メドレー 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1563億2700万 円
銘柄コード 4480(マザーズ(内国株))

事業内容とビジネスモデル

事業内容

メドレーグループは医療ヘルスケア領域において各種インターネットサービスを開発・提供している。医療ヘルスケア領域における人材の不足や地域偏在という課題を解決する人材プラットフォーム事業として『ジョブメドレー』を展開している。さらに医療機関の業務効率の改善や患者の医療アクセスの向上等を実現する医療プラットフォーム事業として『CLINICS』及び『MEDLEY』をサービス化している。

医療ヘルスケア領域においては、医療技術は日々進歩しているものの、法規制の存在やテクノロジー活用の遅れ等の要因により、万人が技術の恩恵を受けられる状況に至るまでには多くの課題が存在している。

そのような中で、医療ヘルスケア領域における様々なステークホルダーと連携しながらインターネットテクノロジーによって課題をひとつひとつ解決していくことが、「納得できる医療」の実現につながると考えている。ミッションは「医療ヘルスケアの未来をつくる」。

メドレーグループは、メドレー及び連結子会社である株式会社NaClメディカルの2社で構成されている。

人材プラットフォーム事業

高齢化の進む日本において、医療ヘルスケア領域でのサービス提供の担い手不足は深刻な課題である。実際に、医療ヘルスケア領域における有効求人倍率は全産業平均と比べて数倍高い水準で推移している。しかしながら、病院・診療所等の医療機関や介護・保育等の事業所には中小規模の事業所も多く、採用にリソースを割くことが難しい場合もある。加えて高単価の人材紹介サービスを利用することが難しい場合もあり、多くの事業所が採用に課題を抱えている。

このような課題を解決するべく、メドレーグループは人材プラットフォーム事業として、医療ヘルスケア領域の事業所向けに成果報酬型の人材採用システム『ジョブメドレー』を運営・提供している。『ジョブメドレー』は以下のような3つの特長を備えている。

第1に、採用成功時の成果報酬を低単価に設定している点である。求人事業所に求職者が実際に入職した時点で費用が発生する成果報酬型のビジネスモデルとなっている。『ジョブメドレー』では、求職者側が自ら絞り込んだ条件のもと求人情報を閲覧し、興味のある求人事業所に直接応募した後に面接に向けたコミュニケーションを取ることができるよう設計されている。

医療ヘルスケア領域の人材採用における一般的なビジネスモデルである人材紹介サービスでは、入職者の年収の20~35%を採用時の成果報酬として設定していることが多い。一方の『ジョブメドレー』における採用時の成果報酬は、入職者の年収対比で2~13%という水準になっている。

第2に、医療ヘルスケア領域における幅広い職種の従事者会員を有している点である。とりわけ医師・看護師・薬剤師以外の残り約7割の人数を占める職種については大規模な企業による参入が多くなかった。『ジョブメドレー』ではこれら職種も含めての幅広く求人を取扱うことにより、多数の顧客事業所を獲得することに成功している。

第3に、ダイレクトリクルーティングの機能が充実している点である。また昨今、医療ヘルスケア領域における人材の地域偏在が課題である。メドレーグループでは、全国的な採用活動を行うことが難しい中小規模の事業所が人材を確保するためには、事業者自らが積極的に「求める人材を探し出し、魅力を伝え、採用する」という手法が有効であると考えている。

日本国内に存在する医療ヘルスケア領域70.6万事業所のうち約26%に相当する18万事業所以上が『ジョブメドレー』の顧客であり、メドレーは業界を代表する人材プラットフォームに成長している。

医療プラットフォーム事業

日本の医療においては、診察・会計・処方箋交付までの待ち時間が長いこと、疾患情報へのアクセスが十分でないこと、及び疾患の治療に関わる情報を患者自身で管理することが難しいこと等様々な課題が存在している。このような課題に対処するため、医療プラットフォーム事業では、患者の通院体験の向上を目指した事業を展開している。

メドレーグループでは、オンライン診療にまつわる規制緩和に歩みを合わせる形で、2016年2月よりオンライン診療システム『CLINICSオンライン診療』を医療機関向けに開発・提供している。その後、クラウド型電子カルテ『CLINICSカルテ』や予約管理システム『CLINICS予約』の機能拡張を行い、医療機関が予約、診療、会計までを一貫して1つのシステムで管理できるようになった。

