しリコーは、環境変化を捉えた中長期での企業価値向上に取り組んでいく。具体的には、デジタルサービスを提供する会社への転換を進 め、持続的な企業価値向上に徹底的に取り組んでいく方針だ。

バリューチェーン全体でのESG(環境・社会・ガバナ ンス)/SDGs対応要請拡大

3つ目の課題認識は「バリューチェーン全体でのESG(環境・社会・ガバナ ンス)/SDGs対応要請拡大」だ。この課題認識に対しリコーは、ステークホルダーの期待に答えるESG/SDGsに対する取り組みを加速していく。経済社会への負の影響が顕著に表れている気候変動について は、温室効果ガス削減目標を改訂し、さらに取り組みを強化する。他の社会課題についても目標設定を行い、ESG投資の拡大やグローバル顧客を中心としたステークホルダーからのESG/SDGs対応要請にバリューチェーン全体で確実に応えていく。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月29日)