石油・ガスから電力・パイプラインまで、エネルギーとインフラを担う企業のリストです。
AIデータセンターの電力需要が送電網を圧迫し、電気代を押し上げる──米国でそんな見方が広がるなか、震源地とされるテキサス州で興味深い現象が起きています。同州を地盤とする大手電力会社Vistraの2026年4〜6月期決算は、調整後EBITDAが前年同期比30%超増と、過去最高ペースで推移しました。 ジム・バーク社長兼CEOが決算説明会で強調したのは、好業績そのものより需要の「実像」でした。送電網への接続申請について「実態の20倍以上に水増しされた数字は、政策当局に問題を引き起こす」と指摘。申請の膨張こそが市場の混乱の源だと訴えたのです。 注目は主力市場テキサスの夏の値動きです。7月に電力需要が史上最高を更新した一方、卸電力価格は静かなまま推移しました。記録的な猛暑と動かない価格という奇妙な組み合わせの裏側を、経営陣は説明会で具体的に解き明かしています。 なぜ電力会社が、顧客候補であるはずの需要の「間引き」を歓迎するのか。そして猛暑の夏に価格を抑え込んでいたものは何か。決算説明会で語られた電力市場の内幕を追います。
中東情勢の緊迫で原油市場が揺れるなか、米石油大手シェブロンが2026年4〜6月期決算を発表しました。調整後利益は120億ドルと前四半期から急拡大し、生産量は四半期として過去2番目の水準に達しました。脱炭素の逆風が語られてきた石油メジャーにとって、追い風の強さが際立つ3カ月となりました。 マイク・ワース会長兼CEOは「一貫した戦略、資本規律、そして強い実行力が成果を導いた」と総括します。構造的なコスト削減は目標を予定より半年早く達成し、買収したHessとの統合効果も前倒しで刈り取りが進みました。有事の市況だけに頼らない足腰が、数字の土台にあります。 決算と並んで市場の関心を集めたのが、石油とは別の「商品」です。同社は6月、Microsoftと20年間にわたる電力供給契約を締結しました。テキサス州西部の資源地帯で、データセンター向けの電力事業が次の柱として輪郭を持ち始めています。
生成AIをめぐる巨額投資の波は、半導体の先にある電力インフラへ到達しつつあります。世界最大のデータセンター市場、米バージニア州を地盤とする電力大手Dominion Energyの2026年4〜6月期決算は、その最前線の記録簿でもありました。調整後1株利益は0.79ドルと堅調で、通期ガイダンスも全項目で維持しています。 注目を集めたのは、同社が建設中の米最大規模の洋上風力です。完成時期の見直しを発表しながら、ロバート・ブルー会長兼CEOは「顧客は最後のタービンの設置を待つ必要はありません。すでに今日、恩恵を受けているのです」と述べ、強気を崩しませんでした。 背景にあるのは、かつてないペースで積み上がる電力需要です。データセンター向けの契約容量は53ギガワットを超え、管内では今夏、需要記録の更新が相次ぎました。膨張する負荷を前に、同社は風力に加え、ガス、蓄電池、原子力まで総動員する構えを示しています。
生成AIの主役といえば、半導体やクラウドの巨人たち。しかしブームの恩恵は、意外な場所にも波及しはじめています。石油・天然ガスの開発現場を1世紀以上支えてきた油田サービスの老舗、Baker Hughesが発表した2026年4〜6月期決算は、その象徴といえる内容でした。 成長をけん引する機器部門では、受注が前年同期から2倍に膨らみ、過去最高を更新しました。ロレンツォ・シモネリ会長兼CEOは「AIをはじめとする計算需要の急成長が、電力需要の段階的な変化を引き起こしている」と指摘します。掘削の裏方だった会社が、AI時代の電力インフラの担い手として存在感を増しています。 けん引役となったのは、データセンター向けの発電設備です。注文の勢いは売上のペースを大きく上回り、同社はガスタービンの生産能力を大幅に引き上げる決断をしました。さらに7月には大型買収を完了し、電力に続く「もうひとつの商材」も手に入れています。
