生成AIを巡る覇権争いの主役は、半導体と目されがちです。しかしその足元では、データセンターや送電網を実際に建てる「職人」を巡る、もうひとつの争奪戦が静かに進んでいます。エネルギーインフラ工事を手掛ける米Quanta Services(クアンタ・サービシズ)の2026年4〜6月期決算は、売上高が96億ドルと二桁成長し、受注残は過去最高を更新しました。
デューク・オースティンCEOは、好調の源泉を設備でも技術でもなく、人に求めます。「職人を育てられるのは、職人だけです」。同社は工事の8割超を下請けに出さず自社の作業員で施工しており、その育成に10年以上をかけて投資を続けてきました。
注目は、この2年で急速に立ち上がったテクノロジー分野です。データセンター建設の大半を一括で担う体制を整え、一刻も早く動きたいテック企業と、慎重にならざるを得ない電力会社という、時間軸の異なる二者の間に同社は立とうとしています。
決算と同時に、通期ガイダンスは全項目で引き上げられました。それでもオースティンCEOは「多くの意味で、我々はまだ始まったばかりです」と言い切ります。過去最高の受注残のさらに先に、同社は何を見ているのでしょうか。