日本製鉄 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆7048億7700万 円
銘柄コード 5401(市場第一部(内国株))

日本製鉄会社(NIPPON STEEL CORPORATION)は東京丸の内に本社をおく企業。1950年に八幡製鐵株式会社と富士製鐵株式会社が合併した新日本製鐵株式會社が前身。2012年に住友金属工業株式会社と合併。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

日本製鉄会社(NIPPON STEEL CORPORATION)は東京丸の内に本社をおく企業。1950年に八幡製鐵株式会社と富士製鐵株式会社が合併した新日本製鐵株式會社が前身。2012年に住友金属工業株式会社と合併。

製鉄事業、製鉄・環境・エネルギー関連のプラント建設から超高層建築物や巨大鋼構造物などを扱うエンジニアリング事業、鉄の製造過程で得られるコールタールやコークス炉ガスを有効活用する石炭化学をベースに石油化学を融合した化学事業、新素材事業やシステムソリューション事業を展開。

経営理念として以下の5つを掲げている。

  • 信用・信頼を大切にするグループであり続けます。
  • 社会に役立つ製品・サービスを提供し、お客様とともに発展します。
  • 常に世界最高の技術とものづくりの力を追求します。
  • 変化を先取りし、自らの変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。
  • 人を育て活かし、活力溢れるグループを築きます。

事業内容

日本製鉄グループは、日本製鉄と408社の連結子会社及び118社の持分法適用関連会社等により構成されている。事業セグメントは、製鉄事業、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業の4セグメントだ。

製鉄事業

条鋼、鋼版、鋼管、交通産機品、特殊鋼、鋼材二次製品、銑鉄・鋼塊他の製造を行っている。加えて、製鉄事業に付帯する事業等も展開している。

エンジニアリング事業

製鉄プラント、産業機械・装置、工業炉、資源循環・環境修復ソリューション、環境プラント、水道工事、エネルギー設備プラント、化学プラント、タンク、陸上・海底配管工事に関する事業を展開している。加えて、エネルギー関連ソリューション、海洋構造物加工・工事、土木工事、鋼管杭打工事、建築総合工事、鉄骨工事、トラス、システム建築製品、免震・制振デバイスに関する事業展開も行っている。

ケミカル&マテリアル事業

ピッチコークス、ピッチ、ナフタリン、無水フタル酸、カーボンブラック、スチレンモノマー、ビスフェノールA、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、無接着剤FPC用銅張積層板に関する事業を展開している。加えて、液晶ディスプレイ材料、有機EL材料、UV・熱硬化性樹脂材料、圧延金属箔、半導体用ボンディングワイヤ・マイクロボール、半導体封止材用フィラー、炭素繊維複合材、排気ガス浄化用触媒担体に関する事業展開も行っている。

システムソリューション事業

コンピュータシステムに関するエンジニアリング・コンサルティング、ITを用いたアウトソーシングサービスその他の各種サービスを展開している。

経営方針

日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、事業を行なっている。

経営環境

中長期的な環境変化について、以下の3つを想定しているという。

鉄鋼需給構造の変化

世界の粗鋼生産量は、人口の増加に伴う経済成長とともに拡大していくと予測される。一方で、輸出市場は世界最大の鉄鋼消費国である中国の内需減少と中国沿岸部・ASEANにおける一貫鉄鋼生産能力の増強を受けて、競合が激化していくと予想している。世界的な自国産化・保護主義の流れが定着することも予想される。この変化は、足元の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、さらに加速する考えだという。国内においては、高齢化・人口減少による建設需要の減少やユーザーの海外現地生産拡大による間接輸出減等により、鉄鋼需要は縮小する見通しだ。

社会・構造の変化

高度ITの急速な進歩、自動車における車体軽量化や高強度化のニーズの高まりにより、EV等新エネルギー車への動き、自動車運転の普及を通じて、素材に求められる性能はさらに高度化していくものと予想される。この変化の中で、他素材との競合が激化する可能性があるという。一方で、鉄は他素材に比べ、コスト競争力、リサイクル性、環境負荷の低さ等の大きな優位性があることに加え、多様な特性と無限の可能性を持つ。そのために、例えば鉄の理論強度は他素材と比べて非常に高く、さらに軽くて強い鉄へ進化していくポテンシャルを有している。

持続可能な社会の実現

国連で採択された「SDGs」の取り組みが進む中、特に気候変動対策である地球温暖化ガスの削減や循環型社会の構築は、鉄鋼業にとって大きな使命だとしている。環境対応商品・ソリューションへの需要が増加するとともに、国内では国土強靭化対応に投資の拡大に伴う鋼材需要の増加が予想される。

経営戦略

日本製鉄グループは、製鉄事業を中核として、鉄づくりを通じて培った技術をもとに、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進している。製鉄セグメントは、日本製鉄グループの連結売上収益の約9割を占める。

日本製鉄は、足元の新型コロナウイルスの影響による鉄鋼需要減少に対して、コストを重視した需要見合いの生産に取り組んでいる。さらに踏み込んだ下方弾力性を確保するために、高炉15本中6本の一時休止を迅速に判断し、製品工程も品種毎の需要状況に合わせて稼働を調整している。雇用維持に資する施策の一環としては、国内の各事業所において、全社1人あたり平均月2日程度の臨時休業を実施している。資金面では営業キャッシュフローの悪化を踏まえ資金圧縮、設備投資効率化、資金調達に取り組む。

日本製鉄は、新型コロナウイルスの終息後には、いかなる事業環境下でも単独営業利益を黒字へ転換することを目指す。そのために、安定生産力の完全定着、紐付き価格のさらなる改善、選択と集中の徹底による修繕費や設備投資の圧縮に取り組んでいる。中長期的には、商品・設備・事業の徹底した取捨選択により、厳しい事業環境下においても収益力の強化に取り組む。高付加価値商品の比率をさらに上げるとともに、集中生産することで高級材のコスト改善もあわせて図るとしている。この方針を踏まえ、2020年2月に公表した生産設備構造対策の実行の前倒しや追加対策の検討・実行に取り組む。成長戦略としての海外事業においては、引き続き積極的に取り組むと同時に、不採算事業からは撤退し、より深化させていく方針だ。

日本製鉄グループは「2018年から2020年の3か年計画及び2021年の長期にわたる施策・着手」として、2020年中期経営計画を掲げている。2020年中期経営計画では、中期計画社会・産業の変化に対応した素材とソリューションの提供、グローバル事業展開の強化・拡大、国内マザーミルの「つくる力」の継続強化等7項目を掲げて、取り組んでいる。

日本製鉄グループは、足元の厳しい経営環境に加え、中長期的には国内鉄鋼需要の縮小と海外鉄鋼市場における競合が想定されるとしている。一方で、日本製鉄グループの主力製鉄所においては大規模な老朽更新投資が必要な時期を迎えるという。このような厳しい環境条件を見据え、新たな生産設備構造対策と経営ソフト刷新施策を実施することを2020年2月に決定し、順次実行している。

有価証券報告書(2020年7月2日)