資生堂 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2兆4468億 円
銘柄コード 4911(市場第一部(内国株))

株式会社資生堂は東京銀座に本社をおく企業。1872年、福原有信が東京・銀座に日本初の洋風調剤薬局として創業。1897年「オイデルミン」を発売し化粧品業界へ進出。1902年には店舗内にソーダファウンテンを設置し日本初のソーダ水、アイスクリームの製造販売を開始。1915年には商標「花椿」と花椿マークを制定。1921年「資生堂五大主義」を制定、1927年株式会社化。1949年東京証券取引所に株式を上場。

事業内容

資生堂グループは、資生堂、子会社77社(連結子会社73社、持分法非適用非連結子会社4社)及び関連会社3社(持分法適用関連会社3社)で構成される。化粧品、化粧用具、パーソナルケア製品、理・美容製品の製造・販売及び美容食品、医薬品の販売を主な事業内容としている。更に各事業に関連する研究及びその他のサービス等の事業活動を展開している。

企業理念「VISION 2020 THE SHISEIDO PHILOSOPHY」

資生堂は100年先も輝き続け、世界中の多様な人たちから信頼される企業になるべく、新・企業理念「THE SHISEIDO PHILOSOPHY」を定義しており、以下で構成されている。

  1. 私たちが果たすべき企業使命を定めた OUR MISSION
  2. これまでの140年を超える歴史の中で受け継いできた OUR DNA
  3. 資生堂全社員がともに仕事を進めるうえで持つべき心構え OUR PRINCIPLES

ミッション

「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」

ビューティーイノベーションでよりよい世界を資生堂は多様化する美の価値観、ニーズをとらえ、 人々に自信と勇気を与え、 喜びや幸せをもたらすイノベーションに挑戦します。 美でこの世界をよりよくするためにイノベーションをおこし続けていくことが私たちの責任であり、使命です。

中長期戦略

資生堂は中長期戦略として「主力ブランドへの集中投資」「主な地域における今後の戦略」「市場の変化に迅速に対応できるサプライチェーン体制へ」「成長を支えるイノベーションの加速」「不透明な経営環境に立ち向かい長期視点で成長基盤を強化」を掲げている。

第1に、「主力ブランドへの集中投資」についてである。プレステージファースト戦略により、資生堂が強みを持つプレステージ領域をグローバルで強化している。中でも、資生堂の社名を冠するブランド「SHISEIDO」は、2014年から2019年の売上高の年平均成長率が17%となり、2,000億円を超える規模に成長している。

第2に、「主な地域における今後の戦略」について、中でも日本事業についてである。インバウンド需要の減少や、消費税増税後の消費マインドの弱さの影響を受ける中、インバウンド売上の成長に依存せず、日本の顧客の価値観や購買行動の変化を確実に捉え、改めてローカル市場を再強化する。

中国事業では、力強い成長を維持すべく、プレステージブランドの「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポーボーテ」と日本発ブランドの「エリクシール」、「アネッサ」を中心に投資を集中させる。また、実店舗での取り組み強化とともに、 ネット流通大手との戦略的提携をさらに進め、Eコマースも一層強化していく。

米州・欧州事業では、収益性が課題となっており改善に取り組んでいく。米州では、構造改革を進めている「bareMinerals」の不採算店舗の閉鎖を進める一方、同ブランドの欧州での展開を拡大していく。また、大きな成長ポテンシャルを持つ「Drunk Elephant」、「Tory Burch」の事業を本格的にスタートさせ、収益拡大を実現していく。欧州では、フレグランスが成長をけん引しており、好調な「Dolce&Gabbana」、「narciso rodriguez」にさらに注力していく。

トラベルリテール事業では、プレステージ領域でのポジションを一層強化するための最重要事業として、積極的なマーケティング投資を継続する。大手オペレーターとの交渉力を高め、売り場カウンターを強化するとともに、クロスボーダーマーケティングを積極的に展開し、高い成長性を持続させていく計画である。

