パナソニック 事業内容・ビジネスモデル

フォロー
時価総額 3兆477億200万 円
銘柄コード 6752(市場第一部(内国株))

パナソニック株式会社は大阪府門真市に本社をおく総合エレクトロニクスメーカー。1918年、松下幸之助(当時23歳)が考案したアタッチメントプラグを妻、義弟とともに製造販売を開始し、松下電気器具製作所として創業。1923年には砲弾型電池式ランプを考案発売。1927年「ナショナル」の商標を制定。1971年ニューヨーク証券取引所に上場。2003年よりグローバルブランドを「Panasonic」に統一。


事業内容とビジネスモデル

事業内容

パナソニックグループは、パナソニック及び連結子会社528社を中心に構成され、総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、開発・生産・販売・サービス活動を展開している。

パナソニックの製品の範囲は、電気機械器具のほぼ全てに渡っており、「アプライアンス事業」「ライフソリューションズ事業」「コネクティッドソリューションズ事業」「オートモーティブ事業」「インダストリアルソリューションズ事業」の5つの事業と、この5つの事業に含まれないその他の事業活動から構成されている。

アプライアンス事業

環境・省エネや空質への関心の高まりもあり、空調、白物家電などの領域が成長市場である一方、テレビなどAVの領域は技術進化の停滞やコモディティ化の進展などにより、成長性の悪化が見込まれている。

アプライアンス事業では、成長市場である空調を主とするくらしインフラ領域においては、業務用空調事業でグローバルに収益性を高める取り組みを進めている。家電を中心としたくらしアプライアンス領域においては、テレビなどの事業環境の厳しい領域の構造改革を実行しつつ、一人ひとりの顧客とつながり、価値に結び付く商品・サービスで「お客様との距離を縮める」ことにより、収益構造の変革を図る。また、中国・北東アジア社と連携し、中国をはじめ広域アジアで競争力強化につながる最適オペレーションの実現に取り組んでいる。

ライフソリューションズ事業

日本では、新築住宅着工は縮小するものの、オフィス・店舗などの非住宅分野ではリニューアル需要を含め底堅く継続することが見込まれる。海外では、中長期視点ではISAMEA(インド、南アジア、中東、アフリカ)や東南アジアを中心に住宅やインフラなど都市開発の需要拡大が期待されている。

ライフソリューションズ事業の日本エリアでは、主に非住宅分野において、複数の商材を繋げたシステムでの販売・施工に加え、中期的にはお客様のお困りごとを解決するためのコンサルティング、納入後の保守・サービス領域へお役立ちの幅を広げている。また、インドや東南アジアなどでは、販売・生産体制の増強により、電設資材の収益を伴う販売拡大を進めている。これらの取り組みを通じて、顧客視点でくらしをより良く、快適にする事業をグローバルで実現している。

コネクティッドソリューションズ事業

労働力人口の減少や消費者嗜好の多様化などが進む中、製造・物流・流通における事業領域は継続的な市場拡大が見込まれている。

コネクティッドソリューションズ事業では、顧客の「つくる」「運ぶ」「売る」現場の業務プロセス革新を通じて経営課題解決に貢献し、現場プロセス事業を柱とした持続可能な高収益事業体への変革を目指している。物流、流通を中心としたサプライチェーン領域では、コンサルティングなど上流工程からの価値訴求や、現場のデジタル化・データ連携による業務プロセス高度化を通じて、顧客の販売拡大、コスト削減に貢献している。

ファインプロセス(製造)領域では、開発から製造・販売・サービス一体で顧客に向き合い、全プロセスで継続的な価値提供に取り組んでいる。

オートモーティブ事業

自動車業界では、CASE(CASE=Connected:車が通信ネットワークに常時接続、Autonomous:自動運転、Shared & Services:車を共有して使うサービス、Electric:電動化)の進展に伴い、100年に一度と言われる大変革の時代を迎えている。車両に搭載する技術が高度化し、移動空間の快適性や交通事故低減への要請は、更に増加している。

オートモーティブ事業の車載機器領域では、強みを発揮できるIVI(In-VehicleInfotainment=オーディオ/ビジュアルで安全:運転に必要な情報・快適:エンターテインメントなドライブをサポートする車載機器)、HUD(Head-UpDisplay=運転に必要な情報をドライバーの視線前方に表示し、視線移動を少なくすることで、より安全運転に役立つディスプレイ機器)、ADAS(ADAS=先進運転支援システム:自動ブレーキ、自動駐車など、車両が危険を察知し、車両を自動制御することで交通事故を防止する安全運転支援システム)を注力分野として強化し、クルマの進化に貢献する活動を進めている。

