Lyft, Inc. 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 138億8940万5000 ドル
銘柄コード LYFT(NASDAQ)

事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

Lyft, Inc.(リフト)は、ライドシェアサービス『Lyft』を主事業として成長を遂げている米国のテクノロジー企業。2007年、ジョン・ジマー(John Zimmer)氏とローガン・グリーン(Logan Green)氏によって創業された都市間移動の相乗りマッチングサービス「Zimride(ジムライド)」を始まりとする。2012年に短距離移動用のサービスとして『Lyft』をローンチし、2013年にLyftへ社名変更。Lyft, Inc.は2019年3月にNASDAQ市場に上場を果たした。

事業内容

Lyft(リフト)は、自家用車を保有するドライバーが移動手段を求める乗車ユーザー(Riders、ライダー)を乗せる「ライドシェア」事業を展開している。Lyftのサービスは、スマートフォンのアプリケーション通じて目的地が同じ等の移動のニーズがあるドライバーとユーザーをマッチングさせる配車プラットフォームとしての役割を果たす。Lyftはで、目的地についた時点でユーザーがドライバーを評価するという仕組みを構築している。料金の支払いはスマートフォンのアプリケーション上で行うことができる。

Lyftは、ライダーが車の使用量を減らし、車の所有に代わる実行可能な代替手段を提供すると同時に、Lyftのプラットフォーム上のドライバーに、いつ、どこで、どのくらいの時間、どのプラットフォームで働くかを選択する自由と独立性を提供するプラットフォームである。Lyftのサービスがスタートした当初は、利用毎に料金を支払うモデルだったものの、現在はサブスクリプション型の料金体系も一部導入して事業を展開している。

売上構成・ビジネスモデル

Lyftは主に、ライドシェア・マーケットプレイスの利用(ドライバー由来)、バイクやスクーターの利用(ライダー由来)、Flexdriveとの「Express Drive program(エクスプレス・ドライブ・プログラム)」(レンター由来)からの収益を得ている。

ライドシェア・マーケットプレイス

2012年から提供しているLyftの主力サービスである「ライドシェア・マーケットプレイス」では、ドライバーがライドシェア・マーケットプレイスを利用してライダーと接続し、乗車を成功させるためにドライバーによって支払われるサービス料と手数料から収益を得ている。

ドライバーの収益は、主に乗車時間と距離に基づいている。Lyftは、サービス料に加えて、乗車料金に応じて変動する手数料を受け取る。Lyftは、各乗車の完了時に収益を認識している。Lyftは、Lyftが提供した特定のドライバーとライダーのインセンティブによって減額された「純額(net amount earned)」に基づいて収益を報告している。

シェアバイク

2018年、Lyftは、シェアバイクのネットワークにアクセスするためにライダーが支払うサブスクリプション料金と、シェアバイクやスクーターのネットワークにアクセスするためにライダーが支払うシングルユースライド料金からも収益をあげている。収入は、ライダーがLyftのバイクやスクーターを利用するために支払った定額使用料やシングルユースライド料金の総額から、Lyftが提供する一定のライダーインセンティブによって減額された金額に基づいて計上されている。

Express Drive program(エクスプレス・ドライブ・プログラム)

「Express Drive program(エクスプレス・ドライブ・プログラム)」では、車を必要とするドライバーと第三者のレンタカー会社を結びつけている。レンタカー会社とドライバーの間のレンタカー取引を円滑にする。2018年、Lyftは「Flexdrive」社との間で「Express Drive program」を拡大した。

「Flexdrive」との契約の下で、Lyftは、Lyftのプラットフォームを使用するドライバーがレンタルできるようにするための専用フリート(fleet)として定められた車両について、2年から3年の期間にわたってフリート運営コストを支払うことが義務付けられている。フリートの運営コストは、毎月の固定支払いと他の車両の運用コストが含まれている。このような支払いは、車両がLyftのプラットフォームを使用してドライバーによってレンタルされているかどうかに関係なく行われる必要がある。

「Flexdrive」との取り決めにより車両をレンタルするドライバーには、Lyftがドライバーから徴収するレンタル料が課せられる。Lyftは、Lyftのプラットフォーム上での運転者の利用状況からその金額を差し引くか、または運転者のクレジットカードに請求することにより、レンタル料を徴収する。