第3に、「市場の変化に迅速に対応できるサプライチェーン体制へ」についてである。VISION 2020の実現に向けた取り組み強化の結果、日本市場をはじめ、グローバル全体で資生堂製品への需要が増加している。特に、高品質なメイド・イン・ジャパン商品の評価を得ている海外の顧客の需要が拡大している。一方、中長期的には国内に3つの新工場を建設することとして、昨年12月には、那須工場が稼働している。本年12月には大阪茨木工場が稼働し、その後、福岡久留米工場も稼働する予定である。

第4に、「成長を支えるイノベーションの加速」についてである。将来の成長を支えるイノベーションへの注力も継続していく。2019年に化粧品技術を競う世界最大の研究発表会IFSCCにおいて口頭発表部門の「最優秀賞」を受賞する等、資生堂のイノベーションは、ビューティーの世界でさまざまな新しい価値を生み出し続けている。また、昨年オープンした研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター(GIC)」ではオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」の活動を開始している。

第5に、「不透明な経営環境に立ち向かい長期視点で成長基盤を強化」についてである。昨年後半から増している世界情勢の不透明感は、当面続くものと想定される。新型肺炎ウイルスはこれまでの資生堂の成長をけん引してきた日本・中国・トラベルリテール事業などでのビジネスに影響を及ぼしている。まずは、顧客、従業員の健康と安全確保に努め、当面の間のマーケティング活動の一部については、必要に応じて中止や延期する。今できることとして、Eコマースや越境ECの強化等を行い、新型肺炎ウイルスの感染拡大が終息するのを待って、マーケティング活動の追加や強化を行う等、年間を通じてグループ全社の経費を効率的にコントロールする。

経営方針・社会的使命

資生堂は、企業として成長することはもちろんのこと、本業であるビューティービジネスそのものを通じて社会課題の解決や、人々が幸せになるサステナブルな社会を実現することが、使命であると考えている。その使命の実現と環境・社会・文化に関わる社会価値創造の加速を目的に、2019年1月に社会価値創造本部を新設した。同本部では、さらなるサステナブル経営の実現に向けて、CO2排出量やパーム油、紙や水資源等の環境負荷軽減項目について、目標値とその達成目標年限を定めて開示している。

「環境対応パッケージ開発促進」「ビューティーとクリエイティブの力で肌悩みを持っている方をサポート」「企業文化・芸術・美の発信を通じて、よりよい世界の実現へ」で方針を掲げている。

第1に、「環境対応パッケージ開発促進」についてである。資生堂は、循環型経済への移行を目指し、3R(リデュース、リユース、リサイクル)と生分解性技術の開発を積極的に進めている。この課題への取り組みの一つとして、海水中でも高い生分解性を持つ新素材「PHBH」(株式会社カネカが独自に開発した植物油などのバイオマスを原料とし微生物発酵プロセスによって生産されるバイオポリマー)の化粧品容器への応用を目指し、2019年4月に株式会社カネカとの共同開発を開始した。2019年12月には、容器の回収・リユースを前提として、テラサイクル社(アメリカ・ニュージャージー州) が開発した循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」の日本展開にパートナー企業として参画することを表明した。

第2に、「ビューティーとクリエイティブの力で肌悩みを持っている方をサポート」についてである。あざや白斑などの肌色変化、肌の凹凸など、さまざまな肌悩みがある方にメイクアップ方法をアドバイスする専門の施設「資生堂ライフクオリティービューティーセンター」を2019年5月にシンガポールに開設した。本センターは、2006年に資生堂創業の地である東京・銀座でのオープンを皮切りに、2008年の上海、台湾、2011年の香港に続くもので、さまざまな肌悩みがある方が毎日自分らしく過ごせるようにグローバルで展開していく。

第3に、「企業文化・芸術・美の発信を通じて、よりよい世界の実現へ」である。資生堂は今後も、アートによるイノベーションを目指し、“新しい美の発見と創造”を理念として、芸術文化支援活動を通じ、世の中に新たな価値を紹介していく。