IVIではデジタルAVや家電で培った知見を活かした高い操作性や機能を実現するソフトウェア開発力、HUDでは業界をリードする小型かつ大画面表示を実現する技術、また、ADASでは緊急ブレーキ、駐車支援などの車両周辺システムにおける高い検知精度を有している。これらの注力分野を中心とした商品の開発・提供により、安全で快適な運転環境づくりに貢献している。

車載電池領域では、円筒形リチウムイオン電池のさらなる技術進化と、合弁会社における角形リチウムイオン電池の開発加速で、高エネルギー密度や安全性で業界をリードし、顧客の需要に応えている。

インダストリアルソリューションズ事業

IoT社会の進展やモビリティの進化、労働力人口の減少などの社会課題を背景に、重点領域と位置付ける「情報通信インフラ」「車載CASE」「工場省人化」の領域は、継続的な進化を伴いながら中長期的に拡大することが見込まれている。それらを下支えするデバイスの需要は、今後大きく成長していくことが期待されており、パナソニックは「強いデバイス」と「強いデバイスを核としたシステム」の提供を通じて、社会課題の解決に貢献している。

インダストリアルソリューションズ事業の「情報通信インフラ」では、5G基地局やデータセンター、「車載CASE」では電装化やxEV(電動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグイン・ハイブリッド[電気]自動車、[水素] 燃料電池自動車の総称)、「工場省人化」では生産設備等をターゲットに、重点領域向け商品で販売成長を目指している。

併せて、材料・プロセス技術のさらなる強化によるトップシェア商品の拡大や、顧客密着で提供価値を最大化していくモジュール・パッケージ商品分野での事業創出に加え、経営体質強化にも取り組み、利益成長を図っている。

経営方針・経営指標

パナソニックは創業以来、社会の公器として、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、「より良いくらし、より良い世界」の実現に向けて事業活動を行っている。

社会環境の変化と向き合いながら、パナソニックの技術力やモノづくり力、社外のビジネスパートナーが持つ強みを掛け合わせ、新たな価値を創造し続けることで、持続的な成長と企業価値向上を追求していく。

経営戦略・経営環境

2019年度からスタートした中期戦略で、パナソニックの事業を「基幹事業」「共創事業」「再挑戦事業」の3つに区分している。

基幹事業と位置付ける「空間ソリューション」「現場プロセス」「インダストリアルソリューション」を中心にリソースを集中して利益成長を目指し、共創事業による競争力の向上などにより収益性改善を目指している。

パナソニックは、事業等へのリスクや影響の見極めと対応策の検討を進めながら、中期戦略をベースに、ポートフォリオマネジメントと経営体質強化を継続していく。

基幹事業

基幹事業では、社会課題を背景としたお客様のお困りごと、経営課題等の解決を実現するソリューション型事業の拡大で、利益成長を図っていく。

共創事業

共創事業では、これまで培ってきたブランド力の強みを生かし、地域や他社との連携により競争力の強化、収益性の向上を目指し、効率的かつ競争力のある経営体質を実現するため、低収益事業への抜本的な対策等を継続して実行し、固定費の削減も進めていく。

これらの取り組みで、収益体質を徹底して強化するとともに、個々の事業の競争力向上に取り組み、2030年までの長期的視点では、「くらしアップデート」を通じ、人の「くらし」にフォーカスしたお役立ちを創出し続ける会社を目指す。

対処すべき課題

コーポレート・ガバナンスを中長期的な企業価値向上のための重要な基盤と位置付け、取締役会と監査役・監査役会体制のもと、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の強化に継続して取り組んでいる。

取締役会では、監督機能やコーポレート意思決定機能としての実効性を高めており、指名・報酬諮問委員会や取締役会実効性評価の仕組みの活用等により、経営の機動性や透明性を高める活動を進めている。

パナソニックグループは、より良いくらしと持続可能な地球環境の両立を目指した「パナソニック環境ビジョン2050」を策定している。

そして、創・蓄・省、エネルギーマネジメントに関する商品、技術、ソリューション開発を通じて、使うエネルギーを削減するとともに、それを超えるクリーンなエネルギーの創出・活用に向けた取り組みを進めている。

取り組みを加速するため、国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟し、2050年までにグローバルで使用する電力を100%再生可能なエネルギーに切り替え、CO2排出ゼロのモノづくりを目指している。

また、「TCFD」の提言を踏まえて、気候変動の影響を受けやすいと判断した事業を含めたリスクと機会を特定し、シナリオ分析を行っている。

人材マネジメント情報を可視化、可用化する「グローバルタレントデータベース」の活用などで、国・地域・会社を超えた配置・登用やキャリア・能力開発を実現し、人材マネジメントの高位平準化、組織能力向上を目指していく。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月26日)