『CLINICSオンライン診療』は、医療機関がオンライン診療を実施する際に必要な診察予約管理、ビデオチャット、会計及び薬の処方等の機能を提供するオンライン診療システムである。『CLINICSオンライン診療』を導入している医療機関を受診する場合、患者はスマートフォンやパソコンを用いて、 自宅や会社にいながらオンライン診療を受けることができるようになる。オンライン診療の終了後、医療機関は、診察費を患者が『CLINICS』上に登録したクレジットカードに請求し、必要に応じて患者に医薬品や処方箋を送付する。

また、『CLINICS予約』は、オンライン診療だけでなく、対面診療の予約管理にも対応していることから、医療機関 がオンライン診療と対面診療を負担なく組み合わせて予約管理を効率化できるシステムとなっている。

『CLINICSカルテ』は、医療機関が患者と「つながる」ことをコンセプトとしたクラウド型電子カルテであり、メドレーグループは2018年4月より医療機関向けにシステム提供を開始している。『CLINICSカルテ』は『CLINICSオンライン診療』と連携しており、診療データや疾患情報等を医療機関がアプリ経由で患者に共有したり、患者が事前に記入した問診票をカルテ上に反映したりすることが可能になっている。

医療プラットフォーム事業において、メドレーグループでは『CLINISオンライン診療』及び『CLINICSカルテ』の利用医療機関数を重要指標に設定している。

さらに、患者やその家族に向けて疾患、処方薬及び医療機関等の医療情報を提供するメディアサービスとして、『MEDLEY』を2015年より運営・提供している。『MEDLEY』は、患者やその家族が適切な医療情報を取得し、医師との間の情報の非対称性を解消することで自ら医療と向き合う力を持つことをサポートすることを目指している。『MEDLEY』のコンテンツは、他社が提供する電子カルテサービスや携帯キャリアが運営するヘルスケア関連サービスにも、メドレーグループからのデータ提供を通じて導入されている。

新規開発サービス

メドレーグループでは、メドレーグループの中長期的な成長に向けた新規事業の開発を継続的に行っている。かかる新規開発サービスの1つである『介護のほんね』は、10万件以上の介護施設情報を掲載するサービスである。医療機関を退院した患者が、介護施設に入居するに当たって重要視することの多い、各種疾患を持った患者の医療ケア受け入れ体制についての情報を充実させていることが特長である。

経営方針

メドレーグループは、「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションを掲げ、医療ヘルスケア領域において社会の実需に対応した事業を展開している。インターネット等の技術を活用して医療ヘルスケア領域のデジタルトランスフォーメーションを推進し、患者と医療従事者の双方にとって納得できる医療を実現することを目指している。

経営戦略及び経営指標等

メドレーグループは、顧客への提供価値であるメドレーグループの売上高の最大化が長期フリーキャッシュ・フローの最大化ひいては企業価値向上につながると考え、売上高を重要な経営指標と位置づけて各経営課題に取り組んでいる。具体的には、売上高を「顧客事業所数」×「ARPU(Average Revenue Per User/顧客事業所当たりの売上額)」と捉えている。

経営環境及び市場戦略

メドレーグループの事業が対象とする市場は、医療ヘルスケア領域の人材市場及び医療システム市場である。メドレーグループは、医療ヘルスケア領域の人材市場の市場規模を約3,000億円、医療システム市場の市場規模を約 4,500億円と推計している。それぞれの市場規模は巨大だが、一般産業界における人材市場やシステム市場と比較すると、顧客の事業規模が小さいことから顧客当たりの売上が低単価となる傾向にある。

そこでメドレーグループでは、このような市場環境下において多数の顧客基盤を獲得するため、人材プラットフォーム事業において低単価な人材採用システム『ジョブメドレー』を提供している。さらに顧客事業所数及び医療ヘルスケア領域の労働従事者会員数の拡大とともに、コストリーダーシップ戦略を継続し、顧客基盤の強化を図っていく方針である。

また、医療ヘルスケア領域の企業に対して幅広い支援を行っていく「MEDLEY DRIVE」プロジェクトを2018年11月より推進している。プロジェクト第1号案件として、2019年3月には株式会社NaClメディカルを完全子会社化している。

メドレーグループは、今後もMEDLEY DRIVEプロジェクトを通じてメドレーグループの事業基盤を強化していく。医療情報提供サービス『MEDLEY』等の患者向けサービスを提供していくことで、医療ヘルスケア領域の顧客事業所と患者の双方にアクセスを持つことをその戦略としている。