Lyftは、Flexdrive社とのレンタカー取引において、ドライバーが車両を貸与する前に車両の賃借人となり、月々の固定額やその他の車両運営費の支払いを約束しているため、Lyftはプリンシパルとなっている。また、Lyftはドライバーが車両をレンタルする際にはドライバーに転貸しているため、Lyftとドライバーとの取り決めにおいては、Lyftが会計上の転貸人となっている。

「Flexdrive」との間の車両リースはオペレーティング・リースに分類されるため、ドライバーとのレンタカー取引を表すサブリースもオペレーティング・リースに該当する。「Flexdrive」との取引に係るサブリース収益(収益)およびびヘッドリース費用は、連結財務諸表上、総額ベースで認識している。「Flexdrive」プログラムの下で認識されたレンタル収益は、2018年12月期が5,480万ドル、2019年12月期が1億1,130万ドルであった。

2020年2月、Lyftは「Flexdrive」の買収を完了した。

コンシェルジュ・プログラム

Lyftは、Lyftのライドシェア・マーケットプレイスを通じて組織が顧客や従業員のために乗り物をリクエストできる製品である「コンシェルジュ」サービスも提供しており、顧客・組織からコンシェルジュ・プラットフォーム・フィーも受け取っている。コンシェルジュ・プラットフォーム・フィーは、契約に応じて、1回の乗車につき定額または乗車料金のパーセンテージとして計上され、そのようなコンシェルジュ・プラットフォーム・フィーの収益は総額ベースで認識されている。

製品・サービス

2020年現在、Lyft, Inc.は4種類のサービスを提供している。

『Lyft』

『Lyft』は、通常の配車サービス。このサービスは、一般の人(地域やLyft, Inc.が規定する条件を満たしている人)が自家用車で利用者を目的地まで運ぶ配車サービスである。

『Lyft Plus』

『Lyft Plus』は、『Lyft』よりも大きな車での配車サービス。このサービスは、一般の人が7人乗りの自家用車で行う配車サービスである。

『Lyft Line』

『Lyft Line』は、他人と相乗りする可能性もあるサービス。このサービスでは、同じ方向に移動する人と相乗りする可能性があるが、Lyft, Inc.のなかでは最も安いサービスとなっている。

『Lyft Premier/Lux/Lux SUV』

『Lyft Premier/Lux/Lux SUV』では高級車に乗ることができる。運転手は一般の人であるが、Lyft, Inc.が指定した車種の高級車で行う配車サービスとなっている。

経営環境・背景

Lyft, Inc.は都市は車ではなく人のために作られるべきだと考えている。20世紀の自動車の大量所有は個人にかつてない自由をもたらし、大幅な経済成長に拍車をかけた。しかし、その過程において、都市インフラストラクチャは車を重視して作られるようになった。道路や駐車場は、あまりにも多くの緑地に取って代わられ、大量の車の所有は都市に負担をかけるようになり、かつて車が提供していた自由度を低下させるようになっている。また、車の所有は経済的にも消費者に負担をかけており、平均的な車はほとんどの時間を駐車して使わないにもかかわらず、一世帯の交通費のかなりの部分を占めている。

Lyft, Inc.は都市インフラや自動車社会の現状を変えるためにライドシェアサービス事業を展開する企業である。実際、2020年9月時点で、Lyft, Inc.のサービスは、米国の人口の94%をカバーしており、一日の乗車数は100万回に上っている。利用者は、専用のスマートフォンアプリに表示される地図上から、乗車したい場所と目的地を選択するだけで、配車サービスを利用できるという利便性の高さが魅力である。

Lyft, Inc.は、現代は自動車を所有することから、Transportation-as-a-Service(TaaS)(交通手段の共有化)へのシフトが始まっていると考えている。Lyft, Inc.はこの大規模な社会変革の最前線で事業を展開する企業でり、Lyft, Inc.の提供する『Lyft』というサービスは、米国内の都市とカナダの一部の都市でドライバーとライダーを結びつけることに成功した。


2019年12月期 Annual Report FORM 10-K(提出日:2020年2月28日)