エリクソンが発表した2026年第1四半期決算は、為替の逆風を除いたオーガニックベースで前年比6%の売上成長となりました。報告ベースではスウェーデンクローナの急騰により10%減収の493億クローナでしたが、調整後EBITAは56億クローナ、営業キャッシュフローは59億クローナと堅調です。年間最大150億クローナの自社株買いプログラムも始動しました。 ボリエ・エクホルムCEOは「市場環境が変動する中でも健全な利益率を維持できる体質になった」と総括しました。最大市場である北米が減収に転じた四半期にもかかわらず、利益率が崩れなかったことへの自信がにじむ発言です。 セグメント別に見ると、クラウドソフトウェア&サービス事業の採算改善が目を引きます。5Gコア需要の取り込みが進んでおり、粗利率・EBITA率ともに過去最高圏です。エンタープライズ事業は2四半期連続のオーガニック成長ですが、14億クローナの赤字を計上しており、まだ投資先行の段階です。
2024年8月1日、ルネサス エレクトロニクスは、電子機器設計ソフトウェアを手がけるオーストラリアのAltium Limitedの買収を完了しました。買収総額は約91億豪ドル。半導体という「ハードウェア」を主力としてきた企業による、大型ソフトウェア企業の買収です。 この一見、事業領域を大きく超えた一手は、何を意味するのでしょうか。 その答えの糸口は、2010年にNECエレクトロニクスとルネサス テクノロジが経営統合して発足して以来、同社がM&Aを通じてダイナミックに事業ポートフォリオを変化させてきた歴史の中にあります。 本稿では、ルネサスのM&Aの軌跡を4つのフェーズに分け、公開情報からその戦略の変遷を紐解きます。
「我々のチップ事業は、消費者の実需を大幅に下回って出荷している」。半導体メーカーのトップが決算説明会でこう発言する場面は、そう多くありません。Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOが4月29日に語ったこの一言には、業界全体を揺らす変化が凝縮されています。 端末は売れている、しかし半導体は出荷できない。需要があるのに、生産が絞られる。一見矛盾するこの現象の背後にあるのが、AIデータセンター向けに急騰したメモリ需要です。震源はクラウドにあり、影響は中国のスマートフォン工場に届いている。遠く離れた二つの場所が、メモリという一本の糸でつながっています。 ただし、Qualcommの決算が映したのはそれだけではありません。一方では自動車事業が年率60億ドル目前まで加速し、もう一方ではAppleとの関係に終焉の数字が示された。動と静が同居する四半期だったと言えます。