NextEraが2026年4〜6月期の決算を発表しました。フロリダ州で電力会社を営みながら、再生可能エネルギーの開発では世界最大手という二つの顔を持つ企業です。調整後EPSは1.15ドル、上期の累計では前年比9.8%増となりました。電力が足りないという話が続くなかで、決算にはその先の変化が表れています。 ジョン・ケッチャムCEOは電力需要の加速に触れ、エネルギー事業者は経済成長と手頃な電気代の両方を届けなければならないと述べました。州がそのどちらかを選ばされる時代ではない、という認識です。ただし両立できる事業者は、そう多くありません。 発電開発を担う部門には、契約済みでこれから建てる案件が数年分積み上がっています。新しい設備をつくる需要は、当面途切れそうにありません。ただし今回の決算で目を引くのは、そこではありませんでした。
米国の電力業界はいま、長年続いた需要横ばいから一転、顕著な需要拡大局面に入っています。AIの計算負荷を支えるデータセンターの建設が全米で加速し、系統に乗せる電源を増やす必要が生じているためです。「いかに早く、どれだけの規模で発電所を建てられるか」が、業界全体の競争変数として急浮上しています。 最も多面的に動いている事業者の一つがNextEra Energy(NEE)です。同社は規制下の電力子会社と、長期契約に基づく独立電源事業を展開。天然ガス供給や送電網への投資にも領域を拡大しました。米政府からハイパースケーラー、地方の電力協同組合まで、相手ごとに案件の組み方を使い分けています。 2026年1〜3月期決算では、幅広いパートナーシップが具体的な数字と契約に結びつき始めたことが明らかになりました。調整後1株利益は前年比10%増。複数の大型案件で確定契約へ進む見通しが示されています。
Constellation Energyが5月11日に発表した2026年第1四半期決算は、調整後営業EPSが2.74ドルとなり、通期ガイダンスを据え置きました。AIデータセンター向けの電力需要が事業環境を押し上げる構図が、改めて確認される内容となりました。 「コンピュート、つまり電力に対する需要は、大手クラウド顧客から鈍化していない」とジョー・ドミンゲスCEOは説明しました。AIブームでは半導体に注目が集まりがちですが、その需要を実際に動かす電力こそが供給制約になりつつあります。 今期は約1年前に買収した米天然ガス・地熱発電大手Calpineのシナジーが本格化し、新規発電所も運転を開始しました。発電所の敷地内にデータセンターを建てる新しい立地モデルも、テキサス州で規制承認を得るなど、AI需要を取り込む準備が多面的に進んでいます。 電力会社として突出した利益成長軌道を掲げる同社にとって、AI需要は業界の「常識」をどう書き換えているのか。決算の中身を見ていきます。
「世界の原油・ガスは60日前と比べて構造的にタイトになった」——ハリバートンのジェフ・ミラーCEOは、4月21日の第1四半期決算カンファレンスコールでそう語りました。 中東での紛争等による海峡の閉鎖を受けて、カタールやUAE等の生産活動や、代替ルートの使用に伴う物流(サプライチェーン)に影響が及んでいます。 同じCEOが3ヶ月前に語っていた見通しと今回の発言を対比しながら、既に動き始めた顧客の行動と、なお残る不透明な論点を整理します。
ウォーレン・バフェットが会長を務めるバークシャー・ハサウェイが石油ガス企業「オクシデンタル・ペトロリアム」に大口の出資を行った。 3月4日に開示された資料によると、これまでに取得した株式は9,116万株。直近の株価と照らし合わせれば、その時価は約50億ドルにのぼる。
先日、セブン&アイHDが米コンビニ「スピードウェイ」買収に向けて独占交渉に入ったことが報じられました。 スピードウェイは、アメリカの石油精製会社「マラソン・ペトロリアム」のガソリンスタンド部門。ガソリンスタンド併設型のコンビニを約4,000店舗展開しています。