業務ソフト大手のServiceNowが2026年10月28日に発表した2026年7〜9月期決算は、売上も利益も会社予想を上回りました。ところが説明会の最中、あるアナリストは時間外取引で株価が大きく下がっていると切り出しました。好決算と株価下落が同居した背景には、同社が自ら選んだ「見栄えを犠牲にする」判断があります。
その一方で、経営陣が最も熱を込めて語ったのは、ChatGPTに自社の「入口」を明け渡すという、常識とは逆に見える戦略でした。呼ばれる側に回るほど稼げるという理屈は、どこまで本当なのでしょうか。
決算発表と同じ日、ServiceNowはOpenAIとの提携拡大を発表し、ChatGPTから直接ServiceNowを操作できるプラグインを打ち出しました。普通に考えれば、自社の画面を使わせなくなれば存在感は薄れ、顧客との接点を奪われかねません。しかし最高製品責任者のアミット・ザベリー氏は、この設計こそ収益を増やすと断言します。入口を譲っても、処理は一つ残らず自社の中で行われるからです。
ザベリー氏は「ChatGPTからは呼び出しが来るだけで、仕事はすべてServiceNowの中で起きる」と説明しました。社員がChatGPTに「このパソコンの不具合を直して」と頼めば、申請の起票から承認、実行まではServiceNowの業務フローが担います。同社の課金は処理1件ごとに消費される「アシスト」という単位が基本で、入口が増えれば処理回数も増え、そのまま売上になる構図です。