コカ・コーラ、値上げしたのに単価が上がらない「前向きな理由」

コカコーラ・カンパニー

南アフリカの売店に、「Mashesha(マシェシャ)」と名付けられた小ぶりのコカ・コーラが並び始めました。現地の言葉で「速い」を意味するこのボトルは、もともとインド向けに開発された低価格の単品包装です。値上げは続けているのに、1本あたりの売上単価はほとんど上がらない。Coca-Colaの2026年7〜9月期決算は、その一見ちぐはぐな姿が偶然ではないことを示しています。

販売量は伸び、シェアは22四半期連続で広がりました。その一方で、あるアナリストは「この10年で最も低い部類の価格ミックスになりかねない」と詰め寄っています。世界で最も知られたブランドが、なぜ今あえて「安く買える形」に軸足を置くのか。経営陣の説明と市場との攻防を追います。

インドの小型ボトルをアフリカへ

エンリケ・ブラウンCEOがこの四半期、各地のボトラー(現地で製造・配送を担う提携企業)を回って得た結論は単純でした。消費者はブランドを愛しているが、手の届く価格に近づける必要がある。その答えが、インドで生まれた小型PETボトルを南アフリカに持ち込む「輸入」でした。安売りをするのではなく、安く買える形を国から国へ複製する。それがいまのCoca-Colaの成長の作り方です。

Masheshaのボトルには、プラズマ技術と呼ばれる加工が施されています。ブラウンCEOによれば、この技術のおかげで「長い配送ルートを通っても賞味期限を高く保てる」といいます。インドの広い国土で磨かれた包装が、そのままアフリカの流通に乗るわけです。1本の価格を下げる発想ではなく、小さくしても品質が落ちない容器を作ることで、低価格帯を成立させています。

続きを読むには

Strainerプレミアムに
ご登録いただく必要があります。

初回30日間無料体験実施中!

無料で続きを読む
または

この記事に登場する企業

人気記事