エアトリ 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 515億7500万 円
銘柄コード 6191(市場第一部(内国株))

株式会社エボラブルアジアは東京都港区に本社をおく企業。2007年設立、2016年東証マザーズに上場。「One Asia」をビジョンに掲げ、アジアの様々なチャンスやエンジニアを繋ぐ架け橋となることを目指す。エンジニア人材不足のソリューションとしてベトナムのホーチミン・ハノイ・ダナンに拠点を設立し日系最大のラボ型オフショア開発を展開するほか、航空会社との強固なアライアンスによるオンライン旅行事業、訪日外国人向けサービス及び民泊運営企業向けサービスを展開。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社エアトリグループ(Air Trip Corp.)は、株式会社エアトリ及び連結子会社26社で構成されている。「One Asia -アジアは一つとなり、世界をリードする-」をビジョンに、「アジアの人々の「移動」と「協業」を、ITの力でより近くに」を企業ミッションとして事業展開している。

2007年にオンラインによる旅行事業を行う目的で、前身の旅キャピタルを設立した。2013年にはオンライン旅行事業のみではなく、総合IT事業を営む方向性を明確にするために、商号をアボラブルアジアに変更。その後、2016年に東証マザーズへ上場、2017年に東証1部への市場変更を果たし、2020年1月にエアトリに商号を変更した。

事業内容

エアトリグループは「オンライン旅行事業」「訪日旅行事業」「ITオフショア開発事業」「投資事業」の4事業を中心に事業展開している。オンライン旅行事業では国内航空券などの旅行商品をネット販売している。訪日旅行事業ではインバウンド需要向けに旅行商材を提供している。ITオフショア開発事業ではラボ型のシステム開発ソリューションを提供している。投資事業では既存事業とのシナジーを重視したM&Aなどを推進中だ。

オンライン旅行事業

「オンライン旅行事業」では、国内航空券を中心とした旅行商品のインターネット販売を行なっている。販路は、旅行商材の比較サイトによる直販(BtoC)、他社媒体へ当社の検索予約エンジンを提供するOEM(BtoBtoC)、法人の出張手配(BTM)の4つだ。

BtoCでは、総合旅行プラットフォーム『エアトリ』を提供している。国内航空券を中心としたサービス運営に加えて、2018年に海外ツアーに強みを持つDeNAトラベルを子会社化し、サービスの拡充及び航空券取扱オンラインNo.1のサービスへと成長している。

BtoBtoCでは、他社が運営しているWEB媒体、会員組織に対して、エアトリの旅行コンテンツの検索・予約エンジンをOEMで提供している。コンテンツ提供は無償で行い、顧客が旅行商品を申し込んだ際に、その収益を媒体運営社とエアトリでレベニューシェアしている。

BTMでは、業務出張に関する移動及び宿泊の手配ニーズがある顧客に対し、BTM契約による旅行商品のワンストップサービスを提供している。OTAの強みを活かし、専用のBTMクラウドサービス『エアトリBTM』を、顧客に導入コスト無料・利用コスト無料で提供している。

訪日旅行事業

「訪日旅行事業」では、急増する訪日旅客(インバウンド需要)に旅行商材を提供している。従前の各海外旅行代理店やWeb媒体への日本国内航空券の横断検索、予約販売システムの多言語OEMの提供に加え、訪日客向けキャンピングカーレンタル事業、両替事業、Wi-fiレンタル事業も行なっている。急増する訪日旅行需要に対応するため、新たなサービスに取り組み、一層の業容拡大を目指す。

ITオフショア開発事業

「ITオフショア開発事業」では、ラボ型のシステム開発ソリューションを提供している。一般的なプロジェクト型の受託開発モデルでは、プロジェクトごとに人員をアサインさせる。一方でラボ型は、顧客ごとに新たな人材を採用し、専属のエンジニアとして提供するという特徴を有する。並びに、ラボ型の開発では、顧客がエンジニアの開発状況を随時確認でき、一般的な受託開発モデルと比べ、格段に顧客の意向を反映することもできる。そのため、約100%の稼働率を達成できるビジネスモデルになっている。

投資事業

「投資事業」では、既存事業とのシナジーを重視した積極的なM&A、成長企業への投資、並びに育成を推進している。2017年度には、投資先を42社まで拡大しており、今後も投資対象企業の拡大、育成によるバリューアップとイグジットを推進していく方針だ。

経営指標

重要な経営指標として、「オンライン旅行事業」のBtoCでは取扱高昨年対比伸び率及びリピート率・オーガニックユーザーの割合、BtoBtoCでは取引先継続率、BTMでは新規取引先増加数を重視している。「ITオフショア開発事業」では、ベトナム人従業員数、訪日旅行事業では新規取引先増加数を重視している。企業価値の増大を図っていくために重視する財務指標は、売上高、営業利益だ。

経営戦略

エアトリグループは、「オンライン旅行事業」において、国内航空券を中心とした旅行商材の比較サイトによる直販(BtoC)を主軸にオンライン販売を行なっている。これまで航空券市場は、消費者に認知され、確立されたブランドが存在していなかった。そうした状況下、エアトリは総合旅行プラットフォーム『エアトリ』ブランド認知を強化することで、オーガニックでの流入の増加を見込み、利益率向上を目指している。今後は、国内航空券・海外航空券に留まらず、旅行に関連する新規商材についても拡大を推進し、業容拡大を目指していくとしている。

訪日旅行領域では、新法制定も鑑みた民泊プラットフォーム構築の推進、訪日客向けキャンピングレンタカーレンタル事業準備を行なっており、一層の業容拡大を目指している。

「ITオフショア開発事業」では、ホーチミン、ハノイ、ダナンの3拠点を各プロジェクトにあった拠点の最適化を一層推進し、多拠点や他国への展開を行なっていくとしている。並びに、日本国内で行うことが多かったシステム開発の上流工程のオフショア化を推進し、受注できるプロジェクト範囲の拡大を目指している。

投資事業では、成長・再生企業への投資推進、投資先の育成や企業価値の向上を目指している。

対処すべき課題

エアトリグループは、「オンライン旅行事業」と「ITオフショア開発事業」それぞれで対処すべき課題を挙げている。

オンライン旅行事業

「オンライン旅行事業」では、以下の4つの対処すべき課題を掲げている。第1が「確固たるブランドの確立」だ。これまで国内航空券市場において、消費者に認知され、確立されたブランドがなかったことから、『エアトリ 』ブランドの認知の強化、オーガニック検索での流入の増加による利益率向上を目指している。第2は「事業(取扱商材)の拡大」だ。エアトリグループは国内航空券の販売に関わる収入を売上の主体とする。それに加え、海外航空券の事業領域拡大や新ブランド『エアトリプラス』のリリースなどにより、取扱商材の多様化の強化を図っていくとしている。第3は「提携サイトの拡大」だ。業容を継続的に拡大していくために、優良な企業との積極的な提携を図っていくという。第4には「システム技術・インフラの強化」を挙げている。

ITオフショア開発事業

「ITオフショア開発事業」では、各国の文化や習慣について把握していくことが重要だという。オフショア開発のプロジェクトを進める上では、開発を任せる技術者の国の労働環境や習慣が、計画を予定通りに進めることを妨げる可能性もある。そこで、これらをいち早く把握し、対処できるよう、今後も海外拠点との連携を強め、労働環境や社会情勢の状況把握を継続して強化していく方針だ。

その他、全社に関わる対処すべき課題としては、「優秀な人材の確保」、「コスト削減」を掲げている。


参照 有価証券報告書(提出日:2019年12